2022年07月10日Flow 第二百六回目「拓哉キャプテン × かまいたち」Part1
7月のマンスリーゲストは、お笑いコンビ「かまいたち」の山内健司さん、濱家隆一さんをお迎えしました!
一体どんなトークになるのか、お楽しみに!
木村: 今月のマンスリーゲストは、こちら! お笑いコンビ、かまいたちのお2人です!
かまいたち:よろしくおねがいします!
木村:来たね(笑)。
山内:ついにラジオまで。ありがとうございます。
木村:こちらこそ。だって、なんだっけ?『かまいちょぱ』(GYAO番組)と『木村さ〜〜ん!』のコラボ企画をやらせていただいて、それが最後だったっけ?
濱家:その後に…。
木村:あ、あれだ! テレビ朝日のスタジオで、『かまいガチ』(テレビ朝日系)の収録をしてて。僕は『未来への10カウント』の撮影を隣のスタジオでさせていただいて、その時に会ったりとかしたんだよね。
かまいたち:そうです。はいはい。
濱家:あの時、僕らは朝6時入りか何かやったんですけど、山内が木村さんの楽屋貼りを見つけてテンション上がって、朝6時に木村さんにLINEして。
木村:来ました、来ました。
濱家:ああいうこと、やめろよ!
山内:(LINEの文章が)「お先です〜」
木村:「お先に入ってます」っていうのが来ました。
山内:そうそう。
濱家:吉本(興業)のちょっと上の先輩じゃないからな、木村さん。いいかげんにしてください(笑)。
山内:そうなんですね(笑)。
木村:一応、吉本ではないです(笑)。
山内:他事務所の先輩ですよね。
濱家:他事務所とかでもないでもないねん。もう。他事務所どころやないねん。木村拓哉さんやから。
木村:『木村さ〜〜ん!』と『かまいちょぱ』のロケでは吉本本社のほうにお邪魔して。で、撮影の中で大富豪(トランプゲーム)をやらせていただいて、なぜか連絡先を交換するという話になり。
かまいたち:はい。
木村:最近、新しいご家族が増えたりだとか、タイミングが合ったりした時に…。
濱家:ありがとうございます!
木村:そういう時に連絡させていただいて。
山内:そうですね。
木村:…ていう感じですね。
濱家:木村さんから「子供おめでとう」のLINEが来るとか、すごいことやんか。
木村:なんで?
濱家:いやいや。
木村:普通に(出産とか)知ってたらするでしょう。
濱家:いや、そうなんでしょうけど。自分の子供が産まれた、「おめでとう!」のLINEを木村拓哉さんからもらうっていうのは…。
木村:別に、知り合いだったらするよね?
山内:いやいや、僕ら的には(木村と)知り合いなのが面白いです。
木村:そんなお2人とは、マクドナルドの「ひるまック」のコマーシャルでも共演させていただきまして。
かまいたち:はい。
木村:あの時は、どちらかと言うとアレでしたね。自分と濱家が、「山内さん、今、どうだったでしょうね?」って。
山内:そうそうそう。
木村:テイクの確認を、監督のオッケーよりも何よりも先に、「山内さん、今、大丈夫でした?」っていう感じで。
濱家:顔色を伺うっていう。
木村:俺と濱家が「大丈夫でしたかね?」って言ったら山内氏が「今のは、うーん…まぁまぁやったかな」っていう感じで撮影してましたよね。
山内:あの日は演技全体を僕が見てたんで。
濱家:「あの日は」ってなんやねん。
山内:ちょっと木村さん硬かったかな…。
木村:(笑)。
濱家:おいおいおいおい!
山内:ガチガチになってた。
濱家:木村さんが(ガチガチに)なるか!
山内:木村さんガチガチやったから…。
木村:けっこうね、自分でも”ドキッ”とするようなコメントを、本番の後に山内氏から言われ、「もうちょっとこう、温度高めで言ってもらった方がいいかな?」みたいなことを指摘され。あの日は大丈夫でしたか?
山内:最終的にはいけてました。途中、木村さんがガチガチな…棒読みやったから。
濱家:なるか!
木村:(笑)。
山内:それをほぐして、ほぐして…最後にいい感じでCM。
木村:「棒読み」って言われたからね、俺(笑)。撮影、本番テイク終わった後に、「ちょっと木村さん棒読みっすね」っていう。
濱家:ないねん。そんな、木村さんが棒読みなんか。
木村:いや、でもあれで自分の中で”ちょっと良くねぇなぁ”って思って、若干変えた部分はありました。
山内:良かったです。それが多分『(未来への)10カウント』にも活きたかな。
濱家:黙れ、お前!
木村:(ドラマに)活きたかなぁ(笑)。
濱家:右ストレートくらえ! ホンマに。
山内:(笑)。
木村:まぁまぁ。この番組はゲストがどのように人生をFlowしてきたのかトークしていくわけなんですが、お2人は、2004年に「かまいたち」を結成。今、18年目。
濱家:気づけば。
木村:すごいですね。わりと早めに結成ですね?
