日本各地では日々、交通事故をなくすための活動が行われていて、
それに関わっている方がいます。
全国で放送している「なるほど!交通安全」。
今回は岩手県と佐賀県で行われている取り組みをお伝えしました。





今年4月、岩手県 紫波町立紫波東小学校の児童の皆さん144名が
紫波警察署から「ピカッポ推進隊」に委嘱されました。

これは岩手県警のマスコット「ぴかぽ」と反射材が光るピカッとをかけた造語。
「ぴかぽ」は地元が生んだ童話作家・詩人 宮沢賢治の
「雨ニモマケズ風ニモマケズ」の一節からつくられた
雨と風を連想させる、雨粒と風神の風袋をモチーフにしたペアキャラクター。





その「ぴかぽ」にクルマのライトが当たるとピカっと光る反射材つけて歩くことをかけて
紫波町では「ピカッポ」という反射材が作られました。
紫波東小学校の児童の皆さんは、率先して「ピカッポ」をつけて歩くことで
自分の身を守りながら、交通安全をPRすることを託されたのです。
登下校時に子どもが自分の身を守るとともに交通安全を社会にアピールして
さらに防犯にも役立つという目的が考えられた施策です。







岩手県内ではピカッポ推進隊が始まる前の平成30年には交通事故死亡者数が59人。
このうちに歩行者が横断歩道で交通事故で亡くなった方は19人で前年よりも増加。
そして、小学生が2人いたことから、5年前に小学生の交通事故防止対策の一環として、
小学校の児童を反射材着用推進委員「ピカッポ推進隊」として委嘱することにしました。
紫波町には小学校の数は5つ。
1校に2年ずつ「ピカッポ推進隊」を委嘱しています。




終了した学校でも反射材の着用が有効だということで
地域の交通安全協会や団体から寄贈してもらい、
通学時に反射材のたすきを着用して登下校する児童がいるとのこと。

「文化として根付いてきているので恥ずかしがらずに高学年でも着用していて
それが交通安全に繋がっていると思います」というのは
紫波町企画総務部 消防防災課 工藤睦 課長のお話でした。
また、「こうした小さな活動を1人1人が心がけて繋げてことで
交通安全が実現できると考えています」と工藤さんはおっしゃっていました。





そして、もう1つご紹介したのは、
去年の交通事故の死亡者数が13人と47都道府県で最も少なかった佐賀県の話題。
佐賀県では2年前に交通安全のマスコットキャラクター「マニャー」が誕生しました。





佐賀県 県民環境部 くらしの安全安心課 交通事故防止 特別対策室 室長 山﨑康子さんによると
マニャーのフルネームは「マモランバ・サガンコーツー・マニャー」。
見た目は猫ですが、プロフィールには“佐賀県内の人身交通事故発生件数、負傷者数が
全国ワーストレベルを嘆き、安全安心な交通環境を心より望む県民の
「要請」を受け「妖精」として誕生・・・”とあるので妖精です。

ふだんマニャーは佐賀県内を走る車のエアコンの吹き出し口の中に隠れて
ドライバーの安全運転を見守っているという設定で
県内で交通安全関連のイベントがある時などに登場して
佐賀県内の交通事故の状況や安全運転を伝える活動を行っています。





山﨑さんの考えでは去年の全国での交通事故死亡者最少達成は
平成30年にスタートした交通事故をなくすSaga Blue Projectや
警察や関係機関による様々な取り組みの結果でしょうということでした。

そんな山﨑さん「車は便利な乗り物である反面、
交通死亡事故を起こして命を奪う道具にもなってしまうことをしっかり考えて
道路を利用する人が、そのことをお互いに伝え合いながら交通安全に努めていただければ」
と全国へのメッセージを伝えて下さいました。


警察庁によると、令和5年の「ながらスマホ」に起因する
死亡者・重傷者が出た交通事故は過去最大数を記録しました。

生活にスマートフォンが欠かせなくなった今、
運転中、ついスマホを操作していませんか。

今回はモータリング・ライター 藤田竜太さんにお話を伺い
その危険について探りました。





近年のスマートフォンの普及で、スマホの画面を見たり、
操作しながら運転することによる事故が増えました。

スマホなどに起因する死亡重傷事故は
2013年の年間69件から2018年は107件に増加。
それに伴って2019年12月の道路交通法改正で
「ながら運転」に対する罰則が強化されました。

