2017年12月24日

12月22日 気仙沼「すがとよ酒店」新店舗開業1周年!

今朝は、先日12月17日に新店舗開業1周年を迎えた宮城県気仙沼市の酒屋さん、「すがとよ酒店」を営む菅原文子さんのお話しです。

これまで何度となくご紹介している「すがとよ酒店」は、2019年に創業100周年を迎える老舗の酒屋さんです。お店を営む菅原文子さんは、東日本大震災による津波で自宅兼お店が流され、両親、そして三代目店主だったご主人を亡くしています。それでも、地元の皆さんの“早く再開してほしい”という声に押されて、震災の1か月半後に息子さんたちと一緒にプレハブでお店を再開。

当時、行方不明のままだったご主人に宛てた手紙は「恋文大賞」を受賞。その後、ご主人の亡骸も見つかり、再会を果たすことが出来ました。

そして去年12月、地元の鹿折で5年9か月ぶりにお店を再建。1周年を迎えた先日17日にお店を訪ねて、お話しを伺いました。

◆一気に賑わいは無理。諦めずにコツコツと
オープンして1年なんですけど本当にあっという間でした。仮設で商いをしてて、“いつかきっと地元に戻るんだ”ということをいちばんの目標にして息子たちと頑張ってきたんですけど、本当に地元に戻って、見慣れた風景の中で、ときには顔なじみのお客様をお迎えしたり、また“素敵なお店が建ったんで寄ってみました”というフリーのお客様をお迎えして、本当に嬉しく毎日商いをしてきたんですけど、でもなかなか被災地で365日商いをしていくというのは本当に大変で、近く公営住宅も8棟建ちまして、現在240世帯の方がお暮しなんですけど、残念ながら本当に人気(ひとけ)が無くて、皆さんほとんど出てこない。公営住宅は気仙沼市内に何カ所もあるんですけれども、ほとんど皆さん同じ意見です。こんな大きな建物建って、たくさんの人が住んでるから、“さぞかし”ってみんな思ってたんですけどどこも同じ、まったく人気が無いですね。なかなか鉄の扉を開けて下の方に下がってきて散歩するとかそういう姿は無いです。高層の建物に慣れないから、ということと、隣近所との交流がまだ出来て無いので、隣に誰がいるのか分からない。あとは年齢的に高齢者の方が多いので、なかなか行動を起こすことが出来ない。それでもなんとか賑わいを取り戻したいということで頑張ってきたんですけど、地域コミュニティを築くのは本当に難しいことだなと痛感しております。でも我が家の商いはいい時ばかりないけれどもそれでも“すがとよさん帰ってきてよかった〜”って言ってくださるお客さんも来てくれるので、とにかくまずコツコツと積み上げていかなければならないなと思って・・・この2〜3日でも地鎮祭が2軒くらいあったりして、間違いなく戻ってきてくれる人はいるんだけれども、そんなに一気に賑わいは無理だと思うので、諦めずにみんなでこの町を、また新たな町を創ろうねってことでお互いに励まし合いながら、戻ってきた人同志がね・・・また地域の自治会とかそういうのもまだなので本当にこれから。元気がなくなる時もあるんですけど、とにかくここで頑張るんだ!ということで、希望をもって頑張りたいなと思ってます。


飲食店や、住宅も少しずつ建ってきた鹿折地区。ただ、まだ誰がどこに住んでいるのか、どこに行けばいいのかなどが定まらず、人が行き交うコミュニティーの醸成には時間がかかる、とのことです。

「すがとよ酒店」は日曜が定休日なんですが、いつ誰が訪ねてきてもいいように、年中無休。開けているそうです。

ちなみに気仙沼市、今月に、港のエリアには防潮堤を建てないことを決め、住宅を含め、市内の整備はあと3年はかかるだろうと言われています。

パーソナリティ 鈴村健一

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