2018年11月7日

北海道厚真町のハスカップ農家・山口善紀さん3

今朝は引き続き、北海道厚真町「ハスカップファーム山口農園」の代表、山口善紀さんのお話し。

町の特産品であるハスカップを約5000本育て、年間3トンを収穫する山口農園。ジャムやスイーツの加工、販売も手掛け、2012年には「六次産業化事業」の認定も取得。厚真町が“日本一のハスカップ産地”と呼ばれる原動力にもなりましたが、9月の震災では、そんな山口農園のハスカップ畑も、約500本が土砂に埋まるなど、大きな被害を受けました。



5代続く農業一家の山口家、もともとは稲作中心の農家で、ハスカップはお母さんが始めたのだそうです。


◆「昔は梅干しがわりだった」

「もともとハスカップはシベリアの方から渡り鳥が運んだって言われてて、勇払原野っていうのが日本一の群生地なんですよね。で、昭和53年にうちの母がハスカップを始める時に、3年くらいかけて1000本くらいを勇払原野から持って来て植えたっていうんですけど、僕が継いだ時には30種類くらいまで絞ってあって、さらにそこから20種類くらいまで絞って、その中で、“そのまま食べれるもの”・・・ハスカップって今こそスイーツでよく見ますけど、僕ら小さいときは梅干しがわりだったんです。塩漬けにして日の丸弁当のようにお弁当の中とかおにぎりとか、おじいちゃんが焼酎漬けにして・・・っていうような、もう飲み込めぐらい苦いか渋いか、すごい酸っぱいかなんですけど、そのまま食べられる物ってのは食味的には最高にいいってことなんで、それを2品種、品種登録したんです。それが「あつまみらい」と「ゆうしげ」です。その二つは糖度が12以上ですね。「ゆうしげ」はハスカップらしいくないぐらい酸味がないんです。で、「あつまみらい」は、美味しく食べれる程度の爽やかな酸味が丁度残ってる、で、糖度12以上っていう規格なんですけど、で、どちらも一般的な野生のモノの倍以上の粒の大きさ。やっぱり一番好きなのは品種登録したハスカップを、とくに僕は「あつまみらい」が好きなんですけど、凍ってるのをそのまま食べる、もしくはその凍ってるやつをバニラアイスの上に乗っけて砕きながら食べるとかが好きですね。」



じつは勇払原野に群生していたハスカップ、木の一本一本、味が違っていて、ほとんどの木の実が、苦くて酸っぱくてエグくて、果実というにはほど遠い実ばかりでした。なので概ね塩漬けにされ梅干しがわりになったりしていましたが、中に奇跡的に、甘くて酸味は控えめ、エグさもない、美味しい実がなる木が見つかることもあって、お母さんは挿し木する木を30本に絞り込みました。そしてそれをさらにさらに絞り込んで、善紀さんは“究極の2本”を、「あつまみらい」と「ゆうしげ」に絞り込みました。

糖度はなんとリンゴや梨レベルの「12」。じつは番組スタッフが食べたそうな顔をしていたら、山口さんは今年収穫した実を凍らせていたものを出してくれました。これがまあ何と美味しいこと。「ゆうしげ」と「あつまみらい」、どちらも、ふっくら菱形っぽいの2センチくらいの濃い紫色の実で、「ゆうしげは」、苦みやエグミがまったく無く、食感はブルーベリーに近いけど、まったく違う独特の香りと風味が口いっぱいに広がります。「あつまみらい」はそこに少しだけフルーツらしい酸味が加わります。試食の手が止まりませんでした。

畑は500本の木が土砂にやられましたが、じつは加工品の看板商品「ハスカップジャム」も、加工場が使えず製造が出来ない状態が続いていましたが、こちらも今月初めに加工を再開。

明日はそんな「ハスカップジャム」の試食もしてみたいと思います。


ハスカップファーム山口農園

パーソナリティ 鈴村健一

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