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2025.05.17
08:25 東京建物 "Brillia" ユニークな防災の取り組み


東京都の実態調査によると、都内の分譲マンションの棟数は、
およそ5.3万棟で、そのうちのおよそ9割が23区に建てられています。
安全な家に住んでいる方は基本的に「在宅避難」が推奨されていて
最近では特に自宅における防災への備えの重要性が高まっています。

今朝は、東京建物株式会社のマンションブランド「Brillia」で
6月ごろから始まるユニークな防災の取り組みをご紹介します。

その前に、Brilliaではどんな防災対策が行われているのでしょうか?
東京建物株式会社 Brillia ブランディング担当
中山佳彦さんに聞きました。

Brilliaの防災対策ガイドラインというものを制定しています。
その中には、「そなえる」、「まもる」「たすけあう」という
この3つをコンセプトに災害時に生じるリスクを抑制する
独自の防災対策で住んでからの安心を提供しています。
なので、共用部のみならず専有部にも対策を実施しています。
具体的には、共用部では防災用品を保管する防災倉庫だったり、
あとは専有部には、防災リュックといういざという時に役立つ、
防災備品の管理をするようなリュックを全戸に配布しているというそういった
ソフトで保管させていただいている。という事になります。

入居者に向けた防災セミナーはもちろん、
最近では、「防災カードゲーム」を開発し、
希望する管理組合に渡す取り組みも行っているそうです。
そして、今回、防災×アートという視点での新たな取り組みが始まります。

以前、防災FRONTLINEでもご紹介した、
「備える絵画」で「sonae」という商品を覚えていますか?
絵画のフレームの中にいざという時に活用できる「防災トイレキット」
が収納されていて災害が起きた時には取り出して使う事ができる
新しいタイプの防災アート(グッズ)です。

今回Brilliaオリジナルの「備える絵画」=「sonae」を
マンション入居者に向けて販売するプロジェクトでがスタートします。
絵画は、ヘラルボニーが主催する国際アートアワードで 東京建物 
Brillia賞を受賞した内山.Kさんの作品「赤と青の世界の地図」
中山さんは、アートと防災の融合についてこう話しを続けます。

アートである良いという所は、いざという時に身近な存在であればあるほど、
直ぐに備える事ができるとおもうんですよね。

おそらく皆さんいろんなやつをやっていると思うんですけど、
どっか押し入れの奥に保管されていたりとか、
いざという時に出しにくい場所にある事が多いと思うんですけど、
それが壁に飾っていある事で、その防災をいざという時に取り外して使う事ができるというのは、
sonaeさんと一緒に開発した商品で一番のポイントかなと思います。

あと、sonaeさんの商品はトイレキットにふっているのが一番のポイントでして、
災害時のトイレ問題が一番健康被害だったり、体験の声を聞くと、
トイレが苦労したポイントをあげている人が多いと言う事をsonaeさんからお聞きして、
私たちも非常に共感して、この商品を作りたいと思ったポイントの一つですね。

防災を日常にするという考え方ですね。

これから求められていく防災の考え方なのではないでしょうか?
中山さんのお話しの中でも触れられていましたが、
マンションの在宅避難で気を付けなければならないのは、
排水管の損傷に気が付かずに水洗トイレを使用すると
下の階で汚水があふれでる恐れがあるという事です。
使えそうだなと思っても、安全性が確認できるまでは、
携帯用トイレや簡易トイレを使うよう行政機関などにより周知されています。

あなたは、トイレの備えできていますか?
普段はインテリアとして日常を彩り、
災害の時はすぐに、防災用品として活躍する、
暮らしの傍らに寄り添うアートを活用した新たな
傍彩(ぼうさい)の取り組みをご紹介しました。



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2025.05.10
08:25 下水道が使えなくなったら・・どう行動する?


