月曜日に啓蟄を迎え、今週は全国的に気温が上昇。
すっかり春めいてきました。





冬への備えだった愛車のスタッドレスタイヤを
そろそろノーマルタイヤにしようかと思っている方も多いでしょう。
ただ、まだ寒の戻りがあるかもしれず、タイミングが難しいところ。

そこで今回は日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟交通安全委員会委員も務める菰田潔さんに
アドバイスをいただきました。





日本では一般に「雪が降ったらスタッドレスタイヤ」
「雪がなければノーマルタイヤ」と考える傾向にあります。

しかし、菰田さんによると欧州で常識になりつつあるのが
外気温が7℃以下だと冬タイヤ、7℃以上だとノーマルタイヤ(夏タイヤ)という考え。

ノーマルタイヤは気温が下がるとゴムが硬くなってグリップが落ちていきます。
一方でスタッドレスタイヤは気温が高くなるとゴムが柔らかくなってグリップが悪い。
気温7℃を境目としてグリップが逆転するわけです。

100km/hでブレーキをかけた時の制動距離を比べると
7℃を超えると夏タイヤの方が短く、7℃以下だと冬タイヤの方が短くデータもあるそう。
タイヤの交換をする1つの基準が「気温7℃」。覚えておいて下さい。





ただ、この時期は三寒四温。
思いがけず、雪が降ることも考えられます。
その度に履き替えるのは現実的に無理。
菰田さんのお薦めは「もうここまできたら雪は降らないだろう」という
タイミングまでスタッドレスタイヤを利用すること。

雪が降らないのにスタッドレスタイヤだとゴムが減ると思うかもしれませんが、
実は気温が低くなるとノーマルタイヤのほうがゴムが硬くなって消耗します。
スタッドレスタイヤは雪がない所を走っても損ではありません。





そして、スタッドレスタイヤのままでいるにせよ、
ノーマルタイヤに変えるにせよ、それぞれの特性を考慮して運転することが大切。
スタッドレスタイヤであれば、乾いた路面や路面ウエット路面ではノーマルタイヤよりグリップが低く
ノーマルタイヤなら7℃以下になったらゴムが硬くなって路面をしっかりグリップしません。
そのことを頭の片隅においてハンドルを握りましょう。





これからノーマルタイヤに替えずに夏になってしまった!
という方も出てくるかもしれません。
    
菰田さんは夏のスタッドレスタイヤを試しにやったことがあるそうですが
ハンドルがしっかりせず、カーブで安定性に欠けて不安があったといいます。
雨の時期はノーマルタイヤよりもハイドロプレーンが起きる可能性が大。
やはり、どこかのタイミングでしっかりノーマルタイヤに交換して下さい。





履き替えが面倒な人には、今「オールシーズンタイヤ」が流行しているとのこと。
ただ、すべての時期を網羅している分、
スタッドレスタイヤの冬性能とノーマルタイヤの夏性能には及ばないので、
その点を注意して下さいと菰田さんおっしゃっていました。

お住まいの地域の気温・天候に合わせて
以上の情報を参考にしつつ、ノーマルタイヤへ履き替えて下さい
全国の警察では交通事故を減らそうと様々な施策を行なっています。
その成果もあって交通事故による死亡者数は年を追うごとに減少。
3千人を下回るまでになりました。

今回は各都道府県の取り組みの中で
千葉県警察の「ゼブラ・ストップ」について伝えました。





千葉県警察本部 交通部 交通総務課 課長補佐の高戸敦さんによると
ゼブラ・ストップは本来守られるべき横断歩道での歩行者保護意識の醸成を図るもの。
横断歩道の和製英語であるゼブラゾーンのゼブラにかけて

「ゼ」⇨「前方」…前方をよく見て運転、横断歩道に十分注意

「ブ」⇨「ブレーキ」…横断歩道の手前ではブレーキ操作で安全確認

「ラ」⇨「ライト」…横断歩道でも3ライトで交通事故防止


以上をドライバーに強く意識してもらい
横断歩道手前での確実なストップ、一時停止を徹底させるものです。





「横断歩道でも3ライト」というのはゼブラ・ストップ」以前から
千葉県警が取り組んでいる「3・ライト運動」のこと。
これは「ライト」という言葉にかけた3つの注意喚起です。


① ライト(前照灯)
  クルマのドライバーはライト点灯 / そして、ハイビームとのこまめな切り替え

② ライト・アップ(目立つ)
  自転車利用者・歩行者の反射材、LEDライト等の活用

③ ライト(右)
  国内ではクルマは左車線の通行で
  左からの急な歩行者・自転車の急な横断には気づきやすいけれど
  右からの横断に注意!






