昨年、災害が起きた時になくてはならない
『あるもの』の備蓄に関して、
全国1000人を対象にアンケート調査が行われました。
結果、その『あるもの』を
ちゃんと備蓄していると答えた人は、たったの17%ほど!
さて、その『あるもの』・・・なんだと思いますか?

答えは、『トイレ』です。

トイレを備蓄するってイメージが沸かない、
ピンと来ないと言う方も多いかもしれません。
調査を行なったのは、
トイレに関する社会的な課題の改善などに取り組む
一般社団法人 日本トイレ協会です。
協会が、政府の想定をもとに試算したところ、
首都直下地震が起きた際、
断水や建物の倒壊などによって
地震発生から1週間ではおよそ5512万回分、
トイレを使用できなくなることが明らかになりました
そこで重要になるのが、
携帯トイレや組み立て式の簡易トイレの備蓄です。
・・・ですが、現状の備蓄は17%ほど。
日本トイレ協会の新妻普宣(にいづま・ひろのぶ)さんは
今回の結果にこんな課題を感じています。

 食べ物と飲み物はいざとなれば
 何日かは我慢することが可能かもしれません。
 しかしトイレの場合は数時間でも
 我慢することは難しい生理現象なので、
 対策の重要な要素だと思われます。
 またトイレ環境が悪くなると、
 色々と健康被害が発生します。
 トイレを我慢するために水分摂取を控えると
 エコノミークラス症候群に、
 トイレの環境が悪くなると
 感染症のノロウイルスやインフルエンザ等の
 発生が高まります。
 トイレが出来ないだけではなく、
 二次災害発生の可能性が高まることが
 大きな課題です。


実際に過去の震災でも、
トイレに関連した二次災害が多く発生しました。
昨年の熊本地震では当初、
近くの花壇に穴をほってトイレにする
「穴掘りトイレ」で急場をしのいだ避難所もあったそうです。

では、私たちはどれくらい
「トイレの備蓄」をすればよいのでしょうか。
新妻さんによると、
一般家庭では「最低3日間、出来れば1週間分」だそうです。
例えば4人家族で、
ひとり1日5回トイレに行くと想定すると・・・
最低でも60回分にあたる携帯トイレや
簡易トイレの取り換えキットを
用意しておく必要があるということですね。

ちなみに、簡易トイレと言うのは
小さな箱型になっていて持ち運びができるもの。
段ボールで出来ているものもあって、
3000円くらいから手に入ります。
携帯トイレとは、袋の中に消臭剤や凝固剤が入ったもので、
普段のトイレに取り付けることもできます。
こちらはひとつ300円くらいから。

私たちの日常生活の中で欠かすことの出来ないトイレ。
生活用品や非常食、飲み水と同じような意識で
備蓄を進めていきませんか?

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