2019年10月31日

宮城県大郷町ぁ崙呂なかった住民の訴え」

今朝も、台風19号で大きな被害を受けた地域のひとつ、宮城県大郷町からのレポートです。

台風19号が通過した翌日の朝。13日の午前7時すぎ。大郷町・中粕川地区のすぐそばを通る吉田川の堤防が100mにわたり決壊。川から溢れ出した水が、町を襲いました。被害は甚大で、ブロック塀も倒され、アスファルトがめくれ上がった場所や、建物がなく土台だけになったお家までありました。浸水の深さは、深いところだと4mを越えていたといいます。

実はこの吉田川、住民の方のあいだで、氾濫を懸念する声は以前からあったのだそうです。なのになぜ、被害が出てしまったのか。中粕川地区・区長の赤間正(あかま・ただし)さんに伺いました。

◆「想定外」で片付けるな
ちょっとそちらご覧になっていただきたいんですけど、重機のところにコンクリ壁がありますね。あそこが(堤防が)切れたあっちの端まで300メートルくらい。他のところより1メートルくらい(堤防が)低いんですよ。一番危ない場所じゃないかということでかさ上げするとか何かして欲しいという事はかなり強く、町を通じて要望していたんですけれども、なかなか全然、要望に応えてくれなくて、今回決壊した。だからやっぱり「あそこが切れたな」と皆さん思っているんですよ。要は普通、越流堤みたいな感じは集落のところには作らないで、万が一に越流しても、(住居を守るために)田んぼや畑や農地とかを越すような仕組みというのが越流堤なんです。ただ現実的にはそういう(住居が浸水する)状況になっていたんですよ。そこをなんとかしてほしいという要望をしていたにも関わらず全然手を打ってくれなくて今回の形になったんですね。ですからよく想定外と一言で片付けられますけれど、それは想定内という言葉にはならないと思うんです。国交省でも年に一度「この堤防のここは要注意のあれだよ」という事だけは確認していながら全然対処してこなかった形なんですよ。私もこの校舎の後ろに家があるんですけれども、震災後に建てたんですけどね、ですから想定外という話をされるとすごい憤りを感じるというか、やることをやらないで想定外と一言で片付けられることじゃ無いんではないかと言うね。


「越流堤」というのは、堤防の一部を低くして水をあえて越流させて「調整池」という場所に水を “逃がす”ことで住宅街に水がいかないようにする仕組みなのですが、管轄する国土交通省・北上川下流河川事務所によれば「これは越流堤ではありません」とのこと。また「なぜ堤防の一部が低くなっていたかは今後、調査検証していく段階だが、低い部分も“計画通りの高さ”は保っていた」との回答でした。


※左奥のブルーシートがかかっている部分が、決壊した堤防

ただ、以前から町や住民は、国交省にその危険性を訴えていました。しかし対策は取られず今回の災害が起きてしまったことに、赤間区長、ときおり声を震わせ、
悔しさをにじませていました。

明日も大郷町からのレポートです。

2019年10月30日

宮城県大郷町「自主防災組織」

今朝も、台風19号で大きな被害を受けた地域のひとつ、宮城県大郷町からのレポートです。

今回取材した大郷町・中粕川地区は、台風19号による川の氾濫・堤防の決壊で、100軒を超える家屋が全壊、大規模半壊となりました。

しかし、それだけの被害にも関わらず犠牲者は、ゼロ。これは、過去の水害を教訓にした自主防災組織が日頃の訓練の成果を発揮したことによるものです。住民の命を守った訓練とはどんなものなのか。中粕川地区・区長の赤間正さんに伺いました。

◆自主防災組織の訓練
ここの防災組織ができたのは平成18年頃。前前区長の当時に立ち上げた形なんですね。町内には22の行政区があるので、そこにそういう呼びかけをしたのかもしれないです。中身にはいろいろ差があるかもしれないですけど、うちのほうも地区独自で中粕川防災組織というものを作り上げました。それが18年ごろだったと思うんです。それ以降は毎年防災訓練を行っているんです。今回(の台風19号のとき)も、3時ごろに(安否確認で)全戸を回りましたが、そういった訓練を年1回は必ずやっていました。中粕川地区は6つの班になっていて、各班の役員がそれぞれの班内を全戸回って避難を呼びかける点検を行って、例えば1班は「10軒の方が避難しました」といった報告をするようにしているんです。班には各家庭に赤い旗と緑の旗を配備しているんです。赤い旗には「助けてください」、緑の旗は「避難しました」と書いてありまして、避難指示が出ときに「避難した」という旗を玄関とか門のところに挿して避難するという形をとって。どうしても自分が動けないので助けて欲しいという時は玄関口に赤い旗を立てるという訓練も併せて年一度やっています。今回も旗を立てて避難してくれた人もいるしみんな立てたわけではないですけれども活用してくれた方もいたんだなと思います。



※安否を知らせるこの旗は、中粕川地区で各戸に配布されています。

本当に具体的に、避難が必要なシチュエーションを想定した訓練が毎年行われていたわけです。ただ、避難した住民の方のうち数人が、台風19号が過ぎた 13日の朝、すでに晴れていたこともあり、自宅の様子を見に戻ってしまったといいます。しかし川が決壊したのは 13日の午前7時すぎ。結果、自宅へ戻った人は浸水で孤立してしまいヘリコプターなどで救助されました。これについて赤間区長は、「大きな反省点」だとしています。

台風が過ぎたあとも、川の氾濫リスクは続いている。災害リテラシの高い大郷町の方々は分かっていたはず。それに備えて綿密な避難訓練をしていました。それでも、どこかでリスクを過小評価してしまったと考えられます。この防災の難しさを象徴する出来事、教訓にしなければ。

2019年10月29日

宮城県大郷町◆峅甬遒虜匈欧魘儀韻法

今朝も、台風19号で大きな被害を受けた地域のひとつ、宮城県大郷町からのレポートです。

大郷町・中粕川地区は、台風19号で 堤防が決壊した吉田川(よしだがわ)のそばにある地区です。100軒を超える家屋が、全壊または大規模半壊という大きな被害を受けました。しかし、大郷町における人的被害はゼロ。犠牲者は一人も出ませんでした。なぜなのか。これ実は、町の人達の、日頃の備えが実を結んだものなんです。中粕川地区・区長の赤間正さんのお話です。

◆過去の水害を教訓に
吉田川は結構、雨が降れば水位が上がったりするんですけれども、このへんは浸水するような被害というのは私が知る限りは無いんですよ。60年から61年の8月5日に豪雨がありまして、ここよりも次の集落、鹿島台地区のほうの堤防が決壊して、この水が逆にこっちのほうに上がってきて田んぼあたりが満水になって、低い家が何軒か床下浸水になったというのが「8.5」の豪雨の時なんですね。あと「9.11」、近年ですけどその時は堤防が目一杯になって越流して役場や消防署、警察署も冠水してしまったという水害があったんですけれども、その時もここが決壊したわけではないので、この辺は水没とかはなかったんですね。ですからこの地域は、堤防が常にそういう川の水位が上がったりすることもあるので避難情報とかなんとかが出てきたときに皆さんで確認し合いながら、全員が避難するのが一番好ましいのでそれに向けた防災組織を作って、活動しているわけですけどね。それぐらいこの地域の人たちって川に関する防災意識が高いかもしれないですね。


赤間区長のお話でした。お話に出てきた「9.11」は2015年の関東・東北豪雨です。鬼怒川が決壊した茨城県常総市など各地で大きな被害が出た、あの災害です。そうした経験を忘れず、大郷町では地区ごとに自主防災組織が作られ、消防団などと連携して、避難の呼びかけ・安否確認の手順がしっかり準備されていたといいます。そしてなにより、住民ひとりひとりの水害に対するリテラシの高さが犠牲者ゼロにつながったと、評価されています。


