あなたは誰かのクルマの後部座席に座る時、どのくらい交通安全を意識していますか?
ドライバーと同乗者は、いわば運命共同体。後部座席に座っていたとしても安全運行に協力する、
邪魔をしない義務と責任があります。ドライバーを気遣って乗車マナーにも注意しましょう。





まず、後部座席もシートベルトをしなければいけません。
2008年6月の道路交通法改正から、後部座席を含む全ての座席で
一般道・高速道路を問わず、着用が義務化されています。

高速道路で同乗者がシートベルトをしていないことで摘発された場合は、
違反点数が1点、ドライバーに課せられます。一般道では、口頭注意です。
この義務化が導入されたのは悲惨な事故が無くならないから。

今回、お話を伺ったモータリング・ライター 藤田 竜太さんによると
高速道路での衝突事故でシートベルトをしていなかった後部座席の人が車の外へ投げ出され
頭部を強く打って死亡した事故があり、車外へ放出された場合の致死率は着用者の約14倍です。

また、正面衝突事故で、後部座席の人が前方シートに激しくぶつかって死亡。
さらに前席の人も後部座席の人とエアバッグに挟まれ死亡したこともありました。
その他、後部座席でシートベルトを装着していなかった人は、
頭や胸の骨折内臓損傷などで亡くなるケースが多いことが分かっています





警察署の資料によると後部座席のシートベルトの非着用時の致死率は、
高速道路で着用時の13.9倍、一般道で着用時の約2.8倍も高くなっています。

後部座席にはエアバッグのない車が多いので
正面衝突の場合は、前席より障害を負う危険性が高いと言われています。
シートベルトを正しい位置につけないと、衝撃で胸骨やあばら骨を折る、
腹部に食い込んで内臓を圧迫するというリスクもあります。

衝突事故の際、シートベルトをしていなければ、
両手を突っ張るだけで支えられる衝突速度は最大で時速7km。
時速60kmで走る車が壁などに衝突すると14mのビルから落ちるのと同じ衝撃を受けます。
「万が一に備えるなら、1万回車に乗ったら1万回シートベルトをしなければいけません」。
藤田さんは、そうおっしゃっていました。





そして、誰かのクルマの後部座席に座っていても
安全についての義務や責任がないわけではありません。
道路交通法では、運転者だけでなく、同乗者も罪に問われるケースがあります。

その1つが同乗罪で、ドライバーが飲酒運転をしている、
しようとしていることを知りながら同乗した場合。

また、酒気帯び運転や無免許運転の恐れがある人に対して
運転をそそのかすような行動や、命令した場合は、
重大違反そそのかし等と呼ばれる違反となります。
「急げ」「スピードを出せ」など、運転者に違反運転を促す行為もこれに相当します。





特に若い世代の友人複数でのドライブは、楽しく、はしゃいでしまうもの。
ただ、そうした行動は、そこかしこに危険を孕んでいます。気をつけて下さい。

急な右左折を強引に指示したり、スピードを出すように命じる行為は危険です。
見通しの悪い道路や悪天候時など、ドライバーが特に運転に集中すべき場面では、
大きな声を出したり、突然話しかけることは避けましょう。
スマホの画面をドライバーの視界に入る位置で操作するのも安全運転の妨げになります。
急に窓の外を指差したりして、運転手の意識をそらすのもやめましょう。

そして、ドライバーが運転に集中しやすくリラックスした車内作りに協力することや
エアコンの温度調整やオーディオ操作など、ドライバーが運転以外に気を取られがちな作業を
率先してやることは、安全運転の良いサポートになります。
後部座席に座っていても安全運転の一端を担っていることを忘れずにいましょう。


そろそろ梅雨入り。
雨の日は、視界の悪さと道路が滑ることで、交通事故が増えますが、
知っておきたい2つの危険な現象があります。
事故を招かないため、その予防と対策を、知っておきましょう。





1つは、主に雨の高速道路で起こる「ハイドロプレーニング現象」です。
今回のコメンテーター モータリング・ライターの藤田 竜太さんによると
これは濡れた路面を走行している時に、タイヤの接地面と路面の間に水の膜ができて、
タイヤが道路上から浮いたような状態になる現象を言います。

タイヤが接地できなくなるため、ハンドルやブレーキ、アクセルを操作しても
車の動きに反映されず、とても危険な状態。タイヤ表面には溝があり、
その溝が路面の水を排出することで接地性を確保しているのですが
排水能力を超えるシチュエーションになると、水がタイヤの溝から溢れて
タイヤが水の上に浮き上がってしまった状態になってしまうというメカニズムです。





