幸せの見つけ方

森星(モデル)×田上彩(発酵人)

2020

09.11

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「食」と「社会」をつなぐ「edain」というプロジェクを立ち上げたお二人。その活動のきっかけとなったのは、モデルとして華やかな世界に身を置く中で、森さんが感じた違和感。それは、森さんのライフスタイルにも大きな転機をもたらしました。

日本の魅力を改めて知る



仕事を通して、いろんな国に行くチャンスもあって、ここ3年間ぐらい、出張やトラベルしてたりすると、ものすごくウエイストを使ってるし、ファッションの世界も本当にコレクションの時期はファッションショーですごくインスピレーションの場所でもあって、このお仕事に携われて良かったなと感謝はあるけど、同時にやっぱりファッションの光と影と言うか、それは子供ながら祖母がファッションデザイナーというのもあって、やっぱり美しいものの中には影は絶対あるから、両方見てきた中で、自分がいろんなものを考えずに消費してるという違和感は常にあった。モデルとして美を発信する職業だけど、美って何だろうとか、そもそもの根本を考えるようになっていた時に、衣食住の衣をちょっと離れるではないけど、住む場所や食事にフォーカスした時に、またどういう風に着るものに感謝できるのか、自分の役割を見つけられるのかなと、違うところから観点を当てたい時に彩にコンタクトしたんだよね。もう一つ大切にしてることは、最近、世界地図を買ったんですよね。今までは、日本が真ん中にある世界地図しか見たことなくて、日本以外の全ての国だと日本が右の端っこに描かれてるのを最近知って、客観的に日本を見るきっかけになったんですよ。私がいろんな国でいろんな人たちに出会って、みんな口をそろえて言うのがやっぱり日本の美しさ。四季だったり、日本人のおもてなしだったりとか、日本で食べられる食事だったりとか、自分にとっては日本で生まれて日本で育ってきて当たり前に身近にあるものだから、すごい外に興味があって外に意識が向いていたけれども、この国はすごいぞと思ったんですよね。外を知ることで中を改めて感謝できる。

田上
私はすごいそれを「食」で思った。海外のスーパーフードが何年か前に流行った時があって、オーガニックの展示会に行った時も全部がほぼ海外のスーパーフードが並べられていたけど、日本にはお味噌や梅干しとか最強のスーパーフードがあるのにこれに注目しないで、なんで海外から輸入して…。もっとそれに注目したいなと思ったのも食をやるきっかけになりました。


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理想は、「グラウンディング」する生活



田上
星の家に行ったりするとジップロックも使ったのを全部きれいに洗って、また再利用するために箱の中に入れたりしてる。

おばちゃん扱いされるんですけど(笑)。

田上
プチプチも綺麗に畳んだり、そういうところが完璧にグランディングされている。自分も気をつけたいという思いからすごく物を大切にする。ペットボトルを消費したりは絶対にしないし、物を極力捨てないような生活にどんどん変化してるよね。あと冷蔵庫の中も腐りそうなものをちゃんと使って料理したり、そういうことがすごくこの一年で星が変化した事なんじゃないかな。

発酵に関しても彩がすごく発酵人として教えてくれたのは、畑で自分の身を自然に置くことで、本当にコミュニケーションが取れてる気がしていて、初めて会った彩と今の彩で本当にどんどん素敵な女性になっていくと言うか、いい意味で女性性、人を包み込む強さ、愛で包み込む強さが畑や発酵の力を借りて美しくなってるのが友達としてすごく身近にいて感じるし、すごく尊敬しています。私の中でグラウンディングってなんだろうって思った時に丁寧に生きること。一つ一つのものに感謝の気持ちで向き合うこと、すごく簡単なようで難しい。

田上
土に触ることが一番のグランディングになる気がする、日々の季節のものを取ったり土を耕したりすることで同じ作業をずっとしていく、土を耕して種を植えるのは瞑想に近いし、食器洗いもそうだし、その日々の生活の中にグランディングされる家事や行動はたくさんあって、そういう小さなことを大切にできる女性でいたいなって思う。

日々、幸せってどこだろう? 人生は、自分の一部を常に探してるジャーニーだと感じてるんですけど、でも本当はすぐそばにあって、すぐここの自分の中に幸せはあって、その自分の心の声を聞ける強さを持つことが、本物の強い女性なのかなって思っていて、そういう女性が自分の中ではグラウンディングされてる人かな。女性とか男性とか分けたくないんですけど、でも女性性の持つパワーは男性も包めるし、自分はまだ出産とか経験してないけど、母親になって、守るべきものができた時に、根っこが張ってるなと感じるんですよね。自分は女性としてどこまで根っこが張れるのかは気になるし、それは本当に日々の小さい幸せ、小さいことに目を向けて丁寧に生きることで、見つけられるのかと思ってる。



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