NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

今、仕事も家庭も自分磨きにアクティブな生き様を実践する女性達。そんな女性達がいつまでも輝く心と勇気を失わず、体も心も健康な毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを送るのが、このノエビア カラーオブライフ。「生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと」をテーマにした、トークや音楽、話題、情報などが満載です。

TOKYO FM

NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

唐橋ユミ

今、仕事も家庭も自分らしく、いきいきと生きる女性たち。いつまでも輝く心を失わず、心も体も充実した毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを伝えます。“生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと”をテーマにした、トークと音楽が満載のプログラムです。

Guest綿矢りささん

綿矢りささん

2001年『インストール』で文藝賞受賞。早稲田大学在学中の2004年『蹴りたい背中』で芥川賞受賞。2012年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞、2020年『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞受賞。ほかの著書に『ひらいて』『夢を与える』『勝手にふるえてろ』『憤死』『大地のゲーム』『手のひらの京』『私をくいとめて』『意識のリボン』『オーラの発表会』などがある。最新著書はエッセイ『あのころなにしてた?』

最後尾でも乗れたら上出来

2022/02/26
作家・綿矢りさにとって、
本を読むこととは?

「読んでいる時はすごく一人なんですけど、だんだんその話にのめり込んでいくにつれて、一人って感じがしなくなる。その話の中に溶け込んであり、その読んでいる物語に書かれていることに共感したりして、そのギャップ?不思議な世界に一人きりで乗り込むっていうような非日常感みたいなのを私は読書の時に感じてすごく楽しんでいます」

それは書くことにも共通することなのか?

「似ています。自分で書いていても次どういうこと書くのかギリギリまでわかってないことの方が多いので、読む方も、書く方も机に座っているけど全然自分が違うところにいるような感覚になります」

最近、小説とは違う「書く」楽しさを見つけたという。

「今までエッセイを書いたことがなかったんですけど、ちょっと日常で自分が思っていることとかを親しい人に話しかけるような感じで書けたらなって、思うようになってきました」

その気持ちをまとめたものが
新潮社から発売されている初のエッセイ集、「あのころなにしてた?」

「自分たちの家族のこととかを書いたので、すごく自然に一家族としてコロナにどんな風に関わっていたかっていうのをあの皆さんと共有したくて書きました。本っていうのは人と会うのとは違うけど人と会ったような感覚で読めたりをするので、共鳴する瞬間を共有できるような文章を目指していけたらなと思って書きました」

作家として新しいジャンルにチャレンジした綿矢りさ。
そのポリシーとは
「最後尾でも乗れたら上出来」

「例えば何かに挑戦した時にまあその枠には入れたけどかなり最下位に近い方っていうようなことが私は多くて、小説の世界にいてもそうでしたけど、デビューは早かったし、早めに入れたけどやっぱり全然実力がなくて、その世界で最後尾から始まったっていうような経験があったんですけど、初めのうちはすごく苦労して、落ち込んだこともあったんですけど。やっぱりそこに入れたっていうことを一番大事にしたほうがこれからも辛いことがあっても乗り越えられるんじゃないかなと思って最近こういうふうに思うようになりました」

この先10年の30代から40代は、
「今まで培ってきたものを活かして、もっとちゃんとしたものを書けるように頑張っていきたい」
そう語る綿矢りさ、作品の到着を期待せずにはいられない。
綿矢りさからリスナーに贈られたエールは?

【ちょっとした心の隙間を埋めるために「本」を読んでみてください】
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迷った時に聞くのは自分の声

2022/02/19
大学在学中に芥川賞を受賞した綿矢りさ。
しかし、スランプに陥った期間もあるという。

「仕事を続けていきたい気持ちと自分の実力不足とで大学卒業後は悩んだりしました。今まで大傑作みたいなものを読みすぎていたので、プレッシャーとかこれぐらいのレベルのものなんで自分が書けないんだって。今、考えるとコツコツ積み上げていくことが大切だったのに、気負っている部分があってそれは自分の実力が追いついてなかった」

その時、綿矢りさがとった行動は、
違う空気を入れること。

「もう机に向かっていても何書いたらいいかわからなくて、友達と遊んだり、アルバイトしたり、東京とか京都の街をうろついたり、そんな感じで過ごしていました。アルバイトは服や、お洋服を売ったり、後ホテルで給仕をしたり。なんかあの本当に塾の先生と色々と」

スランプからの脱出方法とは?