高速道路では、かなりのスピードなので、コントロールが効かなくなるのは本当に危険。
タイヤの摩耗やコンディションにもよりますが
時速80kmから90kmでハイドロプレーニング現象が発生する可能性があります。
その結果、起こり得るのがスピンして壁や中央分離帯や他の車への衝突事故。


対策として、何より大切なのはスピードを控えること。
轍や深い水たまりは避けて走行すること。
タイヤの排水性能はタイヤの溝の深さで決まるので、常に5分山以上のタイヤを履くのも重要。
日本は3日に1度は雨とも言われるので、ウエット性能に優れたタイヤも選びたいものです。
最後に空気圧。ハイドロプレーニング現象の発生限界速度はタイヤの空気圧に比例するので
月に1度は空気圧を点検し、メーカー指定空気圧を基準として0.2キロ高めに調整しておくと安心です。

運転中にハイドロプレーニング現象が起きてしまうと何も出来ません。
アクセルから足を離さず、ハンドルはそのままに、
自然に速度が落ちてタイヤのグリップが回復するのを待ちます。
焦ってハンドルを切ったり、急ブレーキをかけたりするのが最も危険。
アクセルから足を離してしまうのもNGです。
タイヤが水に浮くと駆動力が伝わらなくなり、速度が急速に落ちて、数秒でグリップが回復します。





もう1つの危険なことは、雨の日に起こりやすい「蒸発現象」。
これは、夜間の対向車と自分の車のヘッドライトの光が交差して重複した時に
2つのクルマの間の歩行者や障害物がドライバーの視界から突然消えたように見えなくなる現象です。

横断歩道ではないところを横断している歩行者や、
右折の時に横断歩道を渡っている歩行者を轢いてしまう危険があります。

ヘッドライトの明かりが重なると部分的に光が強まるので
目がまぶしさを感じて、光が当たっている部分にあるものが見えなくなることが原因。
特に雨の夜は、路面の光が乱反射し、視界が悪化するために発生しやすいようです。





蒸発現象は人間の目の仕組み上、避けられないもの。
横断歩道や交差点の手前で対向車のライトとすれ違う際は
光で見えないだけで歩行者がいるかもしれないと予測して
速度を控えめにして用心しながら通過するようにしましょう。
蒸発現象の存在を知ったうえで、見えない人がいるかもしれないという前提で
ハンドルを握ることが事故を防ぐことにつながります。

ハイドロプレーニング現象と蒸発現象。
これからのシーズン、注意して下さい。
今月18日から24日の1週間に熱中症で緊急搬送された人は1,114人。
前の週に続き1千人を超えて、早くも熱中症の時期が到来しています。
水分を摂り、適切にエアコンを使って、熱中症対策をしましょう。
そして、クルマの運転に関しても熱中症には要注意です。





一般社団法人 熱中症総合研究所 所長 三宅康史さんによると
熱中症は暑い環境に長くいた後の体調不良です。
暑い中で体を動かすと身体が熱くなり、脱水症状が出て、疲労するので、
頭痛や吐き気や手足の痺れ、強い倦怠感が出たら熱中症の可能性大。
運転中も熱中症になる可能性も無くはありませんが
大抵は運転を始めたあとに症状が出てくるというものです。





私たちの体の細胞には、エネルギーの消化・吸収・代謝など
さまざまな生命維持活動に使われる「酵素」が存在しています。
この酵素が最も活発に働ける温度が37℃なので
外気温の上昇などで体温が上がると、血管を拡げて皮膚の表面から熱を逃がしたり、
汗をかき、体温が37℃になるように調整しています。
しかし、気温や湿度が高い状況下で長い時間の運動や作業で
体温調節がうまくいかなくなり、熱が体にこもると、熱中症になります。

軽い熱中症であれば安全な場所に日差しを避けてクルマを停め
休憩し、体を冷やし、水分を摂れば比較的早く回復します。
しかし、症状があるにも関わらずに頑張ってしまうと、症状は悪化します。
特に運転中は手足が痙攣したり、痺れたり、意識が朦朧とするので事故に繋がりかねません。

対処をしてもよくならない時は、クルマを使わずに病院に行きましょう。
あまりに気分が悪い時は、救急車を呼ぶことも考えて下さい。





これから迎える夏休みに、長い時間クルマを運転して、
どこかへ出かけることもあるでしょう。

そうした時は、前日の夜に飲み過ぎや寝不足をせず
朝食を食べてから出かけること。

そして、余裕を持った計画を立てて、ずっと運転することは避けます。
できれば運転に支障のない限りで反射シートを使って日差しを避けるようして
よく冷えた水やスポーツドリンクを用意して水分をしっかり摂りましょう。
最近はいろいろな冷却グッズがあるので、体の熱も冷ますようにして下さい。
今の時期から、熱中症による事故を未然に防ぐことが、大切です。
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