「車中泊をせざる終えない時に気をつける事」

能登半島地震の被災地で、
避難所を避けて車中泊を続ける人が
いまなお、いらっしゃいます。
余震への不安や、
避難所はプライベート空間が保たれない、
ペットがいる為に避難所に入る事をためらう人など理由は様々です。

このように、災害で自宅に住む事が難しくなった時、
避難所に身をよせるのが基本ですが、
様々な理由で車の中で寝泊まりする事を選ぶ人もいます。

災害が起きた時の車中泊について、
内閣府は、「やむを得ない場合に限り」としています。
車での生活が続くと健康上のリスクが高まる事が大きな理由です。

車中泊する時に健康被害で最も危険なのが、
「エコノミークラス症候群」です。
狭い座席に長時間座り足を動かさないと、
血行不良が起こって血液が固まりやすくなります。
その結果、血の固まりが血管の中を流れ、
肺の静脈をつまらせてしまう事で発症するものです。

予防するには、
車内で足を伸ばして眠れる空間を作る必要があります。
軽乗用車などコンパクトな車は、
前の座席のリクライニングシートを活用する。
また、ワゴン車やミニバンは後ろのシートを前に倒して、
トランクと繋げて余裕のある空間を確保し、
厚手のマットを引くと快適に過ごす事ができます。

そのほか、夏は熱中症に、
特に、冬の雪が降る時期は、一酸化炭素中毒に注意が必要です。

エンジンをつけたままにするケースが少なくありません。
しかし、エンジンをかけたままでいると、
排ガスが車内に充満して起きる一酸化炭素中毒や
枯れ草など可燃物への引火などのリスクがあります。
特に、一酸化炭素中毒は、予兆を感じる事なく中にいる人が
意識を失いますので注意が必要です。

車を駐車する場所の選び方も重要です。
・傾斜地ではない平らな場所、引火物のないなどの安全な場所。
・他の人の迷惑にならない場所で、行政指定の避難所近くの駐車スペース。
・給水、トイレ設備のある施設のちかくなど
この4つを満たした場所に駐車する事が理想です。

傾斜地での駐車は
サイドブレーキをかけていたとしても
余震などの衝撃で車が動いてしまい、
事故が発生することもあるので注意しましょう。

アウトドア用品は、車中泊に役立つアイテムが多くあります。
お持ちの方は、一度確認する事をオススメします。

その他、エコノミークラス症候群を予防する「着圧ソックス」や携帯トイレ、
お水、アイマスク、マットやクッション、
プライバシー保護の観点から、車用のカーテン、
非常食やポータブル電源など、
車中泊に役立つアイテムをあらかじめ車に載せておく事をオススメします。

今朝は、車中泊をせざる終えない時に気をつける事についてお伝えしましたが、
車中泊は、「やむ得ない場合に限り」となっている事を忘れずに。


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