日本では交通事故死亡者ゼロを目指してさまざまな対策や
交通安全のための施策があります。

結果として、その数は年を追うごとに減少。
去年2018年は前年から162人マイナスで
1948年の統計開始以降、最も少ない3,532人でした。

減っているのは喜ばしいことですが、
まだ3,500人を超える方が亡くなっているという現実があります。
また、交通事故全体の数も前年から4万件も減っていますが、
それでも43万345件も起こっているのです。
そこで、今週はもっと交通事故が減るように
諸外国での交通安全に対する取り組みを見てみました。
いずれも日本で少しずつ広がっていることです。


<トリックアートを使った横断歩道>

人間の目の錯覚を利用した絵や造形物「トリックアート」。
それを横断歩道や道路上のマークに取り入れたのです。
始まりはフィンランドだと言われています。
ドライバーからは横断歩道のラインなどが立体的に浮き上がって見える。
そうすると反射的に気をつけようとスピードを落とるというもの。
信号のない交差点の手前や車道の両側
中央線や歩道との境界線を超えないように
この方法がとられているところもあります。


<早めのヘッドライト点灯>

日暮れが早くなってきました。
ドライバーの皆さんは早めのヘッドライト点灯を実行していますか?
海外では日中でもヘッドライトの点灯を義務付けている国があります。
チェコ、ブルガリア、フィンランド、ハンガリー、ノルウエーなど。
「義務」ではなく「推奨」を入れればヨーロッパではさらに多数。
ヘッドライトはいつでも点けることが常識になってきています。

早め点灯のメリットは視界の確保はもちろん、
自分のクルマの存在を他のクルマや歩行者、
自転車を乗る人に気づいてもらえることです。
いずれ日本も日中でも義務化されるようになるかもしれません。


<ラウンドアバウト>

イギリスで生まれて世界に広まる現代版「ラウンドアバウト」。
日本でも2014年の道路交通法改正で「環状交差点」として法律的に法整備され
少しずつ全国に広がっています。

ラウンドアバウトは信号がなく、円を描いている交差点です。
日本では左側通行なので右回り。
一方通行で円を描くようにクルマが走り、             
環状内に入るクルマは交通の流れを見極めながら徐行でアプローチします。
環状内から出ていくときは左折をする感じで次の進路へと向かいます。

この交差点のメリットはスピードが出せないこと。
他のクルマと衝突しても大きな事故になる可能性は低いのです。
また、信号のための電力を必要としないため災害に強いという側面もあります。


<飲酒運転に対する処罰>

法律違反に対して厳格な処罰が待っている国もあります。
デンマークでは飲酒運転で検挙された場合、運転免許は取り上げ。
クルマは没収されてオークションで競売にかけられてしまうそうです。
売り上げは国のもの。

また、フィンランドではスピード違反に対する罰金の額が膨大。
収入や扶養家族の人数などによっても変わってきますが、
何百万円、何千万円も請求されることがあるといいます。

厳しすぎるという見方もあるかもしれないが、
悪質な交通違反には、そのくらいのペナルティがいいのかもしれません。


<ビジョン・ゼロ運動>

いま交通先進国では交通事故死者数をゼロにする
「ビジョン・ゼロ」という本気の取り組みが始まっています。
その先駆けがスウェーデンで1997年に道路交通安全法が成立しました。

これは長らく続いてきた、多くの国と地域では今でも続いている、
ドライバーの過失を無くすというアプローチから脱却しようというもの。
ドライバーなどの道路利用者が交通安全の責任を持つという考え方をやめて
交通システムを作る側が安全性に責任を持つという前提に立っています。


<厳しいスピード制限を設ける>

・正面衝突事故のリスクのある道路では70km/h以下
・側面衝突事故のリスクのある道路では50km/h以下
・歩行者・自転車と車が衝突する可能性のある道路では30km/h以下


<過失があっても事故が起きない、
 事故が起きても重傷や死亡に繋がらない交通システムを整備>

・自転車専用道路をつくる
・道路を作るときにスピードが出ないような仕組みにする


安全のためには、多少のmobiltyが失われてもやむ無しとするのです。
海外の学ぶべき交通安全アプローチは、
どんどん日本も導入を検討して、
1つでも交通事故の数が減らしたいものです。
週明けの9月30日 月曜日までは、
「令和元年 秋の全国交通安全運動」実施期間。
今週は、その重点ポイントをお伝えする、後編をお送りしました。
お話を伺ったのは警察庁 交通局 交通企画課の 熊谷 優子さん。

今週、特に絞って話を聞いたのが、今回5つある重点ポイントのうち、
「子供と高齢者の安全な通行の確保」についてです。

それは小学生以下の子供の死者、重傷者数は減少傾向にあるものの
今年の4月以降、子供が犠牲となる事故が相次いで発生していること、
さらに高齢者の死者数も減少傾向ですが、
依然として死者全体の半数以上を高齢者が占めているからです。

幼児も含めて小学生以下の子供は歩行中の事故が多くなっています。
高齢者は歩行中と自転車乗用中が多く、歩行中では70%以上を、
自転車乗用中でも約66%を高齢者が占めています。
特に10月から12月は、1月から3月に比べると高齢歩行者の死者数は3割以上、
高齢自転車乗用中の死者数も4割以上多くなっているので注意してください。

また最近、日本ではあまりに多くの車が信号のない横断歩道の前で、
歩行者がいるのも関わらず、停車しないと指摘されています。
横断歩道では歩行者の優先が義務づけられていること。
ドライバーは横断歩道手前における減速義務と
横断歩道における歩行者優先義務を再認識して下さい。

