木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2025年08月24日Flow 第三百六十九回目「拓哉キャプテン × 蒼井優」Part3

今月のマンスリーゲストは、11月に公開される映画「TOKYOタクシー」で共演させて頂きました! 俳優の蒼井優さん!
今週も色々聞いちゃいます! お楽しみに!


木村:「アニー」ってボビーさんやってなかったっけ? それこそ自分がガキの頃お世話になった、ボビー吉野さんっていう方が振付で入ってて。

蒼井:私の時は、ジャズの名倉加代子先生っていうすごいお綺麗な、かっこいい先生だったんですけど。

木村:その方本人が、もうバレリーナみたいな方ですよね。頭をパツッって詰めた、ちょっと薄いサングラス掛けてる…。

蒼井:そうです。

木村:あー、俺2回ぐらいレッスンでお世話になった方。

蒼井:本当ですか。すごい素敵な先生だったんですけど。
でもオーディションに行くと、何百人いるんだろう? 結構な人数の同世代の子供がいるんですよ。で、待ち時間がものすごく長いので、お友達がいっぱいできるじゃないですか。

木村:待ち時間で?(笑)

蒼井:はい。その時はまだ小学生とかなので、携帯も持ってないですし、皆色んなところから来てるから、「来年もここで会おう」みたいにそれが続いたっていう感じで。正直、オーディションを受けてるっていう感覚があんまりない、皆と集まる場所、みたいな感覚でした。

木村:すご!(笑)

蒼井:お菓子をいっぱい持って行って皆で分けて食べる、みたいな感じになっていました。

木村:へ~。それで5年目にして(受かった)。

蒼井:そうです。

木村:でもさ、オーディションに行ってるわけだから、受かりに行ってるとは思うけど、それが4回…4年続き、5回目で今までとは違う別れ道に入って「君、合格だよ」っていうふうになった時って、何か違った?

蒼井:全く何も変わらず。でも、その時中学校1年生だったんですけど、受験勉強して私立の中学校に入ってたんですよ。

木村:そうか。中学校を“お受験”したってことか。

蒼井:お受験して入って、そういった活動が禁止の学校だったので、「まずい。どうしよう…」っていう。受かった時は嬉しい気持ちもあるんですけど、「学校どうしよう…」っていうのがすごいありましたね。受かると思ってなかったので。

木村:じゃあ何しに行ってたの?(笑)

蒼井:本当に、友達に会いに行っちゃってたんですけど(笑)。

木村:お菓子持って(笑)。「あいつに久しぶりに会えるな」みたいな感じで行ったら、「合格だよ」って言われて「やっべ…!」ってなったの?

蒼井:そうなんです(笑)。中学校1年生なんで考えが足りてないんですよ(笑)。

木村:でもそれで、公演自体は東京でしょ?

蒼井:そうです。稽古も東京なので、東京に短期間出てこなくちゃいけなくて。でも、たまたま「アニー」だけは、「子供たちに夢を与える作品だから」って言って、休学扱いしてもらえたんですよ。多分本当は退学なんですけど、特別にいいって言って頂けたので、その間休学して、「その代わり、問題集とか色んなのを送るからそれを勉強してください」みたいな形で。

木村:「アニー」の作品力ですよね。じゃなかったら、もうクビだもんね。

蒼井:そうですね。多分モデルさんとかそういったことは駄目っていうふうに言われてたので、「アニー」だけOK出て、出演させて頂けたんです。

木村:すごいな。
うちにも、去年の夏に亡くなったんですけど、「アニー」に出てた犬がいて。「犬飼ってます」って言うと、「何犬?」って皆に聞かれるじゃないですか。で、長い名前言っても「オールドイングリッシュシープドッグです」って言っても、「え?」って言われるんですよ。「え」の次に言うのは、「アニーの犬」って言うと、皆「あ~!」って言ってわかってくれてた。
「アニー」の存在ってそれぐらいですからね。それは私立中学校も「アニー」はOK出すわな。

蒼井:本当にありがたかったんですけど。「アニー」に出たら、今度はそこで友達ができるじゃないですか。出演者で24人子供いるので…。
それで、「アニー」の出演が終わって福岡に帰っちゃったら、皆に会えなくなると思って。そしたらその子たちが他のミュージカルのオーディションを受けるっていう話をしていて、私もそこに行けば皆に会えると思って…(笑)。

木村:嘘でしょ?(笑)

蒼井:本当にそうなんです(笑)。本当にそのレベルなんです、私。
それで、東京の事務所に所属してないとそのオーディションを受けられないって言われて、でも、“事務所に所属する”っていう意味がよくわかってなくて。その当時は、何かのサイトに登録するぐらいの気持ち、名前だけ入れる、みたいな感じだったんです。

木村:エントリーですよね。

蒼井:そうです。あんまり深く考えてなくて。で、事務所に所属して、福岡に帰って、学校に「お世話になりました。もう一度学校に通わせてください」って話をした時に、「事務所に名前は登録したんですけれども、活動はしませんので」って言ってしまって。

木村:学校に?

蒼井:はい。で、「駄目だ」って言われて(笑)。

木村:(笑)。

蒼井:それはそうですよね。それはもう本当に仰る通りですっていう感じだったんですけど、そこで戻る学校がなくなってしまって。東京に出てきて休学扱いして頂いてた時に、東京の公立の中学校に行ってたんですよ。だから、もう仕方がないのでそこに戻って、そのまま東京で中学校2年生から中学校3年生まで過ごして、高校受験を福岡でしようと思ってたんです。
福岡に戻る予定だったのを辞めて東京に残ったのが、今のこの俳優業が続いてるきっかけになりました。

木村:その決断は、全部自分でしたの?

