「照明の仕事がしたいという生徒と話しました - 『音楽業界就職相談室』」

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2022年7月1日(金)PM 10:00まで




音を学ぶ "音学"の授業、サカナLOCKS!。
今回は、音楽にまつわる仕事をしたいと思っている生徒の相談に乗っていく授業「音楽業界就職相談室」をお届けします。将来ライブの照明をやりたいという17歳の生徒と話をしていきます。(ひきつづき、将来、音楽の仕事に就きたいと思っている生徒は [ 宿題を送る ] のページからメッセージを送ってください!)



一郎先生こんばんは!
私はサカナクションのリアルライブやオンラインライブを通して、照明さんになりたいと思うようになりました。
専門学校で照明を教わりたいと思っているのですが、どうしても将来が不安です。
一郎先生がもし昔に戻って照明さんを目指すとしたらどのようなルートをお考えですか?

さんそ
女性/17歳/熊本県


山口「あー……照明っていっても、舞台照明、LIVE照明……っていろいろありますからね。僕らのLIVEの話も含めて話してみようかな。では、生徒と話していきましょう。」


山口「もしもし、サカナクションの山口一郎です。」

さんそ「熊本県、17歳のさんそです。」

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山口「さんそは、今何年生?」

さんそ「高校3年生です。」

山口「ということは、受験とか就活とかか。証明に興味を持ったきっかけはサカナクションのLIVEなの?どのLIVE?」

さんそ「コロナ禍になって、オンラインライブをたくさんサカナクション先生が配信してくださったのを観ていたんですけど、『SAKANAQUARIUM 光 ONLINE』から興味を持つようになりました。」

山口「照明やりたいんだ?何か自分で調べたりしているの?どういうルートが考えられる?」

さんそ「はい。専門学校に入学して、現場でバイトとかしながら経験を積んでいくっていうルートだったり……」

山口「なるほど。照明のどんなところが素敵だなって思ったの?」