※大郷町では各行政区ごとに自主防災組織が設置され、住民自ら災害時の役割分担、避難・安否確認の順序、避難時にサポートが必要な住民などが把握できるマップ作成など、自主防災が細かく行われています。

明日は、さらに具体的に、大郷町の人々が、水害にどう備えていたのか、お伝えします。

2019年10月28日

宮城県大郷町 峙樟啓團璽蹐陵由」

今朝は、台風19号で大きな被害を受けた地域のひとつ宮城県大郷町からのレポートです。


宮城県の中央部にある大郷町では、台風19号が通過した翌日あさ、町を東西に横切る吉田川が氾濫。堤防が決壊し、100軒以上の家屋が全壊、大規模半壊という、甚大な被害を受けました。特に被害の大きかった中粕川地区の区長、赤間正さんに堤防が決壊した現場でお話を伺いました。

◆犠牲者ゼロ・住民9割が避難
3時前くらいに公民館の所に自主防災の役員、あと消防団ですね、集まりまして、ここ、今回は決壊してしまいましたけど、決壊でなければせいぜい床下(浸水)か、床上でも(それほど)上がらない区域っていうかたちになってましたので、いちおう避難状況を確認して、あと消防団員は1時間ごとに観測地というか、水位を確認とかしてたんです。その後、10時か11時に「避難指示」が出た時に、もし残っていれば必ず避難するようにっていうような(呼びかけをした)。それでも“大丈夫だから2階にいる”って人もいたりしました。あと平屋の人はぜったい“残る”って言っても“それはマズい”ということで強く避難を呼び掛けしましたけど、ただ“どうしても”っていう方は4〜5世帯だったのかなと思うんです。90%以上は避難しましたね。で、翌朝の7時半か40分ごろ、決壊した時には、それ以前に越流してましたので、その越流の勢いもかなり多くなってたので、消防団員も避難しました。この辺に人が近寄れる状態でもなんでもなかったりしたもんですから。


中粕川地区は、建物が土台を残し根こそぎ流された場所もあり、川からあふれ出した水の力の凄まじさを見せつけられる様子でした。


※奥のブルーシートの辺りが決壊した堤防の箇所

ただ中粕川地区。住民およそ100世帯は、一人も被害者が出ませんでした。それどころか台風が来る前に、9割以上の住民が避難を済ませていたといいます。大郷町は、住民と自主防災組織の「備え」がしっかりしていたことによるものです。翌朝、自宅の様子を見に避難所を出てしまった数人がヘリコプターなどの救助を受けることになるなど、課題もあったと赤間区長は話しています。

そこで明日以降は、中粕川地区の人たちが災害にどう備え、そしてどんな「課題」が見えてきたのかを、さらにお伝えしていきます。

2019年10月25日

避難所「喘息やアトピー性皮膚炎」の方へアドバイス

今週は災害が起こったときの「避難所での生活や運営のアドバイス」をお届けしています。

食物アレルギーがあると支援物資や炊き出しが食べられないケースがあります。そこでチェックしてほしいのが、「アレルギーっ子ママが考えた防災ハンドブック」です。アレルギーがある人、炊き出しをする人、両方に役立ちます。

また、このハンドブックには、喘息やアトピー性皮膚炎の方へのアドバイスものっています。お話は、LFA JAPANの代表、大森真友子さんです。

◆喘息やアトピー性皮膚炎、避難所での注意点
食物アレルギーがある方は喘息やアトピー性皮膚炎を一緒に持っている方が多いので、そういった方たちの声も冊子の中には組み込んでいます。例えば、これはわたしもはっとしたのですが、被災地で給水車が来たときに配られた水でアトピーが少し悪化したという声がありました。やはり衛生面の配慮から少し塩素が強めだったところもあるみたいで。被災者の経験者によると、一日お水を置いておいて翌日に使うと塩素が弱まっていいよ、という知恵を教えてもらいました。

またアトピーの方の備蓄には爪切りを入れておいたほうがいいよ、というのほアトピー協会さんに教えてもらって、被災地では爪が長くなってしまうと、掻いたときに皮膚炎がより悪化してしまうので爪切りは必要だなと思いました。

喘息の方は、避難所などでは電気の使用が限られているので、できれば電気式でない吸入器を普段から練習しておいたほうが、いざというときに役立つということでした。そのような内容が載っています。



「アレルギーっ子ママが考えた防災ハンドブック」無料でダウンロードできるサイトはコチラから。

2019年10月24日

避難所の運営「食物アレルギーへの配慮」

今週は「避難所での生活や運営のアドバイス」をお届けしています。
自然災害が起こったときに、災害弱者となるのは、お年寄りや身体に障害がある人だけではありません。

「食物アレルギーを持つ人」も災害の際、救援物資や炊き出しを食べることができず、大変苦労するそうです。「アレルギーっ子ママが考えた防災ハンドブック」にはその対処法とアドバイスがまとめられています。
お話は、ハンドブックを制作した、LFA JAPANの代表、大森真友子さんです。

◆避難所の炊き出し「原材料表示を」
食物アレルギーの子どもを持つお母さん方にアンケートを取りましたが、ほとんどの方が、災害が起こってみんなが大変な状況の中で、込み合っている避難所で「原材料なんですか?」と並んでいる列が長ければ長いほどと聞きづらい、声を出しづらいということだでした。「自分が食べ物を我慢したら済むのかな」と考えた人が、被災地体験をした方の中には多かったようです。
たとえば炊き出しで、「塩にぎり」と書いてあっても、見た目は「塩にぎり」でも何が入っているかわからないと、わたしたち食物アレルギーを持つ子の家族からすると食べさせることができないんです。「塩しか使っていない」とわかれば食べられますが、最近は鮭ふりかけにも「卵黄」とか「脱脂粉乳」「バター」「小麦粉」が入っているものもあります。鮭のふりかけだから食べられる、というわけでもないのが現状なんです。

日ごろから原材料表示を見ながら生活していますが、災害時はより“なにか起こさないように”と注意を払っているので、おにぎりであっても手出しができない状況なんです。それを知っていただき、炊き出しなどで原材料表示をしていただけたら、食物アレルギーを持つ人たちもおにぎりを食べる選択肢が増えるのでぜひ協力してほしいなと思います。

アレルギー食品を食べるのは、命にかかわることなので、自分たちの自助はもちろんだが、食物アレルギーがある人はアレルギー食品を食べるととても困るんだとということを、アレルギーでない人に知ってもらうこともとても大事なこと。一人でも多くの人に知ってもらえればと思います。


食物アレルギーを引き起こす7つの代表的な食品は「卵、小麦、乳製品、えび、かに、そば、落花生」。口にすると命にかかわることもあり、食べられないのは「わがまま」ではありません。まわりの人の理解が必要です。
 
炊き出しを行う方にもぜひ知ってほしい内容です。
「アレルギーっ子ママが考えた防災ハンドブック」無料でダウンロードできるサイトはコチラから。

2019年10月23日

避難所の運営「乳幼児や高齢者のケア」

今週は「避難所での生活や運営のアドバイス」をお届けしています。
お話を伺ったのは、岩手県陸前高田市の佐藤一男さん。佐藤さんは、2011年の東日本大震災で被災しておよそ2カ月間、避難所で暮らしその運営にも携わりました。そのときの知恵やノウハウを生かして、現在は防災士、また避難所運営アドバイザーとして活動しています。

