大人のファッション

夏木マリさん(歌手・俳優・演出家)×地曳いく子さん(スタイリスト)

2016

07.31


 
ファッションセンス抜群の夏木マリさんとスタイリストの地曳いく子さんが、大人ならではの着こなしやどうやったら、簡単に“今”感を出せるのかをレクチャー。誰にでもすぐに取入れることができるアドヴァイスも教えてくれました。

失敗しない若作り



地曳
告白すると、”大人で目指す人は誰ですか?”と聞かれると夏木さんの名前を挙げさせていただいているんですよ。なかなか日本だと目指す大人がいなくて、どうしても若作りしてしまう人が多いので、今の時代を楽しんで、いい意味の年相応がかっこいいと思います。

夏木
地曳さんの本の中で”若作りはやめろ”と書いてあったけど、私、ファストファッションとか買ってしまうんですよ。

地曳
それはいいんです。”今”のものだから。間違ってしまう若作りとは、一番イケていた時のヘアカットとかメイクのままであること。今のファストファッションは、今の格好だから、その中で自分に似合うものを選ぶのは若作りではないんです。

夏木
この服、何年か後にまた使えそうと思って、タンスの肥やしになってしまうことがありますよね。でも、”あなたの顔と体型は変わっていく”と書いてあって、ドキッとしました。

地曳
私たち、顔がヴィンテージなので、例え、今年流行っている80年代の服を着ても気をつけないと昔のを引っぱり出しているの?となってしまうんです。

夏木
では、実際に昔のを引っぱり出してきた時には、どこを注意すればいいんですか?

地曳
ヘアメイクと靴。そこで、古さがでてしまう。靴はスニーカーやショートブーツを履いたりと、どこかをカジュアルダウンしたり、重くしたり、ヘアメイクを今風にすると大丈夫。

夏木
なるほど。

地曳
太い眉を描いて髪をブローしたら、昔に戻ってしまう。よくそういう人、同窓会にいるんですよ。本人は昔の格好をしてステキだけど、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいにタイムマシンに乗って来たおばちゃんみたいな人がいるだけ。


デニムの履き方今昔





夏木
一番困るのが、デニム。いろんな形があるから、また違うのを買ってしまうんですよ。

地曳
生涯で買ったデニム100を超えますよね。

夏木
当分、これでいいなと思ってもまた流行がくるから。

地曳
あと、自分の体型もちょっとだけ変わるじゃないですが、体重でなくてもお肉の移動とかあるので。そうなると、昔、似合ったデニムもダメになってしまうんです。

夏木
かなり苦戦している!

地曳
この頃のデニムは形がおもしろいから余計に難しい。昔はキレイに見えればよかったけど、今は丈も変なので、感覚が分からなくなるんですよ。なんで分からなくなってしまうのか?それは正しいデニムを履き続けてきたから。若い子はそれが初めてだから何も考えていない。知識があるぶん邪魔されるので、考えないで履いてしまえばいいんです。

地曳
昔は、アイビーとかコンチとか○○スタイルと、その枠の中で生きればよかったけど、今はバラバラでミックスしないと今感がでない。昔は型にはめていくファッションでしたが、今は、敢えて外す。外したほうがいい。若作りではなくて、今の時代だから。

夏木
セットアップは難しくて・・・。

地曳
 そしたら、靴だけ外すとか、変な髪型するのが一番!

夏木
変な髪型はもうしているから大丈夫ですよ(笑)



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