「自分の書いた物を読み直して。自分はこういうものを書きたいっていう理想とその作品が持ってるテーマっていうものに気付いた時にやっぱ作品の声を聞くというのが、自分がどういうのを書きたいかって言うと欲望より先だなっていうのに気づいて、それからは結構書けるようになりました」

書きたいテーマを見つけ、
筆が走り始めた綿矢りさ。
取材をきかっけに今の夫と出会う。
そして2015年には出産を経験する。

「自分のことだけをやっていていいわけじゃなくなって、それまでは好きなだけ仕事をしたり、遊んだりとかも出来たんですけど、そこに育児っていうものが入って、また夫もいるからその家族全体の雰囲気を良くしたいとかそういう気持ちもありました」

作品自体にも影響はあったのか?

「作品は、私生活で母親っていう役割とかができたりしたから逆に、、、こう本当に完全なフィクションとしてあの小説を書くようになったので。なんか前よりももっと自分からは遠い存在の人を主人公にしたりするようになりました」

母親としての一面は
初の日記エッセイ「あのころなにしてた?」で知ることができる。
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太宰治に導かれて

2022/02/12
学生時代の綿矢りさが、
その魅力に惹かれた作家がいる。
太宰治。

「今読んでも感情移入せざるを得ない、すごい耳元のすぐ近くで囁いてるような文体と内容が魅力だと思いますね。高校生の時は時間とか場所とか関係なく本当にはまってたからいつでも読みたいなって気持ちになっていたんですけど、今はその中でも心に残ったものをちょっと気分が暗い時とかに読みます」

太宰に影響された少女は高校卒業後の進路を決めた。

「高校の進路を決める時と小説を書いてる時がちょうど重なってたので、無理かもしれないけど、小説に関する仕事に就きたいなというのが一番の希望でした。賞に応募したんですけど受験の時に書いて、これで落選したら本格的に受験勉強しようみたいな気持ちで書いてました」

その時、書いていた小説が文藝賞を受賞した
「インストール」である。
執筆を始めたきっかけとは?

「太宰治みたいに一人称小説で物語を展開していくものをたくさん読んだ時に、自分でもこの形でなら話しを作っていくことができるんじゃないかってちょっと思って、それからこう書きたいなと思うようになりました」

デビュー作「インストール」で文藝賞を受賞、
これがきっかけとなり、
綿矢りさは京都から東京に拠点に移した。 

「大都会ってイメージだったんですけど。初めて仕事の関係で行って、丸の内に行った時に本当にびっくりして、京都では見たことのない景色だったし、こんなに建物が多くて、近くに皇居もあってこんなところなんだっていうな驚きをすごくをよく覚えてますね」

作家と学業の両立。
早稲田大学でのキャンパスライフとは?

「とにかく人の多い学校で、楽しかったけどなんか本当に馴染めたか分からないまま過ぎって言った4年間っていう感じでした」

その在学中に、「蹴りたい背中で」第130回芥川龍之介賞受賞。

「あの時は、結構物事がすごい速さで進んでいて、賞を頂いたっていうのを知ってから、あの他の賞関連のお仕事するまでの間があっという間だったので、とにかく忙しかったなっていう印象がありますね」

順風満帆の作家人生と思いきや
大学卒業後はうまく運ばなかったこともあったという。
綿矢りさはどのように乗り越えたのか。
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世界を広げてくれた「本」たち

2022/02/05
小説家・綿矢りさ。
幼少期から「本」と触れ合ってきたという。

「私は好きだったんですけど他の家族はあまり好きではなかったので、本棚はそんなに充実してなかったですね。ただの父とか母がほんならお小遣いとは別にいくらでも買ってもいいよって言ってくれたので古本屋さんとかに連れてってもらった時にいっぱい買って読んだりしてるうちにたくさん面白い本に出会ってそれから好きになりました」


江戸川乱歩
コナンドイル
ミステリーが好きな少女だった。

小学生で本の魅力を知った綿矢りさ。
中学では演劇の道へ。

「舞台とかも自分たちで作るしその時に脚本も書かせてもらったりとかしていました」

高校になるとまた読む本も変わってきた。

太宰治
三島由紀夫

「日本の文豪と呼ばれている人たちの作品を高校の図書室で読みました。三島由紀夫は金閣寺でどここを舞台にしてこれだけの話を思いつくんだなぁとか本当に内容が深い話なので金閣寺行くたびに思い出して複雑な気持ちになりました」

綿矢りさがまだみぬ世界を広げたのは
「本」という存在だったのである。
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