地震や大雨などの災害が起きた時に、下水道が使えなくなったり、
使う事を自粛するよう自治体から要請が行われたりする事があります。

「実際にそのような事が起きた場合の行動や事前にできる備え」についてお伝えします。

大きな地震が起きると地中にある下水道管が破損したり、
下水処理施設が被災して使えなくなる場合もあります。
東日本大震災で被災した自治体では、下水道の仮復旧までに
平均34日間、最大123日かかったというデータがあります。

また、台風や豪雨などの被害では、
大量の雨水が下水管に流れ込んで、排水機能が追い付かなくなり、
下水が流せなくなるといった事だけでなく、
トイレやお風呂から汚水が逆流してしまう事もあります。

そうした場合は、できるだけ排水を控える事が必要です。
汚水が逆流する前には、「ゴボゴボ」と音が聞こえる事があります。
これは一時的に下水内の水量が増加する事で空気が押し出されて出る音です。

こういった音が聞こえたら、水を流さない様にして、
ビニール袋に水を入れ、口を結んだ「水のう」で、
排水口をふさぐと下水が噴き出す事を抑える事ができます。

特に大きな地震の時には、目でみて特に問題がなさそうでも、
配管など見えない場所が破損している事もあります。
マンションの場合は、トイレに水を流すと汚れた水が逆流して、
下の階のトイレからあふれ出る事があります。
トイレが流せる状態でも流す事は控えて非常用トイレを使用しましょう。

自宅から離れた下流の下水管が破損していたり、
下水処理施設が機能できなくなっている事もあります。
自治体からの情報をこまめにチェックして
下水道を使用して良いか確認してから使う様にしましょう。

トイレ以外に、キッチンやお風呂場などの水回りでも、
できる限り排水を控えましょう。生活用排水を抑えるには、
なるべく水を使わないようにする事です。

食器に、食品用のラップやポリ袋を被せて食事をする。
調理道具は、アルコールティッシュで拭く、
濡れタオルやウエットティッシュで身体を拭くなどの工夫で
生活する際に使う水を極力減らす事ができます。

最後に、下水道が使えなくなった場合に備えて、
事前にできる備えをご紹介致します。
家族4人の場合です。
災害備蓄の備えは、一般的に7日間を目安に準備する事が推奨されています。
まず、簡易トイレの準備です。
1日あたりのトイレの回数を5回程度とすると140回分です。

次に、飲み物、調理用水と生活用水です。
1人あたり、1日3リットルが目安で
計算をすると84リットルが必要になります。
生活用水は、特に推奨される備蓄量はなくあればあるほど良いです。
日頃から空のペットボトルに水道水を詰めておくなど備えがあると安心ですね。

今日、お伝えした準備だけでなく、
下水道を使用して良いかなどは自治体のWEBサイトや
SNSの公式アカウント、ラジオや防災無線、
防災メールサービスで確認する事ができます。
災害時に誤った情報に翻弄されないように、
信頼できる情報源を事前に把握しておきましょう。


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2025.05.03
08:25 豊島区の取り組み


番組では、月に1回、
都内の自治体が行っている防災の取り組みをご紹介致します。

5月は豊島区です。
豊島区には、災害時活躍する4つの防災公園が整備されています。
そもそも、「防災公園」の存在を知っていますか?

防災公園とは、災害が起きた時、避難場所や救助活動の拠点として
機能する公園です。平時は区民の憩いの場として利用されますが、
いざという時は、物資の供給や医療活動を支える重要な役割を果たします。

豊島区の4つの防災公園の中で、東池袋から歩いて5分のところにある
「イケ・サンパーク」について解説して貰いました。

普段は、どんな公園なのでしょうか?
豊島区、都市整備部公園緑地 課長の 
嶌田真一さんに伺いました。

商業地の丁度中間に位置するなど、様々な方にご利用いただき賑わっています。
週末は友好都市の物産販売を行うなどファーマーズマーケット、
防災に関わるイベント、子供向けのイベントを行っています。
普段は、子供から大人まで憩いの場として利用する公園なんですね。
では、災害時にはどんな機能があるのでしょうか?

豊島区 総務部 防災危機管理課の
小嶋浩一課長に聞きました。

●一時避難場所として9000人程の収容が可能、
地域内輸送拠点、緊急搬送時の際のヘリポート

では、公園にはどういったものが備えつけられているのでしょう?
●防災倉庫、災害時用トイレ、応急給水層、非常用発電機、深井戸設置


豊島区では防災公園で災害時に備えて
区民に向けた防災訓練なども行われているそうです。
また、防災フェスタも開催されていて、今月18日(日)には、
「いけサンパーク防災フェスタ2025」が開催されます。

豊島消防署の全面協力のもと「初期消火」をテーマにて
楽しみながら防災の知識を学べる新感覚の防災訓練です。
初期消火や応急救護訓練、防災展示の他、炊き出しの実演なども
行われるという事です。

