コロナ禍の自転車ブームを経て
自転車を日常的に利用するようになった方もいるでしょう。

車道では軽車両として扱われる二輪車を
自動車が追い越すシーンも当たり前となった今
車道を同じ方向に走る二輪車と自動車において
お互いの接触事故を避けるためにどんな配慮ができるのか?

今回は安全な追い越しのために必要な心構えや運転について
日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員も務める
菰田潔さんに話を伺い、お伝えしました。





同じ方向に走っていて車が自転車を抜く時にもリスクあります。
自転車がまっすぐ走っていればスムーズに抜くことができますが
車道側に出てくると危険。

ドライバーは自転車が右に出てくることを想定して
間隔を空けて、抜くようにする必要があります。

「自転車の前方に何があるのかをチェックする」
「前方のさらに遅い自転車を抜くために右に寄る」
「路面の凹凸をよけるために右に寄るかもしれない」と想像力を働かせます

その上で自転車がふらついてもぶつからない程度に横のスペースを取って抜きましょう。
自転車の前方を見て、こちら側に来る可能性を見極めることも大事なポイント。
自転車は「後ろから車が来たな」と気配を感じ、こちらを見て、
そのことによって車道の中方向にフラっと出てしまうこともあります。

自転車はゆっくり走るほどふらつきやすいという特性があります。
クルマ側はドライバーが急ブレーキを踏んだつもりでもすぐには止まりません。
さらに思い切り急ブレーキを踏めたとしても
時速30キロで走っていた時でさえ止まるまでに3mから4m進みます。
ドライバーは、そのことを意識しましょう。





自転車に乗っている時は、車道を右に膨らむなら
右手を横に出して車道側に動く意思表示することが自分の身を守るために大切。

そして、逆走や信号無視は絶対にしない。
自転車も軽車両であることを意識してルールを守って下さい。
命を落とさないためにはヘルメットもかぶりましょう。

全国の自転車を利用する皆さんは、利用時のルール、
いま一度、自身の“姿勢”を見つめてみて下さい。
それが、交通安全に繋がるはずです。
交通事故が増える10月・11月。
日暮れが早まり、ドライバーの視界が悪くなる「薄暮時間帯」と
帰宅時間が重なることが主な原因とされていますが、
もう1つ気をつけなければいけないのが「霧」。

今回はモータリングライター 藤田竜太さんにお話を伺い
「濃霧時の走行」について伝えました。





「朝霧」「夕霧」「夜霧」「山霧」など
霧にはさまざまな表現がありますが、俳句でこれら「霧」は秋の季語。
秋は霧が発生しやすい季節であることの表れです。

原因は日中まだ暖かく、大気が水蒸気を多く含んでいますが、
朝晩は冷え込むので、空気中の水分が凝結して極小の水滴になるから。
夜から朝にかけては要注意で特に雨上がりの風が弱く晴れた朝は発生条件が揃います。

地域別で見ると、まず盆地。
風が弱いため、霧が流れに乗らずとどまりやすい地形です。
また、川や湖のそばや田んぼの多いところ、海の近くも
空気中の水分量が多いので霧が出やすい場所です。
標高が高くて山間部「霧ヶ峰」や「朝霧」など
地名に”霧”の字がついているところも気をつけましょう。





濃い霧の時には、どのくらい視界を得られるのか?
水平方向に見通せる距離を「視程」と言い
気象庁では視程が100m以下になることを濃霧と呼んでいます。

JAFのテストでは視程が60mの濃霧になると
前方の車がテールランプをつけていて
自分のクルマがヘッドライトをロービームでつけていても
昼間では40mまで近づかないと前のクルマが見えないという結果が出ています。
ちなみに40mは30km/hで走っていると5秒弱で進んでしまう距離に相当します。

夜間だと暗さでテールランプが見やすくなりますが、それでも視程と同じ60m。
さらに視界が悪く、視程が30mしかない時、その他が同じ条件だと、
前のクルマが見える距離は、夜が30m手前、昼だと25m手前です。





