2019年11月20日

長野市長沼地区のいま?ボランティアの力

台風19号で大きな被害を受けた、長野県長野市、長沼地区からのレポートです。

千曲川の堤防決壊によって、広い範囲が浸水被害を受けた長沼地区。実はこのあたりは、過去にも幾度となく水害を経験していて、その教訓から、住民の方々の避難行動はとても早かったといいます。ただそれでも、「悔しさが残る」と、長沼地区 自治協議会・会長の柳見澤宏さんはそうおっしゃっています。「悔しさ」とはどういうことなのでしょうか。

◆それでも防げなかった災害
(聞き手 JFN7局ネット「Hand in Hand」MC高橋万里恵)
非常にここは水に対する恐れがずっとありましたね。地区名が長沼で「沼」がついて、私なんかはその中の「赤沼」という所(に住んでいる)ですから。赤沼の地域は特に水の災害が多いんです。千曲川だけではなく浅川というのがあるんですが、この朝川の水と千曲川の水があふれた時に、大体浸水しているんですね。新幹線が水に浸かった映像がよく出ていますが、あそこが一番やっぱり土地が低いところなんですよ。朝川の水が内流して千曲川が氾濫して、あそこに水が溜まっちゃって4メートル近い水が堆積したと(報道に)出ていますね。だからあの横には長沼の歴史と言ったら変ですけれども、「ここまで水が来ました」という表札があるんですよ。(それは前からあるんですか)あります。7メートルくらい水が上がったという標石がありますね。だからかつては、水害の時に移動する手段を家に備えていたところがいっぱいいましたよね。私も小さいときには家の軒下に船を用意していたと言うところもあって、それほどやっぱり水に対する恐れもあり、備えもあったと思うんですよね。私たちは毎年6月29日に大規模な防災訓練をやってきているんです。そういう流れの中で決壊したということも逆に非常に悔しさがある。危ない危ないと言われていたところが決壊したんですから。これはやっぱり何らかの原因があって、その原因に対してどういう対策をこれから作るかということを、きちっと示してもらうことが大事なことかなと思っていますね。




長沼地区は、台風19号が接近する前に、多くの方が早い段階で避難を済ませていたといいます。これは毎年の大規模な避難訓練の賜物といえます。ただそれでも、長沼地区では2名の方が亡くなっています。実は長沼地区の堤防は、3年前に拡張工事を終えたばかりだった。実際、堤防の決壊は「想定していなかった」と言う声もあったそうで、堤防完成後も「治水は十分ではない」という意見もあったといいます。だからこそ柳見澤さんは、悔しさをにじませています。

パーソナリティ 鈴村健一

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