10月13日には
「としま DOKI DOKI防災フェス」が開催予定です。

イベントに参加する事で、防災知識はもちろん
近くに災害時役に立つ公園がある事を子供に伝える良い
きっかけになりそうですよね。



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2025.04.26
08:25 応募してみよう!「令和7年度東京防災学習セミナー」


今朝は、東京都が毎年募集している、
「令和7年度東京防災学習セミナー」についてお伝えします。

大災害へ備えるには、
自分で命を守る行動をする「自助」だけではなく、
住民で協力して地域を守る「共助」の意識も大切です。

このセミナーは、「地域コミュニティ」の防災力向上を目指していて、
防災の専門家が、都内の町会や自治会、マンション組合に向けて、
地域特性や課題を反映した、「あなたのまち専用の」
防災講義を開いてくれるというセミナーです。

“あなたのまちにあった内容という事ですが、
東京防災学習セミナーは全部で9コースもあり、
そのうち、最大で2コースまで選択する事ができます。

この中で、特に注目して貰いたい講義について、
東京都総務局総合防災部わたなべ・はるかさんに聞きました。

その他、どのような内容があるかというと、
「首都直下地震」の「一人一人の備えコース」と「地域の備えコース」
「木造住宅密集地域」「要配慮支援」「災害を知る」「風水害の備え」という講義。
すでに行っている防災活動で課題や悩みを抱えている
コミュニティ向けの「コンサルティングコース」があります。

都内の地域それぞれ抱えている防災の悩みや課題は違うと思います。
9つもありますから、課題解決に結びつく話を聞く事ができますし、

魅力的なのが、専門家が直接防災知識や質問に答えてくれるという
所ではないでしょうか?これは、なかなかない機会なのではないですよね。

わたなべさんは、都内の防災力向上の為に
是非、多くの地域の方に興味を持って貰い応募して貰いたいと話します。


気になった方は「東京防災学習セミナー」で検索してみてください。
いざという時に役立つ情報をあなたの住む地域の人と共有しましょう。

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2025.04.19
08:25 南海トラフ巨大地震 新たな被害想定


10年ぶりに見直された、
「南海トラフ巨大地震の新たな被害想定」についてお伝えします。

政府の地震調査は、南海トラフ地震が発生する確率を、
今後30年以内に発生する確率は「80%」としています。

この地震の特徴は、激しい揺れと大津波で、
マグニチュードは、最大で9クラスと言われ、
「日本の太平洋側を中心に広範囲に及ぶ」と予想されています。
広範囲とはどのくらいなのか?
震度6弱以上が神奈川県から鹿児島県にかけての24府県600市町村。
震度7が静岡県から宮崎県にかけての10県149の市町村。
そして、津波は、3メートル以上が福島県から沖縄県にかけての
25都府県に、10メートル以上が、
関東から九州の13都県で想定されています。

新たな被害想定では津波の影響を受ける地域が広がった事や
避難が遅れる場合も想定した事などから、
南海トラフ地震の死者は29万8千人と、
前回想定の32万人あまりから8%の減少にとどまりました。

このうち21万5000人が津波で亡くなると試算されています。
いかに、津波から早く逃げるか、
ハード面とソフト面の対策が求められます。
関東南部に住む私達も他人事ではありません。
伊豆諸島や小笠原諸島では、20メートルを超える所がある他、
東京・中央区、港区、江東区、品川区、大田区では3メートル
千葉県や神奈川では10メートル前後と予想されている地域があります。

各自治体では津波避難ビルを指定するなど対策を行っていますから、
津波被害の危険がある地域にお住まいの方は改めて確認しましょう。
地震後の、「避難者」の数も深刻です。
避難者は、最大で1230万人にのぼり、
地震発生から1ヶ月経っても最大1200万人と
避難生活は大規模かつ、長期化するおそれがあるという事です。

そして、今回はじめて「災害関連死」についても言及されました。
避難生活の中で体調を悪化させてなくなる「災害関連死」は、
東日本大震災でおよそ3800人にのぼる他、
熊本地震や能登半島地震では揺れや津波で亡くなる
「直接死」の数を上回っていて繰り返し課題となっています。
南海トラフ巨大地震では、冬の夕方に発生した場合、
2万6000人~5万2000人とされ、
東日本大震災の10倍以上という深刻な結果が示されました。

