今月ご乗船いただいているのは、日本を代表する雅楽師の東儀秀樹さんです。
篳篥(ひちりき)を中心に様々な楽器を演奏されますが、海外での音楽活動もさかんで、旅の経験も豊富でいらっしゃいます。

伝承文化である雅楽の奏者にして、国際人である東儀さんに、海外での公演のお話を中心にお伺いしていきます。

ー 東西の文化に分け隔てなんて無い時代、生命体であれば響くものを、昔の人は知っていた ー


干場「宮内庁楽部に在籍されている頃から、宮中儀式や皇居で行われる雅楽演奏会などの出演が中心だったかと思いますが、当時から海外での公演にも参加されていたんですか?」

東儀「宮内庁での演奏というのは2年に1〜2回あるかないかくらいでしたね。日本の文化を紹介するというものです。むしろ、そこを辞めてから、フリーで活動してるようになってから、海外の演奏が多くなりました」

干場「日本人の我々は、耳馴染みのある音ですけど、海外の方達は見た事も無くてビックリしますよね。1500年続いている楽器と言うと、ビックリされませんか?」

東儀「驚かれますね。楽器も音楽も、そのまま変わらず残っているというのは、世界どこでも無かったんですよね。音楽はその時代によって変化してるから、例えばアメリカだったら、ネイティブアメリカンのフルートがあるけど、何千年も前からあるんだよと言われても、表現する音楽は今の音楽を即興で演奏する形でしか残っていないんです。雅楽の古典の場合は、奈良時代に演奏していたものが、そのまま再現出来ているんですよ」

干場「それは譜面が残っているという事ですか?」

東儀「譜面も残ってるし、継承する人間が全部伝えて来てるんです。そういうケースは世界どこに行っても無いんです。アメリカだと、国自体が300年も経ってないわけですから、そこの人に1000年の歴史のある楽器だよというと、唖然としますよ(笑)。どの国の方に聴かせても、不思議な事に「初めて接したのに、何でこんな懐かしい気持ちになるんだろう」と、言ってくれるのは、日本人、外国人どちらもいますね」

干場「そういう時には何て言うんですか?」

東儀「これはシルクロードに2000年くらい前から存在してる楽器で、その頃は、東西の文化に分け隔てなんて無い時代、生命体であれば、響くものを、昔の人は知っていたんだよ、それを僕が伝えてるだけなんだと言うと、納得してもらえるんですよね」

干場「民族も、大陸を渡って移動して来たわけですもんね」

東儀「日本人にとっても、世界の人にとっても、日本の楽器、音をイメージすると、江戸時代以降の三味線とか尺八、お琴でしょ。実はそれよりも何百年も前に、もっとグローバルなものが日本には存在してたという事を伝えると、すごく興味を持ってくれますね」

「クルーズ船でのエンターテインメント企画、パフォーマーの方達は、出演時以外はどのように過ごされているのでしょうか?」

クルーズ船はどんどん大型化されており、船内にはスケートリンクやボーリング場、娯楽施設が入っている船が多いんです。
ラスベガス的なショーやミュージカル、マジックショウ、保木さんが面白かったのはモノマネショーだったそうですよ。

吹き抜けのシアター等を利用して、シルク・ドゥ・ソレイユの様なショーもあるんです。
日本の発着船であれば、舞妓さんや日本のお祭りも楽しんでいただけるそうです。

パフォーマーの皆さんは、出演時以外はトレーニングをされたりしているそうですよ。
ロッククライミングに、波の出るプール、考えられうる事は、全て考えられてる大型船のエンターテインメントです。

保木「点から点ではなく、線で結ぶ、その線の上でも楽しめるような旅だと考えていただければいいと思います」