毎日、3食作るのは大変！

コウケンテツ（料理研究家）×くわばたりえ（クワバタオハラ）

2021

02.12

テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中のコウさんは、旬の素材を生かした簡単でへルシーなメニューで知られています。また、3児の父親でもあり、ご自身の経験をもとに、親子の食育や男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動にも力を入れています。同じく、3人のお子さんを持つ、くわばたさん。お笑い芸人として活躍しながらも、子育ての苦労や悩みなどを飾らない言葉で綴ったブログの読者も多く、ママたちから絶大な支持を集めています。

きっかけは、YouTube

くわばた: よろしくお願いいたします。

コウ: よろしくお願いいたします。本当に来ていただいてありがとうございます。

くわばた: 来ていただいてなんて、夢のよう。マネージャーから、コウケンテツ先生がくわばたさんとお話ししたいというオファーを聞いて、「え！嘘！会えるの？！は？！神様ありがとう！」

コウ: 先生とかやめてください（笑）。僕の方こそ、くわばたさんのYouTubeで私のレシピを取り上げてもらったり、アピールしていただいて、コメント欄に「くわばたさんの YouTubeから飛んできました」という方が多くて、お礼をと思ってたんですよね。

くわばた: コウさんのYouTubeを見たきっかけは、自粛期間中に子供と一日中一緒にいないといけなくて、心が落ちた時にネット記事で、「お母さんは自粛期間中、朝昼晩料理を作らないといけないのは大変。そんな時は、カップラーメンでもいいじゃん。みんなで笑って食べられれば、お母さんもそんな日があってもいいのですよ。」と書いてあったのを読んだ時に涙が止まらなくなって、私も育児の講演会をさせて頂いて、ラーメンでもいいやんと自分で言うのですけど、料理研究家の方に、「大変ですけどお味噌汁だけは作りませんか」みたいなことを言われたら、そうかと思うけど、料理研究家の方がカップラーメンでも大丈夫と言ってくれる安心感、ありがたさ。嬉しかったです。

コウ: 僕も本当に朝から晩まで料理の仕事をしていて、一日中、料理に追われていて、許して欲しかったのですね。子供たちは、むしろインスタンラーメンを喜ぶ時もあるし。

くわばた: そうなんですよ。

コウ: だから僕も解放されたかったし、多分同じ思いを持っている人と気持ちを共有したかったというのもあるんですよね。

くわばた: そして、コウさんのチャンネルを見るとシュウマイが出てきたんですよ。私の中でシュウマイはスーパーで買うものと思っていて。それで、YouTubeを見たら、「シュウマイは、スーパーで買うものと思っているでしょ」といきなり言ったから、「何これ。私が思ったことをそのまま言っている」と思って、料理をしてみたら、とても簡単で、毎週末、シュウマイを作っています。家族に大人気。

コウ: それも「くわばたさんがシュウマイを作っているよ」とコメントをいただいて。それで、くわばたさんのYouTubeを見させていただいたんですけど、ライブが最高ですね。

くわばた: ただ、お酒を飲んでいるだけなんですけどね。

コウ: それがいいんですよ。本当のリアルな話を共有したいのがわかって。

家庭料理の良さ

コウさんの公式YouTubeチャンネル「Koh Kentetsu Kitchen」は、昨年オープンしたにも関わらず、チャンネル登録者数は、現在63万人越え。ほぼ10分でできる朝ごはん、韓国料理、お肉料理や、副菜、スイーツまでたくさんの家庭料理を紹介しています。

くわばた: コウさんは、お仕事でお料理を作り、プライベートでも作ることもあるんですよね？

コウ: 毎日作っています。

くわばた: どういう料理を作るんですか？

コウ: 3人目を授かるまでは、めちゃめちゃちゃんとやっていたんですよ。料理家だから栄養バランスもあって、見た目も最高の料理を作らないといけないと思い込んでいた部分があって。でも、3人目を授かった時に物理的にも体力的にも無理だと思ったんです。結局、子供たちは作っても食べない。野菜料理を作っても残すし、それなら必要最小限と考え直したら、ものすごく気持ちが楽になって。例えば、魚焼きグリルをフル活用するんですよ。野菜と鶏肉を放り込んで焼くだけ。あと、スープが欲しいって言ったら味噌汁を作る。それだけなんですよ。多分、料理家の中で一番質素だと思う。ただ普通のご飯で言ったら十分すぎるほどだと思うんですよ。

くわばた: そうですよ。逆に奥様はお料理されるのですか？

コウ: すごくします。

くわばた: 私がもしコウさんの奥さんだったら、自分の旦那は料理研究家で自分は何作るねんって思うんですよ。「なんじゃ、この味とか」、「なんじゃ、この切り方」とか緊張して作られへんと思うけど、奥さんは何を作るのですか？

コウ: もともと料理雑誌の編集だったので上手なんですよね。ただ僕は、シェフと違って家庭料理を紹介する仕事なので、”美味しい” のハードルが低すぎると良く言われるんです。食卓に上がったら何でもうまいって思ってしまうんですよ。

くわばた: コウさんのレシピいっぱい作っていますけど、美味しいのしかないですよ。

コウ: ほんとですか！ありがとうございます。僕自身もプロフェッショナルというか、シェフみたいな腕がないので、料理が苦手な人の気持ちがすごくよく分かるんです。他の料理家さんの料理とか見て、「すごい」といつも思っていたので、そういう意味では、家で料理するに適していると言うか…。

くわばた: 大葉を使うレシピも好きですし、きゅうりの醤油漬けは、3日に1回は、作っていますね。きゅうり嫌いな子供が、あのレシピだけは食べるんですよ。簡単で子供も食べて、ちょっとした一品になる。最近、「もやしと豚肉のうま煮」も作ったんですよ。その瞬間、子供から、「これ毎日作ってよ」と言われて、そんなの初めて。しかもあのレシピ10分もかからないんですよ。