では、被害を減らす為にはどうしたら良いでしょうか?
浸水のおそれがある所から全員がすぐに避難すれば、
津波で亡くなる方は、7割減るほか、耐震化率が100%になれば、
全壊する建物は7割減って、建物の倒壊でなくなる人も
およそ7割減ると言われています。

家具の固定率が、100%になれば、家具の下敷きになったり、
落下したものにあたって命を落とす人も7割減ると言われています。

国や自治体が進める事はもちろんですが、
自分たちでできる対策も講じましょう。



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2025.04.12
08:25 私たちが熊本地震から学ぶこと


まもなく、熊本地震の発生から9年です。
今朝は、『私たちが熊本地震から学ぶこと』と題してお伝えします。

熊本地震では、4月14日にM6.5の一度目の揺れがあり、
その28時間後に、M7.3の2度目の大きな揺れが街を襲いました。
気象庁は、1度目の大きな地震が『前震』
2度目の地震が『本震』であると発表しました。

さて、
熊本地震で相次いだのは「車中泊や軒先避難」です。
一連の熊本地震では、強い余震が続き、
その結果、建物へのダメージが大きく、
多くの人が車中泊や家の軒先で避難生活を強いられる事になりました。
県のアンケートでは、避難した人の7割が
「車中泊」を経験したと回答しています。

内閣府では、災害による避難者支援の一環として、
自動車で寝泊まりする車中泊向けのスペースを整備する様に、
自治体に求めています。

災害が起きた時、車の中での避難生活も選択肢の1つとして
考えている方はメリットとデメリットを理解しておく事が大切です。


まず、メリットとしては、
二次災害の不安が少ない。プライバシーが守られる。
ペットと一緒に避難ができる。などがあります。

一方デメリットもあります。一番大きな事は「健康リスク」です。
車中泊避難で起こりやすいのは、エコノミークラス症候群。
エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢を取る事で起きる疾患で、
長時間、体を動かさずにいると足の静脈に血栓ができて呼吸困難や動悸が起きる危険があります。

例えば、運転席や助手席のシートを倒して寝ると、
どうしても長時間同じ姿勢でいる事になるので発症リスクが高まります。
時々、車外へ出て適度な運動をする、社内で寝る時は足を下げて寝ない、
水分を定期的に摂取する、ふくらはぎのマッサージをするなどの予防対策が大切です。

レジャーで使うアイテムは、そのまま車中泊避難に利用できます。
これらのアイテムを活用して、少しでも快適な環境を作る事が
ストレス軽減にもつながります。

毛布やタオル、アイマスク、使い捨てカイロ、冷却シートの用意。
また、災害時はガソリンスタンドが閉まっていたりする事態も考えられます。
いざという時に余裕を持って行動できるように、
日頃から燃料は満タンにする事を週間にしておくと良いでしょう。

車中泊避難で困る事のひとつがトイレです。避難所でもトイレに関しては、
数の不足や衛生管理などが問題になります。車中泊の場合、近くにトイレがない
場合もあります。トイレがないからと言って、水分や食べる事を我慢すると
体調を崩す原因になりますから、その為にも携帯用トイレや避難時に使える
簡易トイレなどの用意は必ずしておきましょう。

更に、ポータブル電源があると安心です。
災害が起きた時、車中泊の経験がなくいきなり行うと危険も伴います。
事前の準備や、気を付けるべき事を頭にいれ、
可能であれば、アウトドアの一環として車中泊を経験しておくと、
楽しみながら知識や必要なものが明確になるのでオススメです。

車中泊は、事前の準備や知識を得ていないと危険な側面もありますから、
災害に備えて心構えをしておきましょう。
今朝は、『私たちが熊本地震から学ぶこと』と題してお伝えしました。


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2025.04.05
08:25 自治体防災の取り組み~渋谷区編~


番組では、月に1回、都内の自治体が行っている
防災への取り組みをご紹介致します。

4月は東京・渋谷区です。
渋谷区ではおよそ23万7千人の帰宅困難者が発生すると言われています。
帰れなくなったら「帰宅困難者受け入れ施設」へ向かいましょう。
また、渋谷駅には多くの人が集まります。
大地震が起きると鉄道は運行停止し、構内などでは
群衆雪崩の危険もあります。まず地震が起きたら駅には
近づかない様にしましょう。また狭い路地や坂道からも離れる事も重要です。