今日は、「乳幼児や高齢者のケア」についてのお話です。

◆乳幼児や高齢者の方をそれぞれ集めた、別の部屋をつくる
避難所は多くの人が集まる場所。乳幼児から寝たきりのお年寄りまでみんなが集まります。みんなが集まるからルールを決めようというときに、夜9時過ぎに電気を消そうとか、寝ようという話になってきますが、乳幼児がいたり高齢の方がいたりすると、介護やおむつ、ミルクで夜音を立てざるを得ない。それが周りにはストレスだし、お父さんお母さんも、周りに気を使って子どもを連れて外に飛び出すとか、そういうストレスにもつながります。そういう人たちが居づらくない避難所にしてほしいと思います。
例えば、(学校など部屋数に余裕がある避難所であれば)乳幼児や高齢者の方たちを集めた部屋をつくってほしいと思います。そうすることで、赤ちゃんが泣いていれば、となりの子育て中のお母さんが「はい、オムツですよね、ミルクですよね」と手助けしてあげたり、同じ立場だからこそ支え会うことができます。高齢者の方は寝たきりの方が特にそうですが、夜のおむつ交換や痰の吸引で音を立てたり、灯りを付けたりするケースがでてきます。そういう人たちも、一部屋用意していただいて、介護をしたことがある人通しが一つの空間にいられるように。被災者の中に介護士さんがいれば、サポートについていただければと思います。


ストレスという点では、ペット世帯も同じです。飼い主にとって、ペットは大切な家族の一員ですが、人によっては動物アレルギーがある方もいます。部屋数に余裕があれば、動物ごと、犬種ごとの、部屋分けを行ってください。

また佐藤さんによると、避難所で暮らす方が減ってきたら、「避難所の統合」や「部屋割りの再編成」も検討してほしい、とのこと。効率的な避難所運営を行って、学校や行政の負担を減らすことが、地域の復興のスピードアップにつながる、と話してくれました。

2019年10月22日

避難所の運営「お祭りの運営をイメージして」

今週は「避難所での生活や運営のアドバイス」をお届けしています。
お話を伺ったのは、岩手県陸前高田市の佐藤一男さん。佐藤さんは、2011年の東日本大震災で被災しておよそ2カ月間、避難所で暮らしその運営にも携わりました。そのときの知恵やノウハウを生かして、現在は防災士、また避難所運営アドバイザーとして活動しています。

避難所の運営は、行政の職員だけでなく、地域の自治会や町内会などが中心となって行います。今日はそんな「避難所運営」のアドバイスです。

◆「お祭りの運営をイメージして」
わたしたちの場合にはお祭りの運営をイメージして避難所運営しました。会長さん副会長さん、いろんなものを作ってくれる人、食事を用意してくれるまかないの係、看護師さんのOBがいましたのでその人たちを中心に医療の班、義援金 が届きますので会計の担当など、それぞれの担当を、お祭りを運営するイメージで組み立てました。皆さん、それぞれ得意分野があると思うんです。趣味やお仕事によって。例えばロープワークが得意な人、例えば大工さんのようにものをつくるのが得意な人、看護師さんや保育士さんのように勉強して育児や保育の知識を持っている人。そういう技術、知識を出し合うことで避難所というのはお互いが助けあっている、お互いが支えてもらっているという雰囲気でうまく行くと思います。


さらに、佐藤さんはこう話してます。
「避難所運営は極力、行政に任せず、地域の方たちで行ってください。そして、行政の職員を本来の仕事に戻してあげてください。」
どういうことかというと・・被災すると、職員はそれでなくても、さまざまな業務に追われます。「被災全体の確認」「県や国への予算の申請」「住宅の被災具合の判定」「罹災証明書の発行」などなど。これ、地域の復興のためには、欠かせない仕事です。避難所運営を行政の職員に頼っていると、こういった仕事が遅れていきます。「避難所の運営を被災者本人が行うことで、地域全体の復興のスピードアップにつながります。」こう佐藤さんは話してくれました。

2019年10月21日

避難所運営のポイント「平等性と公平性」

今日は「避難所での生活や運営のアドバイス」です。お話を伺ったのは、岩手県陸前高田市の佐藤一男さん。佐藤さんは、2011年の東日本大震災で被災しておよそ2カ月間、避難所で暮らしその運営にも携わりました。そのときの知恵やノウハウを生かして、現在は防災士、また避難所運営アドバイザーとして活動しています。

避難所運営のポイント、今日のキーワードは「平等性と公平性」です。

◆避難所運営のポイント「平等性と公平性」
避難所に物資が来たときに、早いもの勝ちには絶対にしないでください。早いもの勝ちにすると、家の片づけに行くと物資をもらえなくなる、そういう不公平感を作り出すと、避難所運営自体が成り立たなくなります。必ず物資はまとめておいて、夕方の決まった時間に毎日配布する、ということを心がけてください。
避難所の中はどうしても強弱が発生してしまいやすいです。声の大きな人、大人しい人。いろんなものを持ってきた人、着の身着のままなにも持たずにきた人。いろんなものを貸してください、分けてくださいという立場の人はどんどん弱くなってしまい、なにか思ったことがあっても言えなくなってしまいます。そうならないように、お互い知恵や意見を出し合える、避難所運営をしてほしいと思います。例えばわたしたちのところだと、携帯の充電器を持ってきた人と、持ってこなかった人がいました。携帯の充電器を持ってきてない人は、どうしても持ってきた人に「貸してください」と頭を下げざるを得ない。そうそうると避難所内の強弱に繋がってきてしまうので、避難所の運営事務局側で、避難者全員の充電器をお預かりして、全ての方の充電を順番でする、そのようにしてできるだけ強弱が発生しないように心掛けました。


普段の生活でも「声の大きい人、大人しい人」、「ものを貸す人、借りる人」で、多少の力関係がありますよね。でも被災して、避難所でぎりぎりの体力、ぎりぎりの精神状態で生活すると、それがより鮮明になってしまうとのこと。「平等性と公平性」。ラグビーと同じ、「ワンフォーオール、オールフォーワン」の気持ちを持てたらいいなと感じました。


2019年10月18日

『水害にあったときに』生活再建の手引き(2)

台風19号で浸水した家の片付けに追われている方も多いのではないでしょうか。
そこで今朝は、『水害にあったときに』という名前の手引きから、水害にあった方が次に何をしたらよいかをご紹介したいと思います。

この冊子、例えば・・・
・片付ける前には、被災状況を写真に撮って「記録する」こと。
・濡れてしまった家具・家電の片付け方
・掃除をするときの服装や注意事項なども書かれています

また、浸水してしまった『床下の掃除・泥の除去』についてもあります。
ぬれた家をそのまま放っておくと、カビが発生したり、破傷風などの感染症の恐れがあるので、まずは泥をかき出して⇒水洗いをし⇒十分乾燥させたあと⇒仕上げに消毒を行う。カビを防ぎ、とにかく乾燥させることが大事のようです。

被災の疲れに加えてこのような作業をすることは精神的にも体力的にも厳しく、生活再建までは時間がかかることが見込まれます。そんな中で心がけたいことは何か。「震災がつなぐ全国ネットワーク」の共同代表、松田曜子さんはこのように話します。

◆水害にあった時は 長期避難を覚悟して
元の生活に戻るまでにそれ相当の時間がかかってしまうことが多いです。特に今回のように広範な被災をした場合、例えば家を修理する業者ひとつをとっても依頼が殺到するので、3ヶ月待ち、半年待ち、あるいはもっと・・・ということも起こります。ですから落ち着いて今後これからしばらくの生活をどこでどのように送るのか、しばらく避難所生活が続くかもしれないですけれどもその後の仮設住宅とか、災害公営住宅だとか、そういった選択肢も行政の方である程度用意できるところもあるはずですので、少し先までの生活の場所、生活の仕方を落ち着いて考えてから、家の片付けや書類の手続きをされることをお勧めしたいと思います。
それから、助けの手、ボランティアが必ず入りますので、困っているときは困っている、助けが欲しいと遠慮せずに言い続けることも大事じゃないかなと思います。


