今月ご乗船いただいているのは、小説家の平野啓一郎さんです。

取材旅行や、ブックフェアなどで、海外に行かれる機会も多い平野さんにお話を伺っていきます。

第4回目の旅先は「イースター島」です。


ー 実際に自分で行くとは思っていなかったんです ー



干場「イースター島は僕も行ってみたい島ではあるんですが、どういったきっかけだったんですか?」

平野「もともとは、新婚旅行でタヒチのボラボラ島へ行ったんですよね。”ずっとタヒチにいてもな”と思って、タヒチからイースター島に行ける飛行機があったんですよ。じゃあ行ってみようかと、行ってみました。意外に遠くて6、7時間くらい飛行機に乗りました(笑)」

干場「大きい飛行機じゃないですよね?」

平野「けっこう大きいのに乗りましたよ。イースター島っていうのはチリ領で、本当に絶海の孤島なんですよ。島の周囲どこから見ても、本当に海しか見えないんですよね。ずっといると、ちょっと心細くなりますね」

干場「モアイ像もあって?」

平野「”もういい”というくらい、モアイ像がいっぱいありますね。日本では、モアイ像の首から上だけが知られてますけど、実は胴体がけっこう長いんですよ」

干場「地面から出てるのって、上半身の、みぞおちのあたりから上の部分ですよね?」

平野「出てないように見えますけど、本当は全身像なんですよ。
もっと全身が出てるものもあれば、運んでる途中で放置されて、顔が下向いたままうつ伏せになっているようなものとか、いっぱいあるんですよ」

干場「すごい不思議ですよね」

平野「イースター島に行くと、モアイ像よりも馬の方が印象的で。島民よりも馬の数が多いってくらい、野良馬みたいなのがいっぱいいるんですよ。
島の至るところに馬がいて、飼われてる感じでもなくて。それが、すごく印象的でしたね。
観光地に向いてる場所なんですけど、欧米資本の観光開発が一切進んでないんですよね」

干場「じゃあ、ホテルとかもないんですね。滞在されたんですか?」

平野「本当に民宿みたいなところで。3日くらい滞在しましたね、島の大きさは1日で見れるので、隅から隅まで見ましたね」

干場「じゃあ、本当にあのままなんですね」

平野「そうですね。1回は行く価値があると思います、2回行くべきかは分からないですけど…でも、すごい場所ですけど」

干場「僻地じゃないですか?そういうところに行くと、小説の題材も浮かんだりするんですか?」

平野「イースター島で、特に何か思い付いたということはないんですけど、本当に周りが海だけなので。”こういうところにずっといたら、どういう心境になるのかな?”とか思ったり、昔の人は、船でどうにかこうにか渡って来てるわけなんですよね。
誰かが行ったという事がわかっていれば、そこに島があると思って目指していきますけど、最初の人は、”どうしてここに来たんだろう?”とか、そういうことを考えますよね」
ただ、そういう島ならではの神話がいっぱいあるんですよね。宗教的な儀式として、断崖絶壁から飛び降りる、飛び降りないとか、そういう話はイマジネーションを刺激されます。
いつか、そういう記憶が何かに生かされることは、あるかもしれないですね」

干場「なるほど」

平野「イースター島のモアイ像は知っているから、僕も昔から行きたいなと思っていたけど、実際に自分で行くとは思っていなかったんです。
たまたま、その話を画家の横尾忠則さんとしていた時に、プリンセス天功さんもいらして…」

干場「すごいメンバーですね(笑)」

平野「お2人に話したら、当然のように『イースター島行ったことあるよ』と言ってて(笑)。
誰に話しても、イースター島なんか行ったことなかったのに、”こういう人たちは、行くところは行ってるんだな”と感動して、僕も行かないとなと思ったんですよ」


干場「いつも、リスナーの方にいろんなご質問をいただいてるんですけど、たまには久美子さんのお話を聞きたいと思います。
久美子さんは、いつもどうやって船に乗られているんですか?」

保木「最近、あまり乗る時間がなくて残念なんですけどね」

干場「年に何回くらいですか?」

保木「上手くすると、年に3回乗れますね。船旅される方は3種類あるんですよ。
寄港地で選ぶ場合、船で選ぶ場合、世界中に日本から予約できる船は200隻くらいありますけど、順番に乗っていく方ですね」

干場「1隻ずつですか、それもまた面白いですね」

保木「私はどちらかというと、同じ船に乗って、自分のうちに帰ったみたいなのが好きですね。
みんな、『ウェルカムホーム』って言いますからね。
干場さんも何度も乗ってらっしゃるじゃないですか?今度乗られると、『このあいだも乗ってたよね』と、名前もすぐ覚えてくれたりね」

干場「スタッフに言われますよね『こないだ乗ってたでしょ?』って」

保木「干場さん濃いから、覚えられてますよね(笑)」

干場「そういうのって、嬉しいですよね」

保木「名前を呼ばれたり、好きなものを覚えてくれたりしてると、”また戻ってこようかな”と思いますよね。
みなさん、言葉が心配と仰るじゃないですか。まず笑顔、それと『ハーイ!』って言うだけで、大丈夫です(笑)。
それができると、クルーズは100倍楽しい!」

干場「なるほどね、ものすごい簡単な方法ですね」

保木「あと、自分の好きなものって決まってるじゃないですか。
『何が食べたいの?』と言われたら、『ハンバーガー』と言っても、伝わるんですよ。
笑顔を忘れず、簡単な英語でいいから、恥ずかしがらずに喋ることですね」

干場「久美子さんが船を楽しむ秘訣として、挨拶と同じ船に乗ること。それは良いということですね」

保木「そうですね。もっとリラックスできると思いますね」