5月12日は母の日、ということで今回は
お母さん、そして赤ちゃんにまつわる
災害時の取り組みをご紹介します。
その名も・・・

『 災害時おなかの中の赤ちゃんを守るプロジェクト 』

大きな災害が起きたとき、文京区内の複数の女子大に
妊婦さんと、1歳未満の赤ちゃん、そのお母さん専用の避難所を開設するという、
全国初の取り組みです。
このプロジェクトのことは去年、すでに発表されているので
耳にした方も多いかもしれませんが、
その後もプロジェクトは広がりを見せていて、
協力する大学や団体は増え続けています。

この専用避難所では、医師や助産師による健康チェック、
オムツやミルク(アレルギー対応しているものもあります)の配布、
ストレスで母乳が出なくなってしまったお母さんへの
おっぱいのケアなどもおこなわれる予定です。
とても心強いプロジェクトですね。
大学、医師会、助産師会、メーカー、母乳育児支援団体など
様々な機関が垣根を越えて協力しています。

この画期的なプロジェクトの立ち上げ人は、
ご自身もお子さんを持つパパである、
文京区 男女協働子育て支援部 鈴木秀洋さん。
この4月に今の部署に移動されましたが、
立ち上げた当初は、文京区の危機管理セクションのトップでした。

ただ、このプロジェクトは、これまでにない取り組みなだけに
困難なことも多かったそうです。
鈴木さんは、こんな風に仰っていました。

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赤ちゃんは自分で言葉を発せないですし、
妊産婦さんというのも
『普通に子どもを生むというのであれば病気ではない』
という認識がどこでもあったので、
災害の対策の中では、例として挙げられても、
具体策としてはどこにも載っていませんでした。

でもやはり、東日本大震災では凄く苦労して、避難所にもいられなかった。
病気じゃないのになんで寝ているんだとか、
ただでさえ苦しい状況の中なのに赤ちゃんが泣いてうるさいとか、
弱者の中でも排除されてきたと言う現状を沢山見聞きしてきたので、
そこはなんとかしなくてはいけないと言うことで、
今回のプロジェクトを立ち上げました。

使命感と言うのは、実際あります。
『良いものは次の世代に残したいですし、悪いものは変えていく』
命をどう守っていくかという中で、それが最初から最後まで一貫していて、
そのためには縦割りという行政の胸を割ってと言うか、
何が必要なのかっていうところを、お互いに話し合ってきました。
そうするとやっぱり、子どもの命を守らなくてはいけないと言うところでは
みんな共通するので、その中で進めていけたのかなと思います。

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災害弱者の中でも、更に排除されてきた妊婦さんと赤ちゃんと、そのお母さん。
鈴木さんは、これをモデルケースに
是非、全国の自治体にも取り組んで欲しいと仰っていました。
確かに、文京区だけが取り組んでもこの問題は解決しませんし、
苦しい思いをするお母さんや赤ちゃんを少しでも減らしていくと言うのは、
未来を大切にするということです。
是非、広がって欲しいですね。
そして、文京区では鈴木さんを中心に、
これからもプロジェクトを拡大していく予定だそうです!

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