被災地には、一般のボランティアの方や、支援団体、お金や家の相談にのってくれる弁護士さんも多く駆けつけてくれますので、一人で頑張らずに、ゆっくりと、無理のないペースで進めてほしいと思います。



『水害にあったときに』は、被災された方で冊子を希望の方は、以下のサイトから申し込むことができます。また、チラシ版(A4版4頁)、冊子版(A5版32頁)をダウンロードできます。詳しくは、震災がつなぐ全国ネットワークのサイトをご覧ください。

2019年10月17日

『水害にあったときに』生活再建の手引き(1)

今朝は『水害にあったときに』 という名前の、生活再建の手引きについてお伝えします。

こちら、水害にあった方が、次に何をしたらよいかをまとめたもので、これまでの災害を支援してきたNPOやボランティア団体の集まった「震災がつなぐ全国ネットワーク」が作成しました。

台風19号で水に浸かった家の片付けに追われている方も多いかと思います。そこで今朝は、家の「片付け」の注意点について共同代表、松田曜子さんに伺いました。

◆片付ける前に「被災状況を写真にとる」
まず「被害状況を写真に撮る」ということをおススメしたいと思います。一旦片付けを始めてしまったり、家の掃除を始めると被害の様子と言うのは二度とわからなくなってしまいますので、辛いかも知れませんけれども最初に被害の様子を撮影しておくと言うことが大事です。どのぐらいまで浸水があったのかがわかるようにするのが大事で、どういうところと言うのは、水の線がわかるところが良いんですけれども、できれば同時に例えば人が立つとか、そういう風に目安にしていただくのも良いんじゃないかなと思います。それから家の中でも汚れたもの、シンク、高さのわかるものと一緒に撮影することもできると思います。それはこの後、保険に入っていれば家財保険など保険金の請求の時にも役に立ちますし、罹災証明に関してはその後、このように広範な被害だと時間がかかるので、その時に「直後はこういう様子だった」と見せることで認定調査の参考にして頂ことができるということです。

◆ぬれてしまった家具や家電をかたづける
捨てるものについて。泥だらけになっていると、これもあれもいいやと捨ててしまいがちです。あるいはご家族が手伝いに来て「これ捨てていいね?」と言われて「ハイ」と言ってしまいがちです。そういうこともありますが、あとになって「あれは使えたかも」「あれは取っておけばよかった」という声もかなり被災地では聴くことがありますので、その選択もご自身が納得するようにされるのが大事だと思います。ただ、陶器とかエアコンの室外機、襖や障子でもきちんとサッシを吹いたものはまだ使える可能性がありますので早急に判断せずに乾かすという選択肢もあります。


・片付ける前に、被災状況を写真に撮って「記録する」こと。
・水をかぶった家具は、畳やじゅうたん・布団、木製(合板)の棚などは後からカビが生える可能性があり、再利用が難しい。
・一方、エアコンの室外機、ふすま、障子などしっかり乾かせば使える場合もあるので、捨てるかどうか、落ち着いて判断を。
・砂やほこりを吸い込まないように、マスクやゴーグル、ゴム手袋を身につけ、作業後はこまめにうがい、消毒を。

『水害にあったときに』は、被災された方で冊子を希望の方は、以下のサイトから申し込むことができます。また、チラシ版(A4版4頁)、冊子版(A5版32頁)をダウンロードできます。詳しくは、震災がつなぐ全国ネットワークのサイトをご覧ください。

2019年10月16日

通電の際の注意点について

先日の台風19号、全国の広い範囲で河川が氾濫し、浸水被害をもたらしました。避難する際はますブレーカーを落とすことが鉄則ですが、水が引いたあと、水に浸かっていた自宅や車に電気を通す時にも、十分な注意が必要です。今朝はそんな「通電の際の注意点」について。


まずは浸水していた家などに戻った時の注意点です。


●まず停電のあとの「通電火災」について。これは9月の台風15号の時も、再三報道されたので、ご存知の方も多いと思います。
停電中は電気機器のスイッチを切り電源プラグをコンセントから抜いておく。ブレーカーも落とす。通電時には、漏水などで電気機器などが破損していないか、配線やコードが損傷していないか、燃えやすいものが近くにないかなど、十分に安全を確認してからブレーカーを戻し、一つずつ電気を入れる。

●建物や電気機器に見た目の損傷がなくても、壁の内側の配線の損傷や、電気機器内部の故障によって、通電からしばらく経ってから火災が起こることもあるので、匂いや煙を感じたらすぐにブレーカーを落として、消防機関に連絡する。


そして次に浸水していた家などに戻った時の注意点です。


●まず家電の電源プラグを全て抜き、照明などの電源もオフ。ブレーカーを落とした状態から、水につかった家電を完全に乾かしてから、ブレーカーを戻し、電源がつくか確かめる。

→浸水、水没した家電は、回路がショートして漏電する場合があって危険。家電メーカーは、「一見乾燥しているように見えても、内部が乾燥していなかったり、泥が残っていたりすると、発火の恐れがある」と注意を呼び掛けています。完全に乾いたかどうか判断できない場合は、電器店などに相談しましょう。

●電気機器は、拭いて数日間、乾かす。壁についたコンセントは、周りの家具などを動かして通気をよくして乾かす。

●エアコンの室外機が浸水した場合、中で循環するガスが漏れる可能性がある。絶対にさわらず、エアコンも使わない。水に浸かっていたら、必ずメーカーや電気工事業者などに点検してもらう。

●いま一般家庭にも設置されているソーラーパネルも注意が必要。実験では、太陽光発電システムが水没・浸水している場合でも、
光が当たれば300V以上の電気が発生していたという。感電の恐れがあるので、水没や浸水したソーラーパネルには、近づかない触わらない。がれきの中に落ちているソーラーパネルも同様。


そして水に浸かった車を動かすときにも注意が必要です。


●日本自動車連盟(JAF)は、水に浸かった車両は、電気系統(エンジンやヘッドライト等)の漏電で、火災が発生する危険性があるので、水害車両はいきなりエンジンをかけないよう注意を呼び掛けている。

●ユーザーが多いハイブリッド車や、電気自動車の場合、水没した時、車体と高電圧回路が絶縁されて、感電事故が起きないよう、
メーカーによって対策がされているが、車内に異物が混入したり、水が入ってショートしやすくなっているケースがあるので、むやみに電源を入れると車両火災につながる恐れがあるとのこと。水没車については専門の業者にみてもらうことが重要。


いずれも水没した場所で作業をするときは、水や泥に細菌などが含まれている場合があるので、直接肌に触れないよう、手袋やマスクをつけて、長袖で作業する。また、家電や家具ののちの補償のためにも、写真を撮っておくことも重要です。浸水した深さが分かるよう、家財と、近くの壁の泥の跡なども写しておくのが、ポイントです。

2019年10月15日

天気が回復しても深層崩壊に注意が必要

先日の台風19号は、全国各地に甚大な被害をもたらしました。激しい雨が降ったあと、たとえば天気が回復しても、とくに近くに山がある地域の方は、数日間は「深層崩壊」に注意が必要です。

河川や治水に詳しい、「リバーフロント研究所」の、土屋信行さんにお話を伺いました。


■「深層崩壊」について
「いま山の方ではたくさんの木が生えていて、緑の山に見えるので、この緑の山はなんとなく安全なように見えるんですけれども、山のふもと、山の中に入ってみると、じつは緑に覆われた木の下の方は、ほとんどが下草も生えない、いわゆる石ころや土のまんまになっています。こういうところに台風でたくさんの水がしみこむと、薄い地表面、いわゆる腐葉土っていいますけど、土の部分にたっぷり水が入ってしまって、さらにその下の岩の層にも水が入ってしまって、大きな雨が降り続くと。今度下のほうのですね「山体崩壊」とか「山崩れ」って言いますけど、地表面の土砂崩れでは無くて、山全体が崩れていく、「深層崩壊」ということが起こる可能性があります。いったん台風が通り過ぎたあとの雨は十分に気をつけて頂きたいと思います。」



