2016年3月14日

3月14日 女川さいがいFM阿部真奈さんレポート

東日本大震災からちょうど5年を迎えた、3月11日、金曜日。TOKYO FMでは特別番組「LOVE&HOPEスペシャル5年目の春だより」をお届けしました。

その中で、宮城県女川町から町の様子をレポートしてくれたのが、おながわ災害FMのパーソナリティ、阿部真奈さんです。女川のいまとこれからを、町の方へのインタビューも交えながら伝えてくれました。今日はそのレポートの模様をお届けします。

♪おながわ災害FMステーションジングル
おながわ災害FMでは、東日本大震災の後、町民にさまざまな情報を届けて、人と人、町と町をつないできました。
「おながわ災害FM」のパーソナリティ、阿部真奈さんが被災したのは高校1年生のとき。震災の津波で大切な家族を失いました。「自分になにかできることはないか」そんな気持ちから、おながわ災害FMの初代メンバーとして活動し、現在は神奈川県内の大学で「まちづくり」を学んでいます。

阿部)こんにちは阿部真奈です。いま私が立っているのは女川町立病院の前。この周辺は高さ16メートルの津波が襲った地域です。震災当時車で女川町立病院に避難した方も多くいて、ここまで津波が来たので車でなくなった方もたくさんいらっしゃいました。
また女川町は復興のトップランナーのようにいわれていますが、ふと目を山側に向けると、いまもかさ上げの工事が続いています。災害公営住宅に入居できるのも2年後と言われていて複雑な想いを抱えながらの5年になっています。
おながわ災害FMとして町の方に取材をした。その声を聞いてください。

「(83歳 仮設住宅に住むおじいさん)
生活の中で復興したと感じる?「ないな。ここら辺だと店がない。買い物行くんだって駅前だっちゃ?自転車で行くんだって上りは上がれない。ちょこちょこ来る移動販売で買えるので、ほとんど出かけないよ。」

阿部)女川町の仮設に入居している人の声。立派な駅やおしゃれな商店街もできて喜ぶ声もありますが、町民にとって復興が進んでいるかと言うと、そうではない。「身の丈に合った復興じゃない」「女川の素朴な駅前の風景が懐かしい」という声も聴かれました。復興復興と言われるが、復興に対する想いはそれぞれ、温度差があると感じます。

おながわ災害FMもこの3月で終了します。終了というと「女川町はもう大丈夫なんだね」と言われることも。決してそうじゃない。復興したから終わるのではなく、むしろこれから。これからは「被災地女川」ではなく「女川町」として勝負していかなければいけないと感じています。


真奈さんは現在大学3年生で就活の真っ最中。将来はメディアの仕事に携わり、震災の経験や防災について伝える仕事がしたいと夢について語ってくれました。

おながわ災害FMは3月27日で放送を修了しますが、4月以降もコンテンツの制作やインターネットを利用した情報発信を続けていくということです。

パーソナリティ 鈴村健一

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