たった1人の友達のおかげで「僕の普通で生きたい」と思えるようになりました。
2022
放送後記

たった1人の友達のおかげで「僕の普通で生きたい」と思えるようになりました。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

今夜、声を届けてくれるのは…!

遥瑠猫

神奈川県 15歳 高校1年生 RN 遥瑠猫です。
僕は、体は女の子ですが、心の性別はその時によって変わる不定性です。基本的には無性ですが、たまに男性寄りの中性や男性になります。これは自分でコントロールして変えられるものではありません。

そして、僕は発達障がいの傾向が強くあって、忘れ物が多かったり、遅刻ばかりだったり、落としてはいけないものをよく落としたり、誰かと話していると気付かないうちに地雷を踏んでしまいます。そんな僕は、幼稚園から超がつくいじめられっ子でした。

先生にわかるくらいいじめにあっていて、いつも一人ぼっちでした。
最初は、なぜ自分だけこんな目に遭わなきゃいけないんだろうと思っていましたが、「自分は普通と違うから、いじめられて当然の人間なんだ」と思い始めて、人と違うところが気になるようになり、どんなに頑張っても普通の子になれない自分は、社会のゴミと思って病んでいました。

だけど、小学3年生の時に、世界が一変しました。
ある時、僕は給食をひっくり返してしまい、いつものようにみんなに無視されていた時に、1人だけ、ためらうことなく手伝ってくれた男の子のクラスメイトがいました。そのクラスメイトは、いじめられていた僕と仲良くしてくれて、不登校になってもそばにいてくれました。そして一度も僕を否定しませんでした。それどころか、笑顔の方がいいって肯定してくれました。

「ひとりじゃないよ」「ここにいて良いよ」「普通じゃなくても、ありのままで良いんだよ」
そう言われた気がして、僕は彼のおかげで自分を認められるようになっていきました。僕は『僕の普通で生きたい』。そう思えるようになりました。

もしかしたら今、周りと違うことで、誰にも理解されないと、辛い思いをしている人がいるかもしれませんが、たった1人でも認めてくれる人がいれば、変われると僕は思います。
だから、周りに一人ぼっちの子がいたら、否定しないでほしいです。そのままでいいよ、と認めてあげてください。何か思うことがあるなら、否定しないで意見として言ってあげてください。 押し付けなければ、否定されたとは感じないと思います。

僕は、残りの小学生時代、そして中学3年間は、その友達が1人いたから、乗り越えることができました。高校で彼とは別々になってしまうけど、その彼のおかげで、今はこう、はっきりと言えます。
新しい高校生活が、本当に、楽しみです。

ぺえ教頭
ぺえ教頭

温かいお友達に出会えて、本当に良かったね。

こもり校長

遥瑠猫から生徒のみんなへのメッセージで、「周りに一人ぼっちの子がいたら、“そのままでいいよ”と認めてほしい。何か思うことがあるなら否定しないで意見として言ってあげてほしい」と。

ぺえ教頭

同じ境遇で悩んでいる子もたくさんいると思うから、その子たちにとってすごく勇気になった発信だったんじゃないかなと思う。

こもり校長
こもり校長

同じ立場じゃなくても、ちょっと寂しい思いをしてたりとか、なかなか友達関係を築けずに新学期を迎えてしまう生徒もきっといるだろうから、そういう中で「自分一人が変わらないと」という“枷(かせ)”を背負うんじゃなくて、誰か周りの人に何か期待をしてみるっていう希望も持てる話だったなと思う。

遥瑠猫はその友達と別れてこの春から高校1年生ということで、ここから先広がっていく出会いが素敵な出会いになることを願ってます。行ってらっしゃい!

『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2022.4.4たった1人の友達のおかげで「僕の普通で生きたい」と思えるようになりました。
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