大雨で水を蓄えたことによって地盤が緩み、その後[たとえ小雨でも]山崩れなどが起きてしまうのが、この「深層崩壊」。

崖の表面から2メートルあたりまでが崩れてしまうのが「表層崩壊」。「深層崩壊」は、それよりも大きな被害が出ること場合があります。深層崩壊は、地震の際に起きたりすることもありますが、集中的な雨が降った数日後に起きることが多いとされていています。とくに山間部や背後に山を抱える住宅地の方は、警戒が必要です。じっさいに平成21年の台風8号や、平成23年の台風12号の時には、この「深層崩壊」が起こって、多くの被害が出ました。

前兆としては、崖が割れたり、小石が落ちてきたり、木が傾いていたり。水が噴き出している場合もありますが、前兆がほとんどわからない場合も多いといいます。雨の量が400ミリ超えた場合は危険と言われています。先日の台風19号では、多くの地点で400ミリを超えました。

天気が回復すれば、なるべく早く家の片付けをしに行きたくなると思いますが、住んでいる地域にこの「深層崩壊」のリスクがある場合は、自治体の避難情報が解除されるまでは家には戻らないなど、十分な注意をするよう心がけてください。

2019年10月14日

水害にあったその時にとるべき行動

台風19号では、多くの方が迫りくる水の被害に、怖い思いをしたと思います。そこで今日は、「水害にあったその時に、わたしたちがとるべき行動」について専門家に話を聴きました。河川や治水に詳しい「リバーフロント研究所」土屋信行さんです。

まずは「水害にあったその時に、その1」・・。
◆「まずは慌てず深呼吸、命を守る行動を」
一番大事なのは、もし水に取り囲まれて、家の中で孤立してしまったような場合は、まず慌てないでほしい、と思います。まわりに水がくるとみんな驚きます。でも堤防がすぐそばではなく、堤防から少し離れたところで水が静かに上がってきたという場合は、家自体が流されるということは、まずないと思います。そういう場合には1階が水没しても慌てずに、情報伝達の手段はないか、食料はどのくらい手元にあるかなどを考えて、何時間ぐらい「籠城できるか」と考えればすむ。必ず助けはくるから安心して待っていてほしい。安心して待つという余裕があれば、多くのことが安全にできます。ひとつ深呼吸をしてから考えてほしいと思います。


そして「水害にあったその時に、その2」
◆「隠れ被災者にならないで」
避難所に行っていなかったり、籠城できると判断した方は、ぜひ地域とのつながりを保ったうえで「自分はここにいるぞ」ということを知らせてください。皆さんの存在が伝わっていないと、今後支援をしていくときに、誰がどこにどのくらいの被災で避難しているということを行政が把握することができない。そうすると支援の対象から落ちこぼれていってしまう。ぜひ「わたしは自宅で何人で避難している」ということを、必ず誰かに伝えてほしいと思います。


2つ目は、自宅避難をする場合は、市区町村に伝えましょう、という話でした。これ、自分のためだけじゃないんです。行政や周りの人が、無駄な時間や労力を使うことを減らす意味合いもあります。

また親戚の家や県外に避難するとき、また帰ってきたときも同じです。自分の所在を明らかにすることで、支援の対象から抜け落ちることがないように注意しましょう。

2019年10月11日

台風接近時の避難行動について

大型で猛烈な勢力の台風19号が近づいています。今回は、いざという時の避難行動について、防災士で、東京エフエム防災キャスターの古賀涼子さんに伝えて頂きます。

[東京エフエム防災キャスター:古賀涼子]
台風が接近する地域にお住いの方は、早めに避難することが何よりも大切です。千葉県を中心に大きな被害が出た台風15号の際も、避難指示が出たエリアで、実際に避難した住民はごくわずかでした。「自分だけは大丈夫」と思い込む心理状態「正常性バイアス」が災害時における逃げ遅れの大きな要因となっていて、過去の災害でも多くの命が失われました。避難の空振りを恐れない、早めの避難行動が大切です。

特に古い木造の家屋に住んでいる方や台風15号ですでに家屋に被害が出ている方は、雨や風が強くなる前に、遠方の家族や知り合いの家も含めて早めに避難をするよう心掛けてください。

山や川、海の近くなどに住んでいる場合は、頑丈な建物でも早めに避難。土砂崩れや洪水、浸水、高潮の恐れがあります。それぞれの自治体がHPなどで発表しているハザードマップで、自分の住んでいる場所がどれくらいの危険があるのか、必ず確認を。

台風には適さない避難所もあります。避難するべき場所はどこか、そこに行くまでに大きな川や低い土地、がけなどはないか、
道順も含めてハザードマップでチェックする。自治体からの避難勧告や避難指示を待たず、少しでも危険だと思ったら先がけて避難してください。

避難する際には、ガスの元栓を締めて、電気のブレーカーを落とし、戸締まりを確認する。特にブレーカーは重要。台風15号では、停電が解消された際、壊れた家電などから火が出る「通電火災」が実際に起きました。

一方、台風が接近して雨風が激しく、避難所に行くのが危険な状態であれば、近くの頑丈な建物か、家の中で身の安全を守ってください。その際は、崖からもっとも遠く、より高い場所にある部屋で過ごす。できるだけ窓のない部屋の方が安全です。

用水路や海岸の見回りは、絶対にしない。雨風が強い中での屋外作業も控えましょう。

車での避難にも注意。雨でワイパーが効かなくなるほか、ブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こることもあります。飛び散った瓦礫でタイヤがパンクしたり、道路が冠水しているので側溝や川、アンダーパスだと気が付かずに突っ込んでしまうこともあります。水深50センチ以上だと、車は浮いて流される。水圧でドアは開きません。

地下は外の様子が分かりにくいので、早めに避難を。水が一気に流れ込み、逃げられなくなる恐れがあります。

停電でテレビが点かない、携帯の電波も届かない時のために、ラジオを用意しておく。電池のチェックも。

さらに安否確認の方法を家族で共有しておくことも重要です。連絡が取れなくなった時に備えて、集合場所などを決めておくのはもちろん、「災害用伝言ダイヤル」や「災害用伝言板WEB171」、「Facebook災害支援ハブ」「Google パーソンファインダー」などを活用してください。



台風19号の進路にあたる方、どうぞ十分に注意をして、早めの避難行動を心がけてください。

2019年10月10日

台風接近時の備えについて

大型で猛烈な勢力の台風19号が近づいています。今回は、いざという時の備えについて、防災士で、東京エフエム防災キャスターの古賀涼子さんに伝えて頂きます。

[東京エフエム防災キャスター:古賀涼子]
●まず台風が接近する地域の方に心がけて欲しいことについて。
・屋外のものを室内に入れたり、固定したりする。自転車や植木鉢、ごみ箱や物干し竿は室内に入れる。室内に入れられないけれど飛ばされる可能性があるものについては、自転車用ワイヤーロックやロープなどで固定。

・窓にはカギをかけて、雨戸を閉める。雨戸が無い場合は、ガムテープよりも綺麗にはがせる養生テープをバツ印やイギリス国旗の模様に貼る。そのうえで、カーテンやブラインドをする。窓ガラスが割れた場合、飛び散るのを軽減してくれる。ガタついている網戸は、外して室内に。古い家では、窓のサッシに新聞紙をぎゅうぎゅうに詰めておくと浸水が防げる。