避難場所として、「明治神宮・代々木公園一体」や
「青山学院・実践女子学園」など9箇所が指定されています。
渋谷区にお住まいの方はもちろんですが、プライベートで良く訪れる方も、
地震が起きた時に備えて、
「帰宅困難者受け入れ施設」や避難場所について確認しておく事が大切です。

さて、その渋谷区では、
渋谷区の防災訓練・「渋谷防災キャラバン」に力を入れています。
地域で防災活動を続けてきた自主防災組織と渋谷区などが共同で
実施していていて誰でも参加でき、体験して楽しみながら
防災について知る事ができます。渋谷区危機管理対策部・防災課
本間翼(ほんま・つばさ)さんにお話しを伺いました。

内容としては、普段その防災訓練に参加しないような子育て世代とか、
そういった若い世代の方にも広く参加してもらうっていうところとか、
地区でやることによって地域防災力の向上ってところを見込んで、交際キャラバンを各地区で実施していて、
令和6年度までは地域を分けて2か年で11カ所回れるような形でも開催してたんですけれども、
学年ではなくて毎年開催することが防災力の向上には重要というところで、
11カ所開催というところを今予定しております。
毎年開催してほしいですとか、
気軽に参加できる訓練にはなってるので、それもあって11地区開催っていうのもありますね。


今年は、11地区で開催するという事ですが、参加は無料となっています。

この渋谷防災キャラバンは4つの特徴があります。

まず、「防災体験」発災時に役立つ防災力を身につける。
AEDの使い方や災害時の炊き出しなども体験する事ができます。
「防災体験ブース」親子で防災クイズにチャレンジして、
災害時に役立つ知恵を身につけたり、
そのほかいざという時に役立つグッズも大集合します。
さらに「はたらく車大集合」災害が発生した時に使われる消防車両を
 見学する事ができます。そして「防災ステージ」では、様々な防災の知識を
持ったゲストとともに防災について考えるといったプログラムで
構成されていて大人から子供まで参加できます。
今ご紹介した内容は一例で、その年によって内容は異なりますが、
「渋谷防災キャラバン」は楽しみながら!という所がポイントです。

消火器を使った初期消火練習、そして最近注目されている
災害が起きた時に活躍する防災ドローン。
デモンストレーションでは、ドローンのカメラ映像をチェックしたり、
災害時にドローンがどう使われるのかを知ることができます。

今年は、渋谷区内11地区で開催予定となっていますが、
開催場所によっては展示や体験内容も少しづつ変わるという事で、
渋谷区にお住まいの方は自分の地区はもちろんですが、その他の地域
の防災キャラバンを除いてみるのも良いかもしませんね。
今年開催する内容については、
決まり次第、渋谷区のHPやSNSで公開するという事です。
4月は、渋谷区の防災の取り組みをご紹介しました。


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2025.03.29
08:25 山林火災の種類


先月の岩手県・大船渡市の山林火災に続いて、
今週は、岡山県で大規模な山林火災が発生しました。

山火事のおよそ7割が1月から5月の
冬から春にかけて起こりやすいと言われています。
今朝は、「山林火災の種類」についてお伝えします。

森林火災とは、発生した火がヤマや森林で
広範囲にわたって燃え広がり発生する火災の事です。
「山火事」や「山林火災」、「林野火災」とも呼ばれますが、
この火災が発生する大原因の大半が人為的要因だとも言われています。

総務省消防庁によると、山火事などを含む林野火災は、
最新の2023年のデータで1299件発生していて、
その原因として最も多いのが焚き火で32%
農作業などで枯れた草を広範囲で燃やす「火入れ」が19%
たばこが3.8%と続いています。

山火事というと、
自然に火がつくイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
『山火事が人間の不注意でほとんどが起きている』という事なんです。

私たち自身が気をつけなければ、山林火災は減らないという事です。
こういった原因で起こる山林火災ですが、
燃え広がり方は4つの種類に分ける事ができます。
それが、「地表火(ちひょうか)」「地中火(ちちゅうか)」
「樹冠火(じゅかんか)」「樹幹火(じゅかんか)」です。

