今月ご乗船いただいているのは、「神の手」をもつと賞賛される、世界的な心臓外科医・須磨久善さんです。
『チーム・バチスタの栄光』のモデルになった須磨先生、その存在を映画で知ったという方も多いかもしれません。

数々の世界的業績を挙げ続けてきた世界的ドクター、須磨先生に旅のお話をうかがっていきます。

ー 心臓だけを見てると、本当に人間一緒ですよ ー



干場「今日はエジプトの話について伺っていきたいと思うのですが、何歳くらいの頃に行かれたんですか?」

須磨「45歳の時ですね。1995年、エジプトで初めての公開手術をやるという事で呼ばれました。着いた日にナイル川沿いのホテルに入ると、医者から電話がかかってきて、ロビーにすぐ下りてきてくれと言われました。「どうしたの?」と聞くと、国立循環器病研究センターにすぐ来てくれと言われて、連れていかれたんです。会議室みたいな所に、教授達が4、5人顔をしかめて喋ってるわけですよ。
一人の教授のお母さんが83歳で、昨日心筋梗塞で倒れ、検査したら血管が全部詰まりかかっている。エジプトでこの状態で手術出来る外科医はいないだろうと…。そこで手術を頼まれたんですよ」

干場「それは、着いて早々ですね」

須磨「公開手術の為に手術道具を持ってきていたので、手術をしました。そして、手術が終わって御礼をしたいと言われたんですよ」

干場「どんなものだったんですか?」

須磨「それが、ナイル川のクルーズだったんです。当時家内と行っていたので、2人でルクソールからアスワンダムまで、5日ほどかけて旅をしたんですね。これは素晴らしかったですね。一番すごいのは夜です、ダイアモンドが降ってくる様な星空で、信じられなく綺麗ですよ」

干場「エジプトというと、ピラミッドとかスフィンクス、それ以外にも遺跡がたくさんあるじゃないですか。そういうものが、ナイル川から見えたりするんですか?」

須磨「ピラミッドは、今見付かっているだけで100個くらいあるはずですね。全部ナイルの西側に出来てるんです。夕方に出て行くと、ライトアップされたピラミッドを見る、これは素敵でしたね」

干場「先生は様々な国を回っていますが、どの国の人達も中身は一緒なんですよね?」

須磨「それは、インドで手術した時に、はっと気付いた事があって、インドの方って肌は真っ黒でしょ?僕の手術を手伝ってくれる外科医も真っ黒でしょ?でもね、胸を開けて、心臓を出したら、普通の心臓ですよ。日本人も、インド人も、アメリカ人も、イタリア人も、心臓だけ見たら何人か分からない。お金持ちの心臓、嫌なやつの心臓、分からないんですよ。心臓だけを見てると、本当に人間一緒ですよ。何でそんなにいがみ合うのかなと思います。素直に、みんな一緒じゃないかと思えたんですね」

干場「最後に『旅』とは、須磨先生にとって、どんなインスピレーションを与えてくれるものでしょうか?」

須磨「自分という謎を解き明かす、パズルの断片みたいなものかなという気がします。自分って謎じゃないですか。誰も自分の事なんて何も分かってない、僕自身、”須磨久善”がどんなやつなのか分かってないから、それを、旅という非日常の中で、色んな事に出くわし、それに反応する自分を見る事で、「こんな事考えてるんだ、こんなやつなんだ」と発見するのが旅だったような気がしますね」



「ゴールデンウィークにおすすめのクルーズは?」

保木「私は5月2日からバルセロナからローマまで、地中海クルーズに行くんですけど、地中海クルーズの始まりは5月ですね。
この季節に行くと空いてるし、私は好きな時期なんですよ。

アラスカに行く船もあるし、お花見、北の北海道に向けてのぼっていくクルーズもあるんですよ。
お休みをとって、ぜひこういう機会に楽しんでいただきたいと思いますね。

ゴールデンウィークを利用されて、短めのクルーズを選ばれるのも良いですね。
クルーズに行けるという事が先の予定にあると、仕事にも張りが出ますよね。
ゴールデンウィーク、地中海、エーゲ海クルーズが始まりますので、おすすめです」