・大切な家財や家電は高い所や2階に移動させておく。漏電を防ぐため、コンセントは抜いておく。

・家の周りの掃除をして、水はけ良くしておくことも大切。落ち葉やごみが側溝を塞いでいる場合、雨水が道路にあふれてしまう。


●次に備蓄しておくと良いものについて。
・断水に備え、水の入ったペットボトルやポリタンクを用意する。お風呂に水を張っておく。生活用水として主に使う。

・飲み水や非常食の備蓄は3日分を目安に準備。
 <食料、飲料、生活必需品などの備蓄例>
 ★飲料水は1日あたり1人3リットル、合計9リットルが目安
 ★すぐに食べられる非常食。水を注ぐだけのアルファ米や、
  冷たいまま食べられるレトルト、缶詰、ビスケット、乾パン、
  板チョコ、野菜ジュースなど。
  (できるだけ食べ慣れているものが良い)

・そのほか、非常用トイレ、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、カセットコンロとガスボンベ、マッチやライター、倒れにくいローソク、懐中電灯、ランタン型のライト、両手が使えるヘッドライトなど。予備の乾電池も忘れずに用意しておくと良い。電気、ガス、水道が止まった時でも、3日間過ごせる想定で備える。
※これらは家の最も安全な場所に上げておくことも重要。

●台風15号では千葉県全域で大規模かつ長期間の停電が起きました。次に停電の時のための備えです。
・携帯電話はこまめに充電、予備のバッテリーや電池式充電器も用意。情報を得るために、携帯ラジオも必需品。電池も確認を。

・まだ暑さも残る中、エアコンや冷蔵庫が使えなくなった時のために保冷剤を凍らせておく。停電したら保冷剤を冷蔵庫へ移せば、ある程度の時間は冷気が保たれる。ペットボトルで水を凍らせておくのも良い。水が溶けたら飲料水として使う。

●ガソリンはこまめに給油して満タンにしておく。
・災害時はガソリン不足になる。車が使えれば、移動のほか、車の中で避難生活を送ることもできる。ラジオを聴く、スマホを充電する、暑さ寒さをしのぐ、プライバシーも守れる。車に防災グッズを備えておくことも忘れずに。



台風19号の進路にあたる方、どうぞ十分に注意をして、早めの備えを心がけてください。

2019年10月9日

復興グルメシリーズ・千葉編〜南房総・近藤牧場の絶品スイーツ「クレマカタラーナ」

「復興グルメシリーズ・千葉編」。台風15号で被災した千葉県の“美味しいもの”にスポットを当てています。

今朝は、南房総市「近藤牧場」の、絶品スイーツを紹介!実は千葉県、全国でもトップクラスの酪農が盛んな県。なかでも近藤牧場は、乳製品が農林水産大臣賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

完全な復旧への道筋はまだ見えない中ですが、牧場主・近藤周平さんはすでに牛乳・乳製品作りを再開しています。牧場でお話伺いました。


◆お客さんが戻ってきてくれるか・・・
あそこの屋根なんですけれども、牛舎ですね。骨組みというか角材ごと一緒に飛んで、40から50メートルぐらい飛んだと思いますけれども、家を壊したんです。あとはその当時屋根がなかったので、雨が降ると牛の餌が濡れちゃって餌が痛むのでやっぱりちょっと牛が体調崩しましたね。・・・牛のお産が始まりましたね(笑)頭がちょっと出てきました。口のところが。今引っ張ってやればすぐ出ちゃうと思います。(近藤牧場さんのこだわりのポイントと言うのはどんなところですか)牛の健康ですかね。健康に育てることで、より良い牛乳を絞ることですかね。例えばいま酪農って一頭からどれだけ乳を絞るかというのが儲かるコツで、普通は1頭平均40キロぐらい出るんでしょうけど、うちは15キロぐらいしか出ないんです。そのかわり長生きして健康に、運動させて、あとは穀物をあまり与えずに草をいっぱい食べさせておいしい牛乳を作るという。(今から心配なことってありますか)これから南房総にお客さんが来てくださるかなというのがすごく心配です。実際に千葉県内に家の商品を売ってくださっているところがいっぱいあるんですけれども、そういうところからまだ一件も注文が来ていないですね。多分まだお客さんが戻ってきてくれていないと思うんですよ。


そんな近藤牧場からのプレゼントは!近藤牧場の牛乳と新鮮な卵で作ったプリンのフローズンデザート「クレマカタラーナ」。

平成28年度に農林水産大臣賞を受賞した逸品です。こちらを、3名の方にプレゼントします!

ご希望の方はこのブログにあるメッセージフォームから、「近藤牧場プレゼント希望」と書いて、ご応募ください。
 
近藤牧場の乳製品は、南房総の高速・一般道両方から入れる道の駅「富楽里(ふらり)」に直売所があり、ここで購入可能となっています。他にも、近藤牧場の健康な牛からとれたスイーツのような甘みのノンホモ牛乳、モッツァレラチーズなどが、直売所で販売。ソフトクリームも美味しい。こだわり抜いた乳製品がたくさんあるので、気になる方、当選者も当選しなかった人もぜひ購入して欲しい!一方、近藤さんはレストランも展開していますが、こちらは屋根が破損して休業中。近藤さんは「ウチは被害が少ない方だから」と話していて、復旧の目処はまだ立たないといいます。

ぜひ南房総の乳製品を購入して支援を続けていきましょう。
 
ちなみに、このお話を伺っている最中、なんと偶然にもホルスタインがまさに出産しそうな瞬間でした。生まれたての子牛ちゃんの、ほら、このかわいいこと。

災害があってもたくましく命をつなぐ牛たちに感動!

2019年10月8日

復興グルメシリーズ・千葉編◆糎凝弔み子さんの新米

今週は「復興グルメシリーズ・千葉編」。台風15号で被災した千葉県の“美味しいもの”にスポットを当てています。今朝は南房総市の新米です!

千葉県は知る人ぞ知る、全国有数のお米の産地。また気候が温暖な南房総市は、お米のほか、果物や花の栽培がさかんな地域でもあります。台風15号はそんな南房総市の農作物にも大きな被害を与えましたが、そのうちのお一人、南房総市で農業を営む、原田キミ子さんに話を聞きました。


◆「“もう廃業だ”という農家さんもいる」
「お米はお陰様で8月のうちに刈り取ってしまったので大丈夫だった。畑は(農作物が強風で)ばたっと倒れてしまったので、次の日に起こしてまわった。あとみかん山がひどかった。風が強かったから、実が落ちるというより、木そのものが倒れてしまって。みかんは隔年結果で、今年は実がなる年なので、実がなっている分重いから、強風の影響をもろに受けててしまってひっちゃかめっちゃか。だから「もう廃業だ」なんていう農家さんもいるみたい。」



(左が原田きみ子さん。右はスタッフです。一人じゃ写真イヤだというもので。)

この地域の農家さん、コメは早場米が多くて、8月中に刈り取っていたところが多かったのだそうです。原田さんの田んぼも刈り取ったあとだったので、“本当によかった”と胸をなでおろしていました。

ただ、裏山にあるミカン山は大きな被害を受け、スタッフも案内して頂きましたが、台風による強風で、何本かのミカンの木は、まだ青い実を付けたまま、根元からえぐられるように倒れていました。無事だった木には実がたわわに実り、間もなく始まる収穫の日を待っています・・・(じつは少し色づいた実をその場で試食させて頂きましたが、甘酸っぱくて香りよく、美味しいみかんでした!)

