スタイルのある女性になる

野宮真貴さん(シンガー)×ジェーン・スーさん(作詞家、コラムニスト)

2017

01.22



音楽・アート・ファッション、さらには、フィトテラピストなど多岐に渡って活動する野宮さんとラジオパーソナリティとしても知られ、数々の女性誌でも連載を抱えるジェーン・スーさん。ともに女性ファンも多い、おふたりは、どんな女性が素敵だと思うのか?

目指すは、黒柳徹子



ジェーン・スー
わたしが好きで、こういう風になりたいなと思うのはすごくスタイルのある人。どんなスタイルでもいいんですよね。ただ、ゴージャスな人でもいいですし、ナチュラルな人でもいいし一貫性があって、持ちものだったり、話すことだったり、いろんなものを試して最終的にここに落ち着いてきたんだなというオリジナリティを50代になったら身につけていたいと思うんですよ。究極的に、服の場合は、店頭で吊るしてある服を買えば、同じ格好は出来る。今っぽい格好はやろうと思えば、お金さえあればどうにもなるんだけど、スタイルとかオリジナリティは買えないんですよ。

野宮
それが欲しのなら、いろいろチャレンジして失敗すること。私、80年代は、洋服が好きなのにお金がなくて買えないから、いろいろ工夫しましたよ。

ジェーン・スー
どうしていたんですか?

野宮
例えば、カーディガンを後ろ前に着たりとか、ボタンを付け替えたりとか、母親のお古をもらって改造したりとか、一番おもしろいのは子ども用の腹巻きをヘアバンドにしていたりしてた。

ジェーン・スー
すごい!当時は太いヘアバンドないからね。

野宮
工夫することで、コーディネートも鍛えられるんですよ。

ジェーン・スー
そうですね。私たちも年齢を重ねたことによって、ものはあるけど、若さみたいなものがない。だけど、それも工夫次第でどうにでもなるし、好きな色や形とか自分に合うのはこういう感じだなというのが少しずつ分かってはきたので、それを今後は、どうスタイルに昇華させるのかが40代の課題かなぁ。野宮さんの本の中にもキャラ美人になろうというのがあって、それが大事ですよね。

野宮
そう!美人といっても顔のパーツが整っているだけが美人ではなくて、すごくキレイな言葉使いで話す人も声美人だと思うし、いろんな美人がいると思うのね。だから逆にコンプレックスに思っていることは人と違う個性だから、それを隠すこともできるけど、逆にいかしてみるとかね。

ジェーン・スー
私はよくメガネをかけているから、メガネという印象を人からもってもらうためにはどうするかとかね。

野宮
メガネのオシャレができるじゃないですか。

ジェーン・スー
自分が居心地よくてオリジナリティを持てるメガネのおしゃれは、どのくらいのものなのかな。なんでもかんでもトム・フォードのメガネをかけるという話ではないと思うんで。私が尊敬したり、いいかなと思ったりする先輩はみなさんキャラ美人だと思うんで、太っているとか痩せているとか、若いとか若くないとかではないんですよね。

野宮
黒柳徹子さんとかね。

ジェーン・スー
最高ですね。

野宮
あのヘアスタイルすごいよね。

ジェーン・スー
あれを発明したのはすごいと思う。しかも、ずっと続けているじゃないですか。
私、去年の自慢なんですけど、黒柳さんと対談させていただいたんですよ。

野宮
すごい!

ジェーン・スー
「DRIES VAN NOTEN」のすばらしいお洋服でいらっしゃって。

野宮
いつもオシャレだよね。

ジェーン・スー
コラムにも書いたんですけど、黒柳さんは、びっくりするほどいい匂いなんですよ。

野宮
匂いだけはお会いしないとねぇ。

ジェーン・スー
頭の回転は早いし、オリジナリティの塊でかっこよかったですね。そうか、最終的に目指すは、黒柳さんですね。

野宮
うん。




壁紙を張り替えると空間が変わる



自分の「スタイル」については、ファッションだけでなく、家の中での自分らしい空間作りも大事です。

ジェーン・スー
私は今の家が、すごく住みやすくて満足しているんですけど、結局、ベッドが一番居心地よくなってしまっているんですよ。それをやめたいなと思っていて、家の中に小さいスペースでいいのでものすごくコンフォータブルナな自分だけの空間を作りたいなと思っていて。今どこも中途半端に腰掛けなんですよ。だから、すごい小さくてもいいから自分のコックピットが欲しい。

野宮
私ね、それ作ったの。

ジェーン・スー
すごい!さすが!

野宮
家を改装する時にお部屋の角を使って、テーブルを作り付けて、そこにハリウッドミラーというライトが付いている鏡をセットして、すごい好きな壁紙にしたの。

ジェーン・スー
最高。

野宮
ピンクのフラミンゴの壁紙にして、そこをメイクルームにしました。そういう自分だけのスペースがあるといいですよ。

ジェーン・スー
すごくうらやましい。壁紙ね。

野宮
壁紙を変えるとお部屋のイメージ変わるから。

ジェーン・スー
ダンボールの基地でいいから欲しくて。家の中に場所がないわけでもないし、家は家であるんですけど、自分の好きなものが小さい引き出しに全部入っていて、本を読もうと思った時にいつものソファーに行って、本を読んでいても、ちょっとTVをつけてしまったりとか飲み物を取りに行ってしまったり、とかではなくて、全部そこでまとまるような空間が欲しいですね。

野宮
是非やってみてくださいね。壁紙いいよ。お店教えてあげる。




野宮真貴『赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック』幻冬舎より発売中

ジェーン・スー『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり』文藝春秋より発売中


これまでの記事

その他の記事