2019年5月15日

水本匡起さん?

今週は、今週は、東北学院大学、中央学院大学講師、東北福祉大学では 防災士の養成研修講座の講師をしている、理学博士の水本匡起さんのインタビューをお届けしています。



水本さんは、山や谷、平野など「地形」の成り立ち、そして活断層の動きを解明する研究者です。

僕らが暮らす土地の地形と、その成り立ち。これを知ることが、過去にその土地で起きた自然災害を知る手がかりとなる。水本さんはそう説明しているわけですが、例えば、僕らの暮らす東京を含む「関東平野」をはじめとした「平野」。この地形も、防災・減災を考える上で重要だと、水本さんはおっしゃっています。


●「平野ができる」ということ

「とくにたくさんの方が住んでいる平野について。平野と言うのは川が運んできた土砂が運んでたまってできた平らな土地だということは誰でもご存知だと思うんですけれども、ほとんどの人たちは川がゆっくりゆっくりと土砂を運んできた、川は勤勉だな、毎日毎日コツコツコツコツと土砂を運んで徐々にゆっくりできた・・・と思ってらっしゃると思うんですが、じつは違うんですよね。平野は一瞬でできる。どういう時にできるかと言うと「洪水」でできるんですよね。何回も何回も巨大な洪水が起きてそれが度重なってできたのが平野なんです。そういう洪水がいつ起こっているのか、どのくらいの巨大洪水が起こっているのかを知るためには地形がとても重要になります。平に見えている地形をよく見ると、たとえば自然堤防という周りよりちょっと高いところとか、旧河道と呼ばれる昔の川のあとはちょっとへこんでいる。川の跡ですから。そういうところがあったりします。その自然堤防と言うのは洪水で運ばれてきた土砂が溜まった地形なんですよね。だから周りよりちょっと高いわけです。こういう昔の大洪水の後を教えてくれるような平野の地形と言うのはパソコンやスマホで見れるんですよね。昔の地図とか昔の航空写真を見るとよくわかります。平野が洪水でできることがわかったが、でもいちばん大事なのは、“平野は現在進行形の地形”だということなんです。私たちが生きている時代に都合よく自然の地球の営みが止まったわけではないと。平野は現在進行形だからこそこれからの未来にも必ず巨大な必ず洪水が起こると言うことを教えてくれているのを私達は肝に銘じなければいけないわけなんですね。」



洪水によってできる「平野」のなりたち。ご存知でしたか?そしてそれが現在進行系だというのが重要。自然の営みはずっと続く。平野を作った洪水も必ずまた起きる。これは学校でもなかなか教えてもらえない地形からのメッセージでもあります。

あしたも、地形や地球の営みから考える「自然災害」のお話です。

パーソナリティ 鈴村健一

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