キミ子さんは農家に嫁いで49年。じつは今年の春、金婚式を目前にご主人を亡くされて、そして今年から、息子さんが農業を手伝ってくれるようになりました。今年収穫した米は、息子さんと二人でつくった初めての新米でもあります。

◆「せがれが農家1年生」
「来年の3月で結婚50年になるところだったけどちょっと足りなかった・・・。そのくらいやってるから農家ベテランでもないんですけど、今度、せがれが1年生(笑)。だからせがれとふたりなので、多くは出さないんですけど、どうにかこうにか。ご飯食べていくためにやってくしかないですから。」


明るく話しながら、番組のプレゼントのために米を袋に詰めてくれる原田さん、77歳。2キロ袋におまけにもうひとすくい入れてくれましたので、2.5キロは入っているかと(笑)。

取材でお邪魔した日も、強い日差しの中で大根の種を撒いていました。そして「農家1年生」の息子さんのことを話すときの嬉しそうな声が印象的でした。

今日はそんな、千葉県南房総市の農家、原田きみ子さんが母子で作った新米を、3名の方にプレゼントします。



ご希望の方は『LOVE&HOPE』のブログにあるメッセージフォームから、「キミちゃんの新米希望」と書いて、ご応募ください。キミちゃんの新米」は女の子の顔が描かれた米袋が目印。南房総市の「土のめぐみ館」でも購入できます。

『LOVE&HOPE』「復興グルメシリーズ・千葉編」。あすは、じつは酪農王国でもあるという南房総市から、ある酪農家がつくる“絶品スイーツ”をプレゼントします。

2019年10月8日

復興グルメシリーズ・千葉編 粗擦留悗箸澆Δ虍杷倶楽部

今週は「復興グルメシリーズ・千葉編」。台風15号で被災した千葉県の“美味しいもの”にスポットを当てます。

いまも多くの家の屋根にブルーシートが張られている、南房総市の富浦地区。地域の特産品を扱う「道の駅とみうら枇杷倶楽部」も、八角屋根の天井が まるごと吹き飛ばされました。




いまも施設内のアトリウムは風雨にさらされた状態ですが、ショップやレストランは営業を再開しています。

「道の駅とみうら枇杷倶楽部」の粟田由美さんは、台風の夜をこう振り返ります。


◆「避難場所も被災した」
「いままで台風が来てもこんな大きな被害にはなることはありませんでした。今回はこんな被害になって、強風で寝ていられないほどでした。避難場所の「元気倶楽部」のガラスは全部割れて、とても怖かった。わたしは海の近くに住んでいるので、波から車を守るために、車をここに移動しましたが、逆に風で車と車がぶつかって。今回は波は高くならなくて、波よりは風。とにかく長かったです。」




強風に加えて、停電が起こり、枇杷倶楽部も一時休業を余儀なくされました。吹き飛んだ天井から入る雨を防ぐため、アトリウムにスタッフ総出でブルーシートを貼って応急処置をし、翌週16日に電気が通ってから施設は一部のスペースを使って営業を再開しましたが、屋根の修復の見通しは今も立っていないといいます。

そんな「道の駅とみうら枇杷倶楽部」から、今日“復興グルメ”として取り上げるのは、売れ筋1位の大人気の商品、富浦の特産品の一つ、フルーツの枇杷を使った「完熟びわゼリー」と、粟田さんおススメのもう一品「びわカレー」です!

◆「完熟びわゼリー」と「びわカレー」
「富浦は枇杷の産地。いろんな枇杷を使った商品がたくさん揃えてありますが、一番人気の「完熟びわゼリー」をおすすめしたいと思います。枇杷の新鮮さをそのままパックしたゼリーで美味しいです。あとは「びわカレー」。お客さんに「枇杷が入ってないよ!」と言われますけど、“枇杷のピューレ”を隠し味に入れたカレーです。中辛で、後からフルーツのまろやかさが感じられる。とても美味しいカレーです。」







完熟の枇杷のピューレをゼリーとカレーに使った、贅沢な一品、「完熟びわゼリー」と「びわカレー」。枇杷倶楽部のスタッフたちが、“何か地域の名産品を作ろう!”と意見を出し合って商品開発したもので、特産のびわの、少し傷があったり形が悪かったりして値が落ちるけど味は美味しいという“B級品”を使って作っています。

今回はそんな「道の駅とみうら枇杷倶楽部」の「完熟びわゼリー」と「びわカレー」をセットにして、3名の方にプレゼントします。ご希望の方はこの『LOVE&HOPE』のブログにあるメッセージフォームから、「富浦のびわゼリーとびわカレー希望」と書いてご応募ください。

びわカレーは「道の駅とみうら枇杷倶楽部」のレストランでも頂けます。ほかにも枇杷ジュース、枇杷ソフトクリーム、枇杷ジャム、びわ石鹸など、館内には枇杷関連のアイテムがずらっと並んでいます。

「道の駅とみうら枇杷倶楽部」

『LOVE&HOPE』「復興グルメシリーズ・千葉編」。あすは南房総市の「新米」をプレゼントします。

2019年10月4日

保田漁協直営の食堂「ばんや」新館の営業再開!

今週から金曜日は山崎樹範さんが担当する『LOVE & HOPE〜ヒューマンケア・プロジェクト』。
今朝は台風15号の影響で被災した千葉県の南部、鋸南町のレポートです。

場所は保田漁協直営の食堂「ばんや」。台風で食堂の屋根や壁が被害をうけ、また長引く停電で休業が続いていました。そんな中、被害の少なかった「新館」をいち早く復旧させ、9月28日、20日ぶりに営業を再開!しかしお客さんの数は激減しているようです。

「ばんや」の支配人 中村しんいちさんに今の状況、伺いました。

◆「新館が再開するも、風評被害でお客さんは通常の4割」
今回の台風でばんやの本館の50%の建物が被害にあって屋根が飛ばされたり、全然今も業者さんも入っていません。屋根も中も何も手を付けてないです。新館は被害が少なかったので9月28日から復旧して通常営業になっています。土日も先週オープンしたんですけど今までの40%ぐらいの集客です。やっぱり周辺の民家もブルーシートかかったままで被災地のイメージが強くて集客も元通りになってないので、できたら風評被害とかないようにお客様が普通に来てくれると町も活気づいてとても助かります。ばんやも従業員のパートさんが30人くらい出社していない状態なんです。売上や集客が見込めないとパートさんもそのまま待機をさせないといけないので、もしよかったらこちらの鋸南町・千葉県房総半島にお客様出向いてくれると大変ありがたいです。
本館は10月12日をめどに屋根が飛ばなかった方、50%くらいを営業再開に向けて今努力しています。


新館の営業は再開しましたが、客足は戻っていない、とのこと。保田漁港に水揚げされる漁は、100%ではないが徐々に再開しているそうなので、その日にあがった新鮮な魚が食べられます!ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

保田漁協の「ばんや」は、朝9:30〜営業です!

詳しくはコチラのHPで。

2019年10月3日

千葉県南房総市、富浦漁港の漁師に聞く

今週は、9月の台風15号によって被災した、千葉県南房総市からのレポートです。



良質な近海モノの魚があがる港町、富浦町の富浦漁港に所属する漁船、「嘉一丸」の船長、磨呂信男さん。磨呂さんは、強い台風に備えて、漁船を陸に上げ、いつもよりも多くのワイヤーを使って船を固定していました。ところが台風の強い風は、金属繊維のワイヤーを引き千切って、何トンもある船を海へ押し流し、転覆させました。

翌朝に磨呂さんが海へ見に行くと、港内に船底を上にして浮かんでいる船が何艘も。15〜6隻ある漁船のほとんどが、程度の差はあるが被害を受けたのだそうです。

ところどころが割れたり穴が開いたり、傷を負った船が並ぶ富浦漁港。「嘉一丸」も海水に浸かったエンジンや計器類、配線も交換という大手術を経て、来月か再来月には海に戻ることになっていますが、一方で、そもそも現在は、“港の機能”も失われているといいます。