濱家:そうですね。吉本養成所でコンビを組んだんですけど。デビュー1年目でこいつ、山内と組んで、18年ですね。
山内:僕は大学を出て、吉本の学校(吉本総合芸能学院・通称NSC)へ行って。
濱家:僕は高校出て1年間バイトしてから吉本に入って。
木村:なんで入ったの?
濱家:大阪なんで、けっこう「芸人になる」っていうヤツが周りにいたんですよ。だから僕、ほんまにクラスのお調子者で、「オモロイから吉本行けや!」って言われて入ってきたタイプです。典型的な…ほんまやったら消えていくタイプの芸人ですね。
山内:“ボケ”の人って、濱家タイプじゃなくて、あんまり表に出ない。”俺、おもろいねん”を内に秘めて、学生時代とか、そんな前に出てないヤツがけっこう多いんですよ。
木村:そういうところを、また、冷静に分析してるところが怖いよね。
濱家:山内はほんまに、NSCに入ってきた時も、大人しい、目立たない…。
木村:これが大人しかったの?
濱家:めちゃくちゃ大人しかったですよ。
木村:大人しい山内って怖くない?
濱家:多分、ほんまに木村さんの印象と全然違うと思うんですよ。何かこいつ、ほんまに人に心を開かないんですよ。
木村:それはわかる。
山内:それはわかるんですか(笑)。
濱家:でも(心を)開くと、近づきたいと思うと、その踏み込み方が異常で。だから木村さんにも平気でLINEするじゃないですか。
木村:それは(心を)開いてんの?
濱家:開きまくって…。
山内:ガバガバですよ。
木村:(笑)。
濱家:木村さんにガバガバ。
山内:ガバガバです。
木村:マジで?
濱家:だから、見つけたら喋りかけに行ったりするから、木村さんは(山内のことを)けっこう喋ると思ってると思うんですけど、普段、ほんまに喋らないです、こいつ。
木村:じゃあ、俺に対してはガバガバになってくれてるから、話してくれてるの?
山内:ガバガバです。喋る人と喋らない人がけっこう分かれちゃうんで。
濱家:みんな「え? 木村さんには喋るんですか?」ってなっていると思います。
木村:そんな山内氏は、島根県出身。
山内:そうなんです。
木村:関西に出た経緯は何なんですか?
山内:僕は高校出ていきなりNSC吉本の学校も考えたんですけど、いきなりってちょっと怖いなぁと思って、大学には行こうと。で、親が教師なんで。
木村:そうなんだ。
山内:親が学校の先生で、校長先生で引退して、公民館の館長をしてたんですけど、その教育系の(職業を)やってたんで、“教師か芸人かどっちかかなぁ…”っていうのがあって。
木村:教師か芸人さんか。
山内:はい。
濱家:真逆の人生ですね。ほんま。
山内:だから島根から1回、奈良教育大学っていうところに行って。教員免許を取って教育実習も行って。
木村:教育実習行った時は、本当にちゃんとした教育実習だったの?
山内:そうです。地元の母校に教育自習で戻って…ってやったんですけど、なんかいまいち、グッと来なかったんで。それやったらやっぱり吉本の養成所に行こうと思って、NSCに行きましたね。奈良から大阪に引っ越しして。
木村:それで入って1年目でこの形態になったんでしょ?
濱家:そうですね。
山内:学校で、僕は最初ピン(1人)でやってて。NSCの時に1回だけコントを組んだのは濱家じゃなくて、インドネシア人と日本人のハーフの子と組んだんです。その子が「言うてる場合か!」しか言えなかったんですよ。
木村:ん?
山内:ツッコミの子なんですけど、練習の時は僕が書いた台本のセリフを全部言ってくれるんですけど、いざ人前に出て漫才すると、僕がどんなボケしようが「言うてる場合か!」しか言わなくなって。ちょっとこれキツイなと思って解散して。
濱家:“言うてる場合じゃない”(シチュエーションの)ボケもするからな(笑)。
山内:そう。いろんなボケしてんのに「言うてる場合か!」しか。
濱家:言うてへんかったな。
木村:それはなんだろうなぁ。
山内:緊張して”うわ〜!”ってなると、一番自信のあるツッコミしか出なくて。
濱家:「言うてる場合か!」しか出なくなって。
山内:「言うてる場合か」ってずっと言うので解散して、で、ピン(芸人)に戻って、どうしようかなと思ってた時に濱家と組みました。
木村:(コンビを)組む時は…何かあったの? (心を)開く瞬間は?
濱家:あ〜。
木村:山内の窓が”ガチャ”って開く瞬間が。
山内:濱家が「言うてる場合か!」以外も言えたんです。
濱家:おい!
木村:ついに?
山内:ついに、コイツ「言うてる場合か!」以外も言える…。
濱家:「言うてる場合か!」だけで開く…お前ガバガバやな。なんやねん、それ。
木村:ないんじゃねーの? 扉。実は。
濱家:本当は、山内が6人目の相方なんです。NSCに入ってから山内と組むまでに5回解散してて。1年ちょっとで5回解散してるんです。僕。
木村:すごいね。すごい周期だね。
濱家:ホントに、もうハイペースで組んで、無理やと思ったらすぐ解散して、また新しい相方…っていうのでやってたんで。
木村:じゃあ、なんで山内がフッて現れた時に“これ行けるかも!”てなったの?
濱家:なんかね、NSCで一番最初のクラスで一緒やったんですよ。で、山内がピンでやってるネタがめちゃくちゃ面白くて。でもね、その時、僕も若かったので、「人気の出る相方」が良かったんですよ。男前の。男前でなおかつ面白い相方を探してたんで。最初、(山内が)めっちゃ気持ち悪かったんです。ほんとに気持ち悪かったんです。見た目が。
木村:ラジオ的に説明できる範囲で。
濱家:まず、暗いとか無口とか影がある感じはもともとあったんですけど、ファッションとかもすごい芋臭くて。1個だけ僕、毎回言うのが、こいつが当時よくかぶってた帽子が、帽子のつばがあって後が布タイプになってて、その布を結んで被るんですけど、結んだ布がくるぶし位まであるやつ被ってたんですよ。“こいつはちょっと俺、ないな”って。
木村:え? それ、私服で?
濱家:私服です。
山内:いや、オシャレやったんです。当時。
濱家:ないねん! そんな時代。
それで1年経って、“「男前」とか「人気出そう」とかじゃなくて、純粋に面白いやつと組んだ方がいいな”ってなって、山内を誘ったんです。
木村:(濱家が)誘ったら?
山内:僕は、(誰かと)組みたかったんですけど、誰も組んでくれなくてずっと1人でやってたんで。“うわ! 誘われた!”と思って。で、“「言うてる場合か!」以外も言える! これは行ける!”と思って組んで(笑)。
濱家:ハードル低いけど。
山内:最初は、濱家は、めちゃめちゃNSCの同期と繋がってたんです。NSCの実力編成でクラスが分けられてたんですけど、僕はずっと一番最下層にいたんですよ。
木村:そうなの?
山内:A、B、Cってランクがあったんですけど、Cクラスの一番下にいたんで、そのAクラスにいたトップの同期とかと1回も会ったことがなかったんですよ。1年間。NSCに行ってる間、濱家はAクラスにいたんで。
木村:(Aクラスに)いたんだ。
濱家:はい。講師の先生が「こいつらいけそう!」というのでAクラス。600、700人ぐらいいる中で10組しかいれない、みたいなところに僕はいたんです。
木村:じゃあ、その時、クラス分けをした講師の人、ビックリしてるんだろうね。
濱家:いやいや、ホンマにそうやと思います(笑)。
木村:”あれ?”って思ってるよね。
濱家:当時、僕はなんだったら“Aクラスの俺がCクラスのお前と組んでやってる”くらいの感覚がありましたね。
木村:なるほど。
山内:(笑)。「Aクラスのメンバーのとこにちょっと挨拶行こう」って誘われて行ったら…(当時のAクラスのメンバーは)しっかり今も売れてるやつが多くて、天竺鼠とか藤崎マーケットとかアキナとかアインシュタインとか、そういうメンバーがAにいたんですよ。そのメンバーのところに連れて行かれて、「よろしく」みたいな話して。で、けっこう僕的にはいい感じで喋って帰ったんですけど、後で聞いたら全員が濱家に「絶対やめた方がいい」って(笑)。
一同:(笑)。
山内:全員が解散させようとしてたって。「あいつは絶対面白くない」って(笑)。
濱家:みんなですよ。僕がオモロいと思ってる10人全員が「あいつは絶対面白くない」「面白くなりそうにもない」って(笑)。
木村:でも、そこの物差しって何だったんだろうね。
濱家:なんですかね、好みやと思うんですけどね。
木村:“面白い”って思う定義って、「2022年の現在何月」っていうタイミングから、次の月になったら、ほんの少し、その形態も変わってそうじゃん。
濱家:そうですよね、確かに。
木村:なんかこう、ホントに面白いって思うことの物差しって、ミリ単位で変化してるじゃん。きっとその時に濱家氏の周りにいた10人が10人「アイツは絶対やめといた方がいい」って言った時の物差しと、今の物差しでは絶対に違うよね。
濱家:そうですね。会ったのがちょうどその面白くないポケットに入ってる時やったんかな。
山内:良かった、そこで。
木村:その「山内」っていう目盛がその時はなかったんじゃない? 物差しの中に。
濱家:あ〜、なるほど。僕しか持ってなかった。
木村:うん。「こいつオモロいわ」っていう、「山内」っていう目盛。
濱家:ほんま助かりました、その目盛持ってて。
木村:それが今になるんじゃないですか。
濱家:そうですよね。確かに。
山内:危ない危ない。
木村:セーフだね。
濱家:ギリやったね。あの時、みんなに言いくるめられてたら解散してたかもわからへんもんな。
山内:そうですね。
濱家:ほんま良かった良かった。
[後TM]
MOJO DRIVE/木村拓哉