地表火とは、地表を覆っている枯れ葉や枝、枯れ草などが延焼する事をいいます。
風の影響を受けやすい事から、延焼速度は、通常時で4~7キロ、
強風の時や登り斜面では時速10キロの速さになる事も特徴です。

地中火は、地中の泥状の炭で、石炭の一種
などの有機物に引火して燃え広がります。
延焼速度は遅く、火力も強くはありませんが、
地表に出てこない事から燃えにくく、
数ヶ月に渡って燃え続ける事もあります。
日本では、北海道で稀に起こりますが、
基本的に発生例は少ないと言われています。

樹冠火、じゅもくの「じゅ」に王冠の「かん」に火でじゅかんかと言います。
これは、樹木の先端部分が燃えるもので、
針葉樹林(しんようじゅりん)で多く起きると言われています。
延焼速度は、時速2~4キロと遅いですが、
強風の時は、時速15キロにもなるのが特徴で、火災が拡大しやすくなる
のも特徴です。

もうひとつの樹幹火は、じゅもくのじゅに、みきとかいて、じゅかんか。
さきほどの樹冠化は、樹木の先端部分が燃えるとせつめいしましたが、
こちらの樹幹火は、樹木の幹がもえるとものです。
この様に燃え方、燃え広がり方も様々です。

ところで、
日本では、大規模な火災を防止する為の対策がとられています。
たとえば、植栽(しょくさい)を行って、
燃え広がらないように周辺の樹木の本数や
環境を計算に入れた上で、予め伐採をして調整し、
さらに防火性の高い樹木を植える事で燃え広がりにくくしています。
更に、延焼被害を食い止めることができる
帯状の防火帯=可燃物のない帯状の区域を設置するなど対策を行っています。

春までは山林火災が起こりやすい季節です。こ
れからキャンプなどを楽しむ方も増えていきます。
焚き火やタバコの火など人的要因で山林火災にならないように注意しましょう。


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2025.03.22
08:25 いざという時の救急方法知っていますか?


今朝は、「災害に備えて知っておきたい救急のしかた」についてお伝えします。

災害の時はもちろん、家族や身近な人が事故や急病で倒れたとき、
冷静に行動する事はできますか?
慌ててしまったり、適切な判断ができなかったり、
どう対処すべきか分からなかったりする事があるかもしれません。

そうならないために、「救急」の知識があれば、
大切な人の命を救うために行動できます。
基本的な心肺蘇生や応急手当てを学んで、いざという場面で
役立てられるように準備しておきましょう。

まず、救急の方法とは、
救急車が到着するまでに行う一時救命処置のことです。
ケガ人や急病人に対して、
一時救命を正しくできるかどうかが、命を救う鍵となります。
心肺停止になったあと、AEDが1分遅れるごとに
救命率は7~10%下がり、10分以内にAEDを行わないと
助からないおそれがあります。
救急車を要請してから到着までにかかる時間は、
総務省のおととしのまとめで、平均10.3分とされていて、
その場に居合わせた人の行動が大切です。

では、急病人や災害時助けなければならない人がいたら
どう対処すべきなのでしょうか?
重要なポイントは3つです。

まず1つ目は、
自分や周りの人が危険にさらされていないかをチェックして
二次被害がおきないように注意する事が大切です。
その後、①意識はあるか②呼吸をしているか③出血はあるか
④手足は動かせるか⑤脈拍はあるかを確認します。

近くにいる人に大声で助けを求めて、
119番通報とAEDの準備を行いましょう。

2つ目は心肺蘇生です。倒れている人が
呼吸をしていなかったら心肺蘇生を行います。
心臓マッサージは、胸の真ん中に手の付け根を置いて、
肘をまっすぐのばして、5~6センチくらい沈むように胸を圧迫します。
人工呼吸は、鼻を押えて軽く胸が上がるくらい息を吹き込みます。

心臓マッサージを30回。人工呼吸を2回というサイクルで
救急車が到着するまで繰り返します。

途中でAEDが届いたら、電源をいれ音声ガイダンスに従って
準備しましょう。AEDは、一般の方でも扱える様に作られているので
操作自体はあまり悩む事なく操作できるとおもいます。
AEDは、
病院やクリニックのほか、市役所や学校、駅などに設置されていますが、
日頃、どこに置かれているのか確認しているといざという時に備えて、
あなたのお住まいの周りのどこにあるのか見ておきましょう。

3つ目は、ケガの応急手当てです。
出血などケガがある場合、手当を行いますが、
その時、三角巾やスカーフ、シーツなどが役にたちます。

血が止まるように圧迫したり、
傷が空気にふれないようにしたり、
固定するために身近にあるもので対処しましょう。

救命講習は、
各地の消防署や日本赤十字社で定期的に開催されています。
講習時間は、内容や場所によって変わります。

実践練習する事で、災害時などでも自信を持って行動できるようになります。
大切な人の命を守るためにも救命講習に参加してみては、いかがでしょうか?