◆パソコン壊れて清算が出来ない

「こっちは中空っぽ何もない。こっちは一応ベニヤ貼ってさ、雨が入らないようにしてっけどもさ、向こうは全部開かっちゃってるからさ。だからお客船やる船はね、今日から出たんじゃないかな。(遊漁船?)うん。漁船はまだ誰も働いてないけんね。(漁協は何か再開の見通しとかお知らせ来てますか?)それはほら、中が全滅だからさ。今こっちに移動してるんですよ。だからそれが建てば。なんとか働けんじゃないかな。ただ大工さんがいないからね。かかるんじゃないかな日にちが。清算ができないからさ、水揚げしたあれを。コンピューターが入ってるの全部駄目になっちゃったからさ。(データ全部飛んじゃった)雨が降ってパソコンが全部駄目になっちゃったからね。」



漁協の建物は屋根がすべてめくれてまるで廃墟のようでした。現在、隣の無事だった建物に機能を移している最中で、“1か月ほどで復旧できるのではないか”とも言われているそうですが、はっきりした予定はまだ分からないそうです。

現在の富浦漁港、操業を再開している漁船はゼロ。「嘉一丸」の傷んだ船体を見つめる磨呂さんに、本来であれば今の時期、どんな魚が獲れるのか、尋ねてみました。

◆「今の時期はムツとキンメ」

「だいたいムツとキンメ。神津島ってわかんないかな?ここから100マイルぐらい走ってさ、いい漁があったけどさ、台風が来てさ、9月から働いてないからさ。だから被害が他所、島の港入りづらいからね。向こうは修理してんのにさ。だから向こう働ければこっち帰ってきて水揚げしないとさ。いつも向こうに入ってもらわせてさ、3日ぐらい働いてこっち帰ってくるんだけどさ。溜めといてさ。」



通常であれば、神津島近海の漁場で、ムツやキンメダイを獲っているという磨呂さん。仮に自分の船が直っても、神津島をはじめ、島しょ部も船が転覆するなど被害を受けている今、島の港に船を留めさせてもらうのが申し訳ないから、“富浦漁港が再開しないと船を出せない”といいます。

まだ再開が見通せない、南房総市、富浦の漁業の現状。少しでも早く漁港機能が復旧し、船も直って、港に豊漁に湧く日がおとずれるのを願わずにはいられません。

2019年10月2日

千葉県南房総市、富浦漁港の漁師に聞く

今週は、9月の台風15号によって被災した、千葉県南房総市からのレポートです。

南房総市富浦町は、良質な近海モノの魚があがる港町。台風15号は、そんな富浦町、富浦漁港の漁船にも被害をもたらしています。

「どういう状況で落ちたか分かんないよ。これが全部ワイヤーここ張りとってあってさ、倒れないように。で、これ取れちゃって海落ちてさ、これが逆さまになってさ。もうだから何も使えない。全部ダメ。」

こう話すのは、富浦漁港の漁船「嘉一丸」の船長、磨呂信男さん。(写真右側の方)



磨呂さんは、強い台風に備えて、漁船を丘に上げ、いつもよりも多くのワイヤーを使って船を固定していました。ところが翌朝、港へ来てみると船が無い・・・。よく見ると、ワイヤーが千切れ、船は港の中あたりで船底を海面に出し、転覆して浮いていました。しかも「嘉一丸」だけでなく、漁港に所属する15〜6隻の漁船のほとんどが、倒れたり、海に流されるなどしていたのだそうです。

金属繊維のワイヤーを引き千切って、何トンもある船を動かしてしまう・・・どんなにすごい台風だったのかとあらためて思わされます。


(千切れたワイヤー)

◆「竜巻だったのではないか」

「船が、引き揚げていた場所から落ちてさ、向こうに行ってるとは思わないよ誰も。はじめ見に来た時、風があるから船は倒れてるなと思ったんですよ。来たら船が無いから何したんだ?って思ったら、向こうの堤防のあたりに逆さまになってたから、たまげちゃった。で、東の風あったからさ、ウチなんか東向の家だから家の座敷まで水が入った。屋根はみんな飛んじゃってさ。玄関みんなぶっ壊れちゃったから玄関から廊下伝わってぜんぶ水がきちゃってさ。俺70になるけどよ、初めて。だからこの山も竜巻みたいになってんでねえか。その山の向こう側は全部枯れちゃってる。こっちは何でもないけんね。」



自宅も船も大きな被害を受けた磨呂さん。取材をした日は、海から引き揚げた船のチェックや片づけをしていましたが、傷んだ船を直して漁に出るには、まだまだ時間がかかると言います。

◆「船大工がいない」

「船大工がいないんですよここはみんな。だから大原の大工に頼んで、大原から直し来る。1週間くらいで来るって言うからさ。(だいたい何か月ぐらいかかかりそうですか?)大工さんの状況しだい。船ができてから今度エンジンをつけてさ、エンジンをつけてから今度は計器類、配線をぜんぶしてかなきゃいけない。配線は全部取っちゃったからさ。これみんな取って外してさ、新台と同じになるからさ、まだ幾分かかるよ。」




磨呂さんの「嘉一丸」は何とか大工さんの手配がついて、今週にも修復作業が始まるということ。穴が開いたりひびが入ったり、傷んだ船体を直して、さらに海水に浸かって使い物にならなくなったエンジンや計器類、配線も取り替えるという、新造に近い大手術を施します。

一方、漁港にはまだ見通しの立たない船も多く、漁師を廃業する人もすでに出はじめているのだそうです。さらに漁協も大きな被害が出ていて、富浦漁港の漁業は先行きがまったく見通せない状況にあります。

『LOVE&HOPE』、明日も富浦漁港の漁船「嘉一丸」の船長、磨呂信男さんのお話しをお届けします。

2019年10月1日

富浦漁協直営「おさかな倶楽部」(2)

今週は台風15号によって被災した千葉県南房総市。海沿いの町、南房総市は「漁業の町」でもあります。富浦漁協直営の食堂、「おさかな倶楽部」も台風による強風でお店の窓ガラスが割れて、店内に散乱。多くの漁船も破損して漁が再開できないため、長く休業が続いていました。

お店が再開したのは、台風から20日が経った9月28日。「おさかな倶楽部」の店長、盪獲拡子さんは台風の夜をこう振り返ります。

◆「風速72」の数字が・・・
台風の風速も携帯のアプリでマックスで「風速72」と表示されたんです。ニュースでは最高風速40とか50などと伝えられていましたが、そんなものではなかった。竜巻のような風が吹いたんじゃないかとも言われていて、木もただ倒れたのではなく、強風にねじれて倒れたという倒れ方でした。夜中だったので、ガラスの割れたお家は、近所の屋根瓦が家を突き破って家の中に入ってくるような状況で。わたしも真っ暗で状況がわかりませんでしたが、窓ガラスが割れたということはわかって、あとすごい風圧だったので、これ以上割れたガラスが入ってきては恐ろしいので、急いで板を探してきて抑えていましたが、2〜3人で抑えていてもそれが風圧で押し返されてしまうくらいの強さでした。
台風が通り過ぎた後は、愕然としてしてしまいましたが、そこからは近所の方やいろいろな方が助けてくれて、やっと開店にこぎつけて。今日は開店と同時にスタッフも感激して泣いてしまうスタッフもいました。泣きながら仕事したりして。お客様からも建物を修理をしているときにお店は再開していないけど駆けつけてくれて、一緒に修理を手伝ってくれたり、差し入れを持ってきたり、お見舞いにお越しいただいたり。この20日間の間、被害にあって「がっかり」だけでなく、心温まることがたくさんあったなと。感謝の日々だったなと思います。


「風速70メートル」、聞いたことがない数値。今回の台風の威力を思い知らされます。
「おさかな倶楽部」は新鮮な海の幸を使ったボリューム満点の定食が自慢。普段は11時のオープンに向けて、朝8時ごろから並ぶ人がいるほどの人気店。一番人気は、お刺身、フライ、煮魚が全部入っている「まんぷく定食」とのこと。

「おさかな倶楽部」のHP

LOVE&HOPE、明日は富浦の漁師さんに話を聞きます。

パーソナリティ 鈴村健一

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