霧の中で前方を見たければヘッドライトをハイビームにすればいいのでは?
と思うかもしれませんが、これは大きな間違い。
ハイビームにするとライトの光が霧に当たって乱反射して
前方が真っ白になってしまい、かえって視界が悪くなります。

霧が出たときに心強いのは名称通り「フォグランプ」。
霧に使うための補助灯で近い範囲を広く照らすように設計されています。
リアフォグランプが付いてるなら併用しましょう。
そして、フォグランプは霧が晴れたら忘れずに消すようにして下さい。





霧が出た時の走行はヘッドライト、フォグランプを付けた上で速度を十分に落とし
車間距離を充分に空けてセンターラインに寄り添うようゆっくり進みます。
ガードレールも目安になりますが、なるべく道路中央付近に視点を置きたいので
道路の外側の目印を見るよりもセンターラインをたどっていきましょう。
助手席に同乗者がいれば、カーナビの画面などを見てもらい
「しばらく直進」「もうすぐ右コーナー」「左に緩やかなカーブ」など
ナビゲートしてもらうと助かります。

そして、ドライバーとして最も大切なのは無理をしないこと。
本当に視界が悪い時はSAやPA、コンビニなどに避難して霧が晴れるのを待ちます。

どんなに霧が濃くても、道路上や路肩での停車は、追突される恐れがあるので厳禁。
気象庁は交通機関に著しい障害が起こると予想した時は濃霧注意報を発令するので
今の季節は出かける前に濃霧注意報が出ていないかを確認して
場合によっては出発時間をずらしたり、ルートを変更して霧を避けて下さい。





濃霧が発生しやすい時期。
気象情報を確認して、無理ない運転を心がけましょう。
円滑に安全に交通社会を機能させるための装置「信号機」は
渋滞が起きないよう「オフセット制御」されていることがあります。

時に先を急ぐあまりスピードを出して
信号で止まらないようにというクルマを見かけますが
「オフセット制御」されている幹線道路の信号機を相手に
そうした運転をしても無意味で交通事故の危険が高まるだけ。

今回はJAF東京支部 認定セーフティアドバイザー 杉本実さんにお話を伺い
オフセット制御についてお伝えしました。





まず、信号機のオフセット制御は
幹線道路を走る車が信号により停止することなく
各交差点をスムーズに通過できるよう
隣接する交差点の青信号開始時間にずれを持たせること。

制限速度を守って走れば次の信号も青でスムーズに走行できます。
しかし、速度超過で走ると赤信号に引っかかりやすくなってしまいます。
こうした取り組みは、各都道府県警察によって全国の主要幹線道路で
約30年前から行われていて、交通事故死者数減少に貢献しています。





法定速度で走っていれば止まらずに進行できるのに、
急ごうとスピードを出すと赤信号に引っかかってしまう。
法定速度で走る他のクルマにも追いつかれます。
特にクルマが少ない夜間でやりがちですが、
こんなに危険で無意味なことはありません。

オフセット制御されている信号機にその旨が表示されてはいませんが
このことを覚えておいて制限速度を守って走行していれば
認知判断操作に関わる時間に余裕が生まれて安全で確実な運転できます。

さらに車は停止状態から発進することに一番燃料を使いますので、
信号で停止することなく走行すつことは環境と財布にも優しいと言えます。





実は、オフセット制御については、大阪府警が10月1日から、
死亡・重傷事故が多い大阪府内6路線の一部区間で
土・日・休日の午前9時ごろから午後5時ごろまで導入しています。

速度の出し過ぎによる重大事故を減らすことが目的で、
夜間の幹線道路では同様の制御が30年ほど前から行われていますが、
昼間は初めてだということです。

信号をはじめ、交通社会を動かすさまざまな装置は、
交通ルールを前提に設定されています。
安全のためはもちろんですが、快適性のためにも、
交通ルールに則った運転がいいということを覚えておいて下さい。
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