今月ご乗船いただいているのは、来月で開業125周年を迎える、日本を代表するラグジュアリー・ホテル 帝国ホテルの代表取締役会長・小林哲也さんです。

小林さんは海外への視察なども含め、旅のご経験は豊富でいらっしゃいます。

今週は、「おもてなしの精神」についてお伺いしました。


ー 出会いに気付いて、受け入れて、それを発信して、その出会いをいいものに育てていくんです ー



干場「開業125年という歴史を誇る帝国ホテルですが、これまでに国内外のVIPを迎えられていると思います。中でも、1929年にドイツの飛行船ツェッペリン伯爵号のクルーの方々が宿泊されたんですよね?」

小林「乗客と乗員約50人が、帝国ホテルに3泊4日で泊まられたんですよ。ツェッペリン伯爵号の全長は235メートル、最大胴幅が35メートルなんですよ」

干場「そんなに大きいんですか!」

小林「その時はツェッペリン伯爵号が世界一周をしようということで、アメリカの新聞王と言われたハースト家のスポンサーで、288時間という記録を作ったんですよ。東京-ロサンゼルス間が6日間、その機内食のメニューを作ることと、食材の調達を帝国ホテルが要請されたんですね」

干場「それはすごい事ですよね」

小林「それから60年後、日本航空のフランクフルト支店長から電話があったんですよ。『小林さん、60年前にグラーフツェッペリンという飛行船が日本に行って、帝国ホテルに泊まったのをご存知ですか?』と連絡がありまして、『もちろん知っていますよ』と答えたんですよ。
すると、『今フランクフルト公団から、その時に飛んで行ったクルーが2名、伯爵の孫娘が生存していて、この3人が行きたいと言っている』と、言われました。それで、3人を1989年の11月にお招きしたわけですよ。その年に、『来年、帝国ホテルは100周年を迎えます。こういったイベントを企画していますので、ご期待ください』という記者会見をやったんですよ。そこに、3人をお呼びして、大評判だったんです」

干場「すごい!素晴らしい話ですよね」

小林「60年前の建物も、スタッフも違う、60年後の我々が、また同じお客様をお迎えする。これはホテルマン冥利に尽きますね」

干場「最後に、旅とは小林さんの人生において、どんなインスピレーションを与えてくれるものでしょうか?」

小林「セレンディピティーですね、人との出会い、出会いに気付いて、受け入れて、それを発信して、その出会いをいいものに育てていくんです。それと、いろんな国の景色、食事、これとの出会いがあれば、素晴らしいと思いますね」


「クリスタル・クルーズのクリスタル・セレニティ」

保木「もともとは日本郵船が持っていた船で、今年売却されちゃったんですけど、サービスは相変わらず最高ですね。
この船には、いつも日本人のアクティビティーホステスが乗っているので、日本人の方で”英語が話せない”と心配な方には安心ですね。メニューも寄港地観光もご案内も、全部日本語がありますので、安心だと思います。

お客様の数が1000人、従業員が700人ほど乗っているので、大きすぎず小さすぎず、バランスがいいんですよ。船が大きいと、行ったり来たりするのが大変なんですよね。船の全長が250メートルくらいなので、歩くのもいい運動になる程度の距離です。

それに、船の中心が吹き抜けになっているので圧迫感がないんですよ。お客さんが毎日同じなので、ショーラウンドで行われるショーが毎日違うので、飽きないんですよね。ぜひ、お試しいただきたいですね」