体感こそが価値

原沙知絵(女優)×杉山拓巳(熱帯植物栽培家)

2022

10.14

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原さんが発表された実用エッセイ「心も体も心地よい 私のセルフケア習慣 」では、40歳を目前に訪れたオーストリアでの暮らしや、そこから得た学びについても綴られています。

自分で出会いに行かないと出会えない




杉山
僕も海外に行ったりするけど沙知絵さんにとっての海外はどんな感じですか?

私は若い時から海外が自分らしくいられる場所なので、旅は欠かせなくて、独身の時から旅に行きたいから、マイルを貯めていました。性格的に海外の方が合うんですかね。ポジティブな気持ちになれるし、日本にはいいところがいっぱいあるけど、自分には合わない部分もあって、すごく消極的に追いやられたり、定期的に自分が小さくなってしまうんですよね。そういうのを海外に行くと、すごく解放されます。あとは背が高いのもあるのかな。ヨーロッパに行くと、自分よりも大きい人たちがいっぱいいて、子供の頃から私は背が高かったから気持ちも、見た目も猫背気味になる癖がついていたんですけど、海外に行くようになると、堂々と歩ける。マインド的にもちょっと解放されたりするのですごく必要です。今コロナで行けず、それを忘れているからそろそろ行きたいなと思っているんです。杉山さんはいろいろ海外に行かれていると思うんですけど、どこの国が好きです?

杉山
やっぱり、熱帯が好きで植物植物が中心になってしまうので、行ったところで一番多かったのはハワイです。今、本当にコロナ禍で行けないんですけど、フィリピンのジャングルに入った時は、めちゃめちゃ面白かったです。

個人的に?

杉山
植物の繋がりの友達がいて、その子がレンジャーをつけてくれて、フロリダの人、タイ人、インドネシアの人と僕といろんな国の人が混ざりながら、バスに揺られて、行きました。ジャングルの中にどんどん入って行って、植物がこんなところに生えるんだとワクワクしながら見ていました。

すごい! まだ行ってないところはあるんですか?

杉山
行きたいのは、アマゾン。エクアドルのジャングルには入ったんですけど、ブラジルのアマゾン側に行きたいんですよ。今まで僕が本で見てきたのは、切り取られた部分で、風や空気感は伝わらないんですよね。体感できたものこそが価値だと思っているので、時間の許す限り、どんどん行って見てきたい。海外は刺激になりますよね。

自分が知らなかった文化や想像もしてなかった景色とか、まだまだ出会ってないものはたくさんあるから自分で出会いに行かないと出会えない。どんどんそれを体感していかないと、生きている間にもったいないと思っちゃうんですよね。


日本の食の良さ



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自然療法を学んだ原さんが、健やかな食習慣として取り入れることをおすすめするのが、「梅干し」、そして、「らっきょう」です。

杉山
手作り梅干ししか食べたことないのには驚いたんですよ。

え! 杉山さん、梅干しは普段、買って召し上がっているんですか?

杉山
梅干しを食べる機会が本当になくて、今は梅農家さんと知り合いになって送っていただいたことはあるんですけど。

お母さんやおばあちゃんが作った梅干しは?

杉山
そういうのは食べたことがないんですよ。

うちは農家なので、子供の時から、切干大根、味噌とか梅干しとか、お漬物全般は手作りしか食べたことなかったんですよ。逆に買って食べると、ちょっとは違うなと思っていたんですよね。今回、この書籍の中に、簡単でレシピと言えるようなものではないですけど、梅干しを炊き込んだ土鍋ご飯を入れました。梅干しはお腹の調子も良くなるし、すごく元気になるんですよね。海外に梅干しを持っていくのはちょっと大変だから、使い捨ての小さいパックになっている「梅しょう番茶」を持参します。時差ボケやお腹のバランスを取ってくれるし、水が合わない、食事が脂っぽいとかで、ちょっとお腹を壊した時に飲むと大丈夫なので持っていくようにしているんです。

杉山
あとは、らっきょうのある食卓。

食卓にありますか?

杉山
ないです。

意外でした。

杉山
らっきょう自体を食べることがなかったです。らっきょうタルタルをみて、僕も料理すごい好きなので作ってみたいと思って。

タルタルは、玉ねぎを切ったり、味つけたりすると面倒くさいけど、らっきょうだと甘酢でつけてるからお砂糖やうまみも出てるし、ネギ臭さも消えてるし、食感はシャキシャキとして、美味しいです。杉山家での新しいメニューを取り入れてください。


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原さんのご本「心も体も心地よい 私のセルフケア習慣」は、宝島社より発売中。
また、杉山さんのご本「ビカクシダ (NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビNEO 観葉植物) 」はNHK出版より発売中です。


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