昨年12月22日に発生した
新潟県糸魚川市での大規模な火災では
144棟が焼けて、このうち120棟が全焼しました。
そして糸魚川市は1月6日、焼け落ちた家屋など
私有地に残るがれきの撤去を始めました。
火災のがれき処理は個人で負担するのが原則ですが、
今回は迅速な復興を目指すための
異例の対応だと言うことです。

今回の大規模火災、
実は私たちも決して他人ごとではありません。
と言うのも、今回被害が拡大した大きな理由が
「木造密集地域」だったからです。
詳しいお話を、都市防災が専門の
東京大学大学院 廣井悠准教授に伺いました。

 糸魚川では今回、4ヘクタール燃えています。
 一方で、我が国には同じような木造密集市街地が
 東京や大阪をはじめとして沢山あります。
 こう言った所でも今後、
 地震では特に同時多発火災が起きたり
 強風で火災の延焼速度が速いと言う状況になると、
 同じようなことが起きる可能性があるというのが
 正直な感想です。
 では我々はどうすればいいのか。
 ひとつは、避難です。
 東京や大阪などの木造密集市街地で火災が
 強風の中、同時多発してしまうと
 消防力を超えてしまう可能性が十分にあります。
 そうなったら、【命だけは助ける】と切り替えて
 広域避難場所などに適切に逃げる必要があります。
 初期消火と避難のバランスをきちんと取る、
 判断基準をきちんと持つと言うことが非常に重要です。
 天井や自分の背の高さ以上に火災が発生したら
 消火器などでは消しにくいと言われています。
 初期消火は重要ですが、そうなってしまったら
 諦めて避難モードに変える判断が必要です。

ここまでは自分で初期消火する、
ここからは避難すると言う判断基準を自分の中に持つ。
これが、命を守るための最大のポイントとのことでした。
あなたも、まずは消火器の準備など、
初期消火できる体制にあるのか、という所から
是非見直してみて下さい。

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