3・ライト運動を続けてきた中で横断歩道での重大事故が後を絶たない。
そこで千葉県警察がスタートしたのがゼブラ・ストップです。

この番組では何度もお伝えしていますが、
信号がない横断歩道で渡ろうとしている歩行者がいる場合
車両には一時停止する義務があります。

しかし、全国的に実際の停止率は低い。
千葉県もその例に漏れず、JAFによる令和4年の調査では全国平均39.8%のところ27.2%。
この数字を上げて、同時に交通事故も減らすことを目指したのです。





ドライバーは「本当は停まらないといけないのかもしれない」
「でも、一時停止してしまうと時間のロス」
「自分のクルマがサッと通過すれば、そのあとすぐに歩行者も渡れる」
という思うのかもしれません。しかし、これは完全な間違い。法律違反です。

道路交通法 第38条 第1項 後段には「車両はその進路の前方の横断歩道を横断し、
又は横断しようとする歩行者があるときは、
その横断歩道の直前で一時停止しなければならない」と
規定されていて、反則通告制度に基づくいわゆる青切符の場合、
違反現場で反則切符を告知された場合は
普通車ですと反則金9000円で違反点数は2点となります。





信号がない横断歩道は、その存在をうっかり見逃してしまうことも、
あってはいけないですが、起こりうるかもしれません。

信号機がない横断歩道には青色と白色で子供や大人の姿が描かれた標識の他
30m手前と50m手前には路面に白色ペイントでダイヤマークがあります。
ダイヤマークを見たらその先には横断歩道があるということ。
これを覚えておき、減速して横断歩道付近に歩行者がいないか安全確認をして下さい。

信号がない横断歩道に、渡ろうとしている歩行者がいたら、
必ずクルマは一時停止して、歩行者が渡るのを優先する。
これが徹底されれば、さらに交通事故死亡者は減っていくでしょう。







      道路標識から、その合図を見落とさないようにしましょう。
去年、山口県警察 岩国署管内の岩国市と和木町で
交通死亡事故がゼロとなりました。

交通事故死亡者なしというのは、和木町では2002年から続いていますが、
岩国市は統計が残る1960年以降で初めて。

全国を見れば、他にも去年、死亡事故ゼロだった市町村はありますが、
1つの例として1件でも死亡事故を無くしていくため
どんな取り組みをしてきたのか、しているのか? 岩国署に聞きました。





岩国市の人口は2月現在で128,404人で山口県内で5番目の多さ。
和木町は1月25日現在で5,796人。

和木町は人口が6千人に満たないとはいえ2002年から交通事故死亡者ゼロ。
これは凄いことだと思いますが、石油化学コンビナートの街として
瀬戸内工業地域の一角を占めている地域。

岩国警察署の交通官、田畑哲哉さんによると
岩国市と広島県大竹市を結ぶ国道2号が通っていて
特に朝夕の通勤帰宅ラッシュ時にはかなりの交通量があります。

過去には交通量が多いのに歩道がないなどの苦情があったそうですが
この20年間に道路環境の整備が進み
町のコミュニティバスで公共交通が確保されたこと
婦人会の活動が非常に熱心で高齢者宅へ訪問をして交通安全指導をするなど
地道なボランティア活動が実を結んだのではないかとのことでした。





一方の岩国市は過去に合併があったので、現在の岩国市の範囲で見ると
昭和44年には50人近くの方が交通事故によって命を落としました。
その後、平成に入っても2桁前後の死者数が続いていましたが
平成29年の10人を最後に1桁に推移しているそうです。

岩国市で現在のところ最後の交通死亡事故は令和3年9月21日。
実は1年を優に超えて1年5ヶ月ゼロが続いています





岩国警察署では交通事故対策のため
これまで様々な交通安全のキャンペーンや学校での交通教室、
高齢者や企業対象の交通安全講話に従来から力を入れてきたそうです。

そうした中、去年7月から山口県警は横断歩道の歩行者優先を徹底させるため
「横断歩道ハンドサイン運動」という運動をスタート。
これは「歩行者は渡ります、ドライバーはお先にどうぞ」と言った合図を明確にして
お高いの意思疎通を図るというもので、これをやってきたことで
横断歩道の歩行者優先という意識はかなり徹底されてきていると
田畑さんはおっしゃっていました。

また、岩国警察署は高齢者の運転免許の返納者数が増加傾向にあり
岩国市が行ってきたた年間最大2万4000円分のタクシー利用券を交付する
タクシー料金の助成制度が実を結んだのではないかと田畑さん。

こうした制度と他の乗り合いバスなどを組み合わせることで
高齢者は山間部に暮らす方たちの利便性も大きく向上し
運転免許を返納しやすいか環境が構築されていると思うと田畑さん。
また、管内では交通安全ボランティアの活動が非常に活発で
交通安全を意識してもらうということに繋がっていると思うと
田畑さんはおっしゃっていました。





交通戦争と言われた時代から、日本では国を挙(あ)げて、
交通安全の啓蒙活動や施策が行われてきました。
岩国警察署管内でも交通安全に長年取り組んできて、
ここへきて実を結んだということでしょう。

年が明けて1月23日には交通死亡事故ゼロの記念式典が行われ
関係者の方たちは多いに盛り上がったそうです。

田畑さんは交通事故はいつ、どこで起こるかわからない身近な危険。
クルマを運転する時、道路を歩く時、
そのことを頭の片隅において行動して下さいとおっしゃっていました。
この言葉を覚えておいて下さい。
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