今回は木造家屋密集地域=木密地域での
ある画期的な取り組みをご紹介します。

2017年1月17日で
発生から22年となる阪神淡路大震災では、
「木密地域」で火災が多発したことによって
被害が拡大しました。
去年起きた糸魚川の大火災でも改めて
木密地域の危険性に注目が集まりましたね。
こうした中、品川区で木密地域一帯を
住民たちが共同で建て替えして、
高層マンションに生まれ変わらせるという
プロジェクトが実現したんです!

お店や住宅24棟が軒を並べていた
荏原町駅前の仲見世通り。
ここは戦後からの歴史を持つ商店街ですが、
建物の老朽化が進んで、
地域で不安の声が高まっていました。
そこで商店主の方と品川区は
「共同建て替え」に向けた勉強会を重ねて、
去年3月、地上18階建てのマンションが完成しました。
1階には商店街に元々あったお店が入っている他、
品川区の防災備蓄倉庫や
帰宅困難者の一時受け入れスペースなども設けられています。
品川区の木密整備推進課長 寺嶋清さんに
お話を伺いました。


 20人を超える人たちが一人ずつ、
 「自分の家が危険だから、燃えやすいから、周囲が危ないから」
 という想いだけで建て替えをしようと思った場合、
 全員が完全に建て替え終えるまでに、何年かかるでしょうか。
 10年後に全部建て替わっているかと言われても
 余程のことが無い限り、あり得ないだろうと思います。
 特に木密地域で起きた火災で一番怖いのは延焼です。
 全てが安全な状態に様変わりしていかないと
 地域の安全は担保されません。
 そう考えると、これ以上のスピード感をもって出来る
 事業手法はなかなか見当たらないと思いますし、
 防災に力を入れている街のシンボルとして
 良い事業だったと思っています。



確かに、地域一帯で一気に変わることが
火災に対する最も有効な方法ですし、
災害時の結束もより強くなりそうです。

なお、木密地域の共同建て替えプロジェクトは
品川区の中延で、第二弾が予定されています。
燃えない街づくりに向けて、参考になる取組ですね!



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