蒼井:なんかもうそうするしかないね、みたいな。家族で話し合ったんですけど、でもいまだに家族で「あれは何だったんだろうね?」とはなってます。
東京で通ってた公立の中学校の2学期の終わりに、ホームルームの最後にちゃんと皆に「福岡帰ります」、「本当にお世話になりました」って挨拶して。で、長期休みの間に福岡に帰ろうと思ってたんですけど、駄目になったから、休み明けにまた(東京の中学校に)いたんです、私(笑)。恥ずかしくないですか? 人生一番恥ずかしかったです(笑)。

木村:(笑)。いやでもね、めちゃくちゃ恥ずかしいだろうその瞬間を、今俺の前で爆笑しているこの笑顔で、全部払拭してきたんでしょうね。

蒼井:いや、今は明るく喋れてますけど、その当時は泣きましたよ(笑)。そんな感じで、Flowしてきました。

木村:それで、高校はこっち(東京)の高校に行って?

蒼井:そうですね。中学校3年生のタイミングで、岩井俊二監督の「リリィ・シュシュのすべて」っていう映画の出演が決まって。撮影が忙しかったのと、ちょっと楽しかったっていうのもあって、「福岡に帰るのを辞めてもうちょっとだけやってみたい」っていう気持ちがどこかであったので、「じゃあ大学受験で福岡に帰ろう」って、先延ばしにしたんです(笑)。

木村:でも、“戻るのは福岡だ”っていう、そのモチベはあるんですね。

蒼井:うちの父が、割と「勉強ちゃんとしなさい」っていうお家だったんですよ。なので、お芝居をやることによって、本業の学業を疎かにしてるっていう罪悪感がずっとあったんです。その当時、10代のうちは、やっぱりメインは学業だと思っていたので。でもそれをなあなあにしてやってしまってるなっていう後ろめたさがずっとあって。
私には年子で1個上の兄がいるんですけど、兄はものすごく勉強をしていたので、東京でその兄と全然違う生活をしてることに対して後ろめたさがあったので、「戻らなきゃ、戻らなきゃ」とは思ってました。

木村:お父さんの、ちっちゃいときから設けてくれていたルールには反してるな、っていう。

蒼井:そうですね。

木村:でも、優ちゃんの口から聞いた“学業”っていう言葉を、改めて、今耳にしながら思ったんだけど…。そっか。学業って、1つの立場だよね。俺、その“学業”っていう頭はなかった。

蒼井:木村さん、この世界はおいくつからですか?

木村:たまたま16の時に。

蒼井:そっか。でも学校行きながら…?

木村:今はもう廃校になってないんですけど。三部制高校っていう、朝、昼、夜の三部制で、僕は午前の部に行ってたんですけど。

蒼井:通ってたんですか?

木村:はい。だから僕、高4まで行きました。皆同期が大学生みたいな感じでやってる時に「俺、高4」っていう(笑)。

蒼井:(笑)。通われてたんですね。通信とかじゃなかったんですか。

木村:通信っていう手もあったんですけど、そっちは選択せずに。

蒼井:私はこの世界でやっていけるとか、食べていけるとか、そんなことを考えるのも恥ずかしいと思っていたので。

木村:でもさ、舞台だったり、ミュージカルの「アニー」だったり、岩井俊二監督の作品だったり、っていう経験値としては、優ちゃんの中にストックはされてるじゃないですか。

蒼井:でも自分ごとになると、それがあまり自信に繋がらないと言うか、たまたま…。

木村:だから、そこでさっきの“学業”って言葉なんですけど。優ちゃんの中の“学業”に匹敵するOKラインとして、“俳優業”だったり、僕らが現場でどの作品でもいつになっても、これは続けなきゃいけない1つの“修行”だと思うんですけど…。“学業”ぐらい自分が向き合わなきゃいけないこととして、多分まだその1つにカウントされてなかったんじゃないですか?

蒼井:やっぱり努力の仕方がわからないって言うか。学業ってわかりやすいじゃないですか。数式を覚えて、ひたすら単語を覚えたりとかして、点数取って、結果を出していくって。私はそれを中学受験でずっとやってきていたので。
だから俳優業をやった時に、スタッフさんは優しいし、共演者の方たちは面白いし、大好きなんだけど、でも、いざお芝居すると、点数も出なければ、答えもない。「私、このグレーゾーンでずっとやってくのすごい嫌だ。〇か×か、誰かがやってくださったらそのままやるんだけどな」、って最初はずっと思ってました。答えがないから、ちょっと大変な世界だなと思ってました。

木村:確かに。言われてみるとちょっとドキッとしますね。点数ないですもんね。

蒼井:そうなんですよ。答えが、基本的に監督がOK出してくださるかどうかもあるんですけど、答えって自分の中じゃないですか。

木村:深い…! 深いとこへ来たぞ。

蒼井:いやいや(笑)。結局、監督がOK出してくださっても、自分の中で「あーもうちょっといけたかも」とかって、結局自分でもジャッジするから、なんかすごく沼な世界だなと思いますけど。

木村:確かにそうですね。点数つかないですもんね。

蒼井:だから、ぼやっとした感じが自分の中であったので、やっぱり明確な“学業”っていうところに身を置かなくて、「あっ」ていう感じ。この世界はちょっと遊びが多いので。

木村:“遊び”。

蒼井:はい。OKラインがの幅が広いとか。

木村:OKを出す人にも寄るもんね。だから、「アニー」の演出家がOKしてくださるものと、岩井俊二監督がOKしてくれることと、で、僕も大好きなんですけど、「フラガール」っていう作品の李相日(リ・サンイル)監督の出すOKも、ちょっと違うじゃないですか。

蒼井:はい。全然違いますね。

[OA曲]
なし

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