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2025.03.15
08:25 東日本大震災から14年「復興ツーリズムって?」


東日本大震災から14年が経ちました。

3月11日午後2時46分ごろ、
東北沖でマグにチュード9.0の巨大地震が発生し、
宮城県栗原市で震度7を観測。
岩手、宮城、福島県を中心とした太平洋沿岸部を巨大な津波が襲い、
東京電力福島第一原発事故も発生しました。
また、東京23区でも、高層ビルなどを大きくゆっくりと揺らす
長周期地震動も観測され、震源から遠く離れた東京や大阪でも被害がでました。

災害関連死をふくめた東日本大震災の死者と行方不明者は、
合わせて2万2千228人にのぼり、
避難生活を余儀なくされている人は2万7615人となっています。

発生から14年の時が経ち、記憶が風化するとともに、
震災を知らない世代も増えてきました。

今朝は、「東日本大震災の教訓を学ぶ」と題してお伝えします。
震災の記憶や教訓、防災対策について学ぶことができる
サイトや書籍など多く出版されています。
今回番組でご紹介したいのは、
『被災地に行って教訓を学ぶ』という事です。
復興が進んでいる地域を中心にとくに力をいれている
防災学習があるそうなのですが・・・。

東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授に伺いました。

今村教授
今その状況を見ていただくような、
例えば防災学習ツーリズムまたは復興ツーリズムということで、広くですね、
国内外の方々に来ていただくような取り組みが進んでいます。
だいぶ復興が進んで逆にですね、当時の状況が分かりづらいところはあるんですが、
遺構であったり伝承施設ではしっかり当時の状況を、語りべさんであったり、
いろんな資料を見ていただきながら、現地で学習とかいろんな学びをしていただいております。
福島の特に浜通りでは、ホープツーリズムということで
、希望を皆さんと語るということで、まだ本当に復興が始まったばかりではあるんですが、
その状況も見ていただいて、福島の課題であったり新しい取り組み、光と影と呼ぶんですけども、」
そこも見ていただくようなツアーがあります。

東北を旅しながら被災地から学ぶ『復興ツーリズム』は、
自治体が企画しているツアーもあれば、
旅行会社などが企画している復興ツーリズムなどさまざまです。

また、日帰りプランから1泊2日かけてまわるプランなど、
旅のスケジュールに合わせてくみこむ事ができます。

復興ツーリズムは、学びだけではなく、
震災の記憶を風化させない、被災地の観光をまもる事や
多くの人が被災地を訪れてその地に住むみなさんと交流する事で
被災者の方々が元気になるという様々な側面があります。
復興ツーリズムは国も推進をしています。

被災地に行ったことのないかた、東日本大震災についてお子さんに
伝えたいと思っている方に特におすすめです。
春休みに被災地を訪れてみてはいかがでしょうか?

東日本大震災から14年。
あなたに伝えたい事、今村さんのメッセージです。

今村教授:
我々ですね。
東日本大震災から学んだ1番大きなものは、
備え以上のことはできなかったということです。
実は宮城県沖とかですね、
過去の地震、津波に対して一定の事前防災であったり取り組みはやっていたんですけども、
それを超えたところでは非常に難しかったと。
防潮堤を超えた津波が広域に、また原子力事故も起きましてで、
はるかに想定を上回ってしまったわけです。
今後もそういう状況が生まれる可能性もありますので、ぜひ、備え以上のことはできないので、
だからこそ今、事前の防災であったり備えっていうのを十分とっていただきたい。
それが個人のレベルからコミュニティ、また国全体でですね、取り組んでいただきたいなと思います。

『備え以上の事は』できない。
いつ起きるかわからない災害に備えて、
あなたができる防災の準備をしてましょう。
防災備蓄や非常用持ち出し袋の点検も忘れずに。


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