今週も、アルピニストの野口健さんに伺います。

野口さんは4月、
PHP新書から震災にまつわる本を出版しました。
タイトルは
『震災が起きた後で死なないために
 〜「避難所にテント村」という選択肢』


熊本地震が発生した時に益城町で運営した
被災者向けのテント村の取り組みをまとめたものです。
ヒマラヤのベースキャンプをモデルにしたと言うことで
とても野口さんらしい取り組み!

およそ600人の被災者の方が入居していたのですが、
テントはプライバシーを保てる、
広いスペースを確保できる、
脚をのばしてゆっくり寝られるなど、
とても喜ばれたそうです。


















野口さんは改めて、
「生活再建に向けて、
 前向きな気持ちになれる避難所作り」が
大切だと実感されたと言います。
それらを踏まえて、
私たちが事前に備えるべきことを伺いました。


 「最初の3日は、まずは自分で生き延びる」
 ということを考えなくてはいけない。
 考えていくと、やっぱり一家に一張、
 テントはあった方がいいと思いますね。
 震災のときは正にアウトドアなんです。
 益城町のテント村には約600人いましたが、
 テント生活はほぼ全員が初めてでした。
 非常にテントが遠い存在なんです。
 ヨーロッパは震災の時にテント村が多いそうですが、
 それはどうしてかというと、
 ヨーロッパの人は週末、家族でキャンプに行くなど
 アウトドアが身近なんです。
 ですから、震災のためのテントというより、
 アウトドアが身近にあって、
 結果的に震災のときに生きてくるという方が
 流れとしては自然かなと思います。



確かに、震災に備えて・・・と思うと
腰も重くなりがちですが、
楽しんだ結果、経験が生きると言うのは
素晴らしいことですね。

また野口さんは、
子どもの頃からアウトドアを通して
ひやっとするような怖い思い
=「プチ・ピンチ」を経験することが、
災害があった時に
生き延びる力を培ってくれるとも
お話されていました。

防災用品をただ揃えるだけではなく、
日頃から実際に使ってみて、
「道具を自分のものにする」ということも
大切だとのこと。

この夏、キャンプに出掛けたり、
家にテントを張ってみたり、
『楽しみながら』家族みんなで
防災力を上げたいですね。

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