平成30年度交通安全ファミリー作文コンクール 
警察庁長官賞を受賞した当時小学1年生 
永幡樹一くんの作文を紹介しましょう。

僕の弟は車椅子に乗っています。
まだ3歳なので、疲れて道路の真ん中で急に止まったり、横断歩道の後、
段差が上れなくて困る事があります。
そんな時、すぐ近くを車がスピードを出して通ると、とても怖いです。

それから、僕の家の近くを、白い杖を持ったおじさんが通ります。
そのおじさんが横断歩道を渡るのをみていたら、周りの車は、
おじさんが渡り終わるまで、皆止まって待っていました。
僕はその時、車に乗っている人達がとても優しいなと思いました。

大人はいつも忙しそうです。車も急いで道を通っています。
だけど、僕の弟や白い杖のおじさんのように、
道をゆっくり通らなければならない人もいます。

だから、白い杖のおじさんを見守った車みたいに、
みんなが優しい人達だといいと思います。
そうすれば、誰でも安心して外を歩ける町になると思います。



とても心に訴える大人のドライバーも考えさせられる作文。
子供たちの目はこういうふうに見ているのだということを
ハンドルを握るみなさんに心にとめておいてほしいと思います。

ところで一方、一方で、交通事故に遭ってしまう歩行者、
自転車を運転している人の側にも多くの割合で法令違反があります。
今年上半期では、交通事故で亡くなった歩行者、
自転車運転者の3分の2に、信号無視などの法令違反がありました。
歩行者も自転車運転者も、まずは交通ルールを守ることを徹底してください。
また、日が落ちるのが早くなるこれからの季節は特に、
夕暮れ時と夜間の歩行に注意するようにしましょう。

最後に熊谷さんからのメッセージです。

この交通安全運動を契機として、交通ルールの遵守と
思いやり・ゆずり合いの気持ちを持った交通マナーの実践をお願いします。
また、子供を交通事故から守るため、
地域ぐるみで子供を見守る活動に御協力ください。

自動車と歩行者の衝突による死亡事故では自動車は速度超過していることが多く、
特に夕暮れ時は約3割、夜間は約5割に速度超過が認められます。
ドライバーの皆様は、交通法規を遵守して、安全な速度で走行してください。
明日9月21日から30日 月曜日までの10日間は、
「令和元年 秋の全国交通安全運動」実施期間。

今週と来週は、警察庁 交通局 交通企画課
熊谷 優子さんをお迎えして重点ポイントをお伝えします。

2019年の交通事故発生状況は7月末現在の死者数1,647人。
前年の同時期から約13%減っています。
しかし、高齢運転者による交通事故、
幼い子供が被害に遭う事故が社会問題となっています。

今回の「秋の全国交通安全運動」。
重点ポイントは5つあります。

?子供と高齢者の安全な通行の確保

?高齢運転者の交通事故防止

?夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止

?全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

?飲酒運転の根絶



?の「子供と高齢者の安全な通行の確保」については来週に譲り、
今週はそれに続く4つのポイントを解説していただきました。


【高齢者運転の交通事故防止】

頻繁に報道される高齢者運転の事故。
防ぐためにはどうすればいいのかということは大きな問題です。

熊谷さんによると、今年の7月末現在で、
75歳以上の高齢運転者による死亡事故は205件。
前年同時期比べて49件減少しているものの長期的には横ばい状態。
御家族に安全な運転に不安のある方がいる場合は、
安全な運転や運転免許証の自主返納について、
話し合う機会を持ってほしいとのこと。
万が一、大きな事故を起こしてしまってからでは取り返しがつきません。
話し合いの機会をぜひ持って下さい。


【夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗車中の交通事故防止】

夕暮れ時や夜間は、交通事故に遭う歩行者・自転車運転者が多くなります。
特にこれからのこれから10月~12月は、
日没前後の1時間に起こる交通事故件数が急激に増えてきます。
ドライバーは早めのヘッドライト点灯を心がけましょう。
対向車や先行車がいない時はハイビームを活用して下さい。
歩行者や自転車は反射材やライトを使用しましょう。
自転車は死者の約6割が頭部を損傷していることから、
ヘルメットを着用するようにして下さい。


【全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底】

シートベルトは後部座席での着用が、まだ徹底されていないとのこと。
後部座席は運転席と助手席のシートが目前にあるので比較的安全と思われがちです。
しかし、後部座席同乗者のシートベルト非装着時に死亡する比率は、
着用時と比較して高速道路では9.2倍、一般道路でも3.5倍。
命を守るためにシートベルトは全席で必ず着用して下さい。

そして、チャイルドシートは
警察庁とJAFの合同調査によると使用率は約7割。
特に5歳児は半分以上が使用していなかったそうです。
また、使用していても車に正しく取り付けていた割合は半分未満。
さらにチャイルドシートに正しく座っていた子供は4割だけ。
子どもの命を守るために保護者の立場にある方は、
チャイルドシートを正しく使用するひょうにしましょう。
正しく使用していなければ、事故に遭遇してしまった時に、
本来の機能が発揮できないことがあります。


【飲酒運転の根絶】

飲酒運転による死亡事故は、未だに毎年約200件発生しています。
「少しなら大丈夫だろう」という気持ちの緩みと
自分勝手な考え方が飲酒運転に繋がっているのでしょう。

お酒を飲んだら絶対に運転をしない。
また、周りにいる人も運転する人にお酒を飲ませない、
お酒を飲んだ人に運転させない、お酒を飲んだ人に車を提供しない。
こうしたことを徹底してください。

来週は、この続き。
「令和元年 秋の交通安全運動」後編です。
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