その結果、翌2020年には66件に減りましたが
そこから再び増加に転じて、去年2023年は過去最多の122件でした。





「ながら運転」による交通事故は、どんなパターンが多いのか?
公益財団法人 交通事故総合分析センターの調査によると
直線道路や直進走行時などの比較的安全と思われる場所や状況での事故が多いのが特徴。
事故累計で見ると、追突事故が圧倒的に多くなっています。

スマホ、携帯の利用が画面目的の場合は74.1%が追突事故。通話目的だと40.5%追突事故。
一方で追突事故の割合は、スマホ非使用では36.0%。
いかにスマホに気を取られたことが追突事故の原因になっているかがわかります。

そして、スマホ起因の事故発生時の行動類型を見ると
画像目的では約8割が直進時、通話目的でも約6割が直進時だったというデータがあります。

画面操作も通話も直進時で追突事故が多いのは
「直進だから大丈夫」と思ってスマホを手にしてしまう
その気の緩みが事故を呼び込んでいるということでしょう。





スマホ・携帯のながら運転による事故は死亡率が高いのも特徴。
2023年の交通事故統計によると、スマホや携帯電話等を使用した場合の死亡事故率は
使用してない時と比べて約3.8倍。危険を認識して身構えて衝突する場合と
危険に気づかず衝突する場合では受けるダメージが違うからでしょう。

そして、直進時のクルマは結構な速度が出ていて、
前方不注意が短い時間であってもかなりの距離を走行します。
時速40km/hのクルマは1秒間に約11m、2秒間では約22m。
時速60kmでは1秒間に約17m、2秒間では33m。
この数字からも運転中にスマホを操作したり画面を見ることは危険だとわかります。






ちなみにアメリカの運輸省道路交通安全局は、運転中のドライバーがスマートフォンを操作して
メッセージを送受信するのにかかる時間は、平均4.6秒というデータを発表しています。

言ってみれば、それは4.6秒、目を瞑って運転しているのと同じ。
目を瞑って4.6秒運転してみてと言われても出来るドライバーはいないでしょう。
スマホ・携帯電話などの操作は絶対にやめるべきです。





それでは運転中のスマホをどうしておくべきか?
電源を切るのが理想ですが、そうもいかないならば
車載ホルダーにスマホ本体を固定してドライブモードにしましょう。
どうしても通話が必要な時はスピーカーを使ってハンズフリーで使用してください。
スマホをカーナビ代わりに使う時は、設定や操作を停車中に行なうこと。
画面は注視しないようにして下さい。
先月、気象庁は5月から7月の3か月予報を発表しました。
それによると、全国的に気温は平年より高くなる見込み。
5月や6月でも30度以上の真夏日になる可能性があるとして、
熱中症への早めの対策を呼びかけています。





滋賀医科大学 社会医学講座 一杉正仁教授によると
この時期に一般的な外気温が一般的な22 - 23度という環境だったとしても、
車内の温度は、それよりもかなり高くなり、40度を超えることさえあります。

そして、車内温度がエアコンの表示で25度だったとしても、強い日差しは車内に温度差を生み、
同時に乗車する人に日光が当たっていると皮膚表面の温度と体温も上昇します。
その状態が続くと体の中の温度も上がり、熱中症になる恐れがあるのです。





車内で熱中症にならないための対策は、まずは頻繁に水分を摂取すること。
エアコンの使用で車内の湿度は低くなり、
乗車している人は体内の水分を取られ脱水症状になりやすくなります。
そして、長い時間の乗車は室内温度や体温の上昇を気付きにくくするので気をつけましょう。
特に高齢になると温度の感覚は鈍くなり、体温の調整能力も低下するので注意すること。





自動車の運転は非常に複雑な認知・判断と操作能力が必要ですが
熱中症になると集中力がなくなり、認知能力と判断能力が低下するので
そうなれば交通事故を起こしやすくなることは想像に難くないでしょう。

さらに、熱中症は重度になると痙攣を起こしたり、
意識を失い、最悪な場合は命を落としてしまうことさえあります。
その年の暑さによって数に大きな違いがありますが熱中症で亡くなった人は
2020年には1,528人、2021年には755人、2022年には1,477人もいます。
その意味でも気をつけなければいけません。





現在、自動車事故の約1割は運転者の体調変化が原因と言われています。
一番怖いのは自分に熱中症の初期の症状が出ている、
それによって疲労感が出ていることや集中力が低下していることに気づかないこと。
少しでもいつもと調子が違うと感じた時はクルマを停めて休憩して下さい。
きちんと熱中症対策をして、おかしいなと思ったら無理をせず、安全運転に努めましょう
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