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著述家・古谷経衡さんスタジオ登場!(2018/2/8)

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木曜日は、「カルチャー」。


今日は、紀伊國屋書店1月21日〜2月6日の
新書ベストセラーランキングトップ3をご紹介!



第3位『 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか 』鴻上尚史(講談社現代新書)

第2位『 新・日本の階級社会 』橋本健二(講談社現代新書)

第1位『 日本史の内幕−戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで 』磯田道史(中公新書)


そしてスタジオには、著述家の古谷経衡さんをお迎えしました。古谷さんは昨年末、今の日本の“ある部分”を解析し、警告と提言を発信する著作『「道徳自警団」がニッポンを滅ぼす』をイースト新書から出版されました。まずは、古谷さんの新刊『「道徳自警団」がニッポンを滅ぼす』をご紹介しましょう。


中世ヨーロッパで“魔女狩り”も行った「自警団」。それに類するものが今のニッポンにもある。それはいわば「道徳自警団」。この「道徳自警団」は、有名人の不倫に代表されるように、「道徳的かどうか」という判断基準で、狙った相手が退場するまで叩きまくる。しかし、巨悪や凶悪犯罪を攻撃することはない。このままでは、日本の社会は退化していくばかり。彼らを消滅させる唯一の方法とは…?

中西:「道徳自警団」というのは古谷さんの造語だそうですが、いつ頃から道徳自警団という概念が見えてきたのですか?


古谷さん:不道徳であるかそうでないかというのは、犯罪ではないわけですよね。犯罪じゃないから、警察は動いてくれない。不倫したからって逮捕はされませんからね。で、こういう人たちは犯罪ではないことを、あたかも犯罪者かのように言いつらうんです。つまり、警察が動いてくれないなら、自分たちでやってやろうと。自分たちでやってやろうというのは、電話とかFAX攻撃、あとはメール攻撃で、例えばこの政治家を辞めさせようとか、芸能人の芸能生命を奪ってやろうとか、そういう風に自分で彼らを追い詰めることを、僕は「道徳自警団」と名付けました。


中西:この典型的な例をひとつ紹介してください。


古谷さん:昨年散々ありましたけれど、政治家の不倫関係ですね。これは今年も起こるんでしょうけれど、究極的に言ってしまえば、例えば賄賂を受け取ったとなれば政治資金規正法に触れますが、不倫というのは本人たちにとっては悪いことですが、犯罪行為にはあたりません。ところが、それで議員辞職をした議員もいますし、それで離党してしまった議員もいます。そういうところをテレビやネット、週刊誌などがかなり取り上げたということなんですが、でもよく考えてみれば、政治家の善し悪しは不倫とは関係なくないですか?どれだけ法案を通したとか、どういったものに熱心に署名してきたか、とかであって、不倫で善悪を決めてしまうのなら、明治維新をやった政治家なんて、かなり危ないと思うんですよ。(笑)そう考えると、今の風潮ってちょっとおかしいよね、と。


中西:道徳自警団はどうして、巨悪や凶悪犯罪を叩こうとしないのでしょう。


古谷さん:巨悪は白黒つくのにすごく時間がかかって、複雑なんですよ。そういうのではなく、例えば不倫なら反射的に“悪”となるので、これが簡単なんですよ。不道徳なら、即決で「そいつが悪い」となりますから。迷いがなくてすごくいい、ということなんです。


中西:これ、どうしたらいいんですかね(笑)。どうしたらなくなるんでしょう?


古谷さん:本の中でも書いているんですが、こういった「道徳自警団」が出てきた背景には「経済停滞」があると思うんです。世の中が全然成長しないから、些細なところに目が向いちゃうんです。例えばこれが高度成長期やバブルのときなら「道徳自警団」的な人はほとんどいなかったと思うんです。それはなぜかというと、経済が成長していたからなのではないかと。経済が成長して給料があがっていくことの方が、些細な不道徳よりもみんなの関心が高いんですよ。経済成長して皆さんの懐が温かくなれば、そういうところに目が向かなくなる、というのが僕の理論です。


古谷経衡さんの新刊『「道徳自警団」がニッポンを滅ぼす』はイースト新書から本体価格861円で発売されています。今日の古谷さんのお話を聞いて気になった方は、ぜひ書店でお手にとってみて下さい!