今月ご乗船いただくのは、人気雑誌『LEON』編集長の前田陽一郎さんです。

第1回目の旅先は、前田さんがお仕事でもよく行かれる「イタリア」について、お話を伺いました。


ー お互いフィフティーの関係でいるためには、気は使うけれども使いすぎない ー



干場「『LEON』というと、イタリアっていうイメージがありますけど。前田さんもイタリアには相当行ってますよね?」

前田「相当行ってますね(笑)」

干場「イタリアの中でも、”ここが好き”っていうのはあるんですか?」

前田「僕らにとって、ミラノやフィレンツェって仕事をする場所じゃないですか。
そういうことも含めて考えていくと、マルケ州とか」

干場「またピンピイントできましたね。なぜ、マルケなんですか?」

前田「とにかく行く機会が多くて、マルケはシューズのブランドがたくさんあるんですよね」

干場「有名ですよね、例えばTOD'Sとかね」

前田「あとはSantoni。プライベートでお付き合いさせていただいてる人達がやっているブランドで。
街並みや、そこにある自然も美しいんだけど、人が合う…それをすごく感じる場所なのかな」

干場「マルケに滞在する時は、どんな風に過ごすんですか?」

前田「友達のような付き合いをさせてもらっているので、Santoniなんかだと、ジュゼッペ・サントーニという、彼がいまの社長なんですけど。僕と一歳違いで、一つ上の先輩になるんだけど。
初めて取材で訪れたときは、前後1日は『ゆっくりと、この街を見てくれ』っていう時間をもらって」

干場「また、いい取材じゃないですか(笑)」

前田「”ここを見てほしい”っていうのが、”自分たちのルーツを知ってほしい”っていう接し方をしてくるんですよね。
だから、観光地用に案内するというよりも、”自分たちが何を食べて、何を見て、この商品を作ってきたか”を、見てほしいと…そこで共感を得てほしいということを、僕らにアピールしてくるんですよね。それが郷土愛にあふれているんです」

干場「確かにそうですね」

前田「人に惚れるとともに街に惚れる。それが僕にとってのマルケ州なのかな」

干場「前田さんの中でも、印象的なんですね」

前田「イタリア人気質っていうのかな、一番いいところが色濃く残っていて。同時に、自然も低い丘と綺麗な海が残っている。素晴らしい場所だと思いますね」

干場「出張の時の旅のスタイルは、どういう風にしていくんですか?」

前田「もちろん気は使うんですけど、クライアントさんに阿ったファッションをしようと思ったことはあまりなくて。
TOD'Sであれば、TOD'Sを履いていけば喜んではくれるんだけど、むしろ彼らに対して、何かアイデアを与えてあげられるようなものとか、『いま、こういうものが僕は面白いと思ってる。例えば、このジャケットね……』という感じで、
それを見せてあげたほうが、『なるほど、それを僕らなりに落としたら、こういうことが出てくる可能性がある。それは売れると思う?』って」

干場「逆に聞かれるんですね」

前田「聞かれて、『それ、すごい面白いと思う。やってみようよ』というような、お互いフィフティーの関係でいるためには、気は使うけれども使いすぎない、お互いに何かメリットがあるような関係」

干場「なるほど〜」

前田「ジャケットは最低限、必ず持っていきますね」

干場「イタリアの場合は、特にそうですよね」

前田「イタリアの場合は、襟のついてないものを極端に嫌うんですよね。
今でも忘れないのが船上パーティーのときに、『船=ダブルのジャケット』というのは間違いないわけで。それを意図的にやって、もちろんデッキシューズを持って行きました。
で、ファッションって面白いなって思ったのが、いろんな人達から『すごいエレガントだな!そのジャケットはどこのだ?』とか、声をかけられたんですよ。旅っていうのは、そこの文化を理解して、ここにはこういう文化があるから、こういう色の服を着ていくと、どういう風に見られるのかなとかね」

干場「”郷に入っては郷に従え”というかね」

前田「そういうのを楽しむために洋服を持っていく、旅の準備をするっていうのは、よくやってることかな」


「船内の食事はどんな感じなのでしょうか?」

保木「みなさん、ここも気になるところですよね。
日本船、外国の船、いずれの船も、お食事は本当に最近クオリティが高いんですよ。
大きな船になると、20箇所くらいレストランがありますね。

また、レストランは一緒でも、お客様が飽きないようにメニューを毎日変えてるんですよ。
ウェイター、ウェイトレスの方達は、雰囲気を変えるためにユニフォームを変えるんですよ。例えば、フレンチナイトだと、ビストロ風のユニフォームに着替えたり。
お客様が一緒で、レストランが一緒で、ウェイターも一緒。そうすると、長い船旅の中で飽きてしまわれる方もいらっしゃるので。
私は、3日に1回くらい寄港地に寄らない日があるクルーズを選ぶようにしてるんです。
そうすると、船の中も楽しめるんですよ。
レストランも趣向を凝らしたバーベキューをやってみたり、例えばギリシャだったら、現地のギリシャっぽいお料理を出してくれたり、寄港地に寄らなくても、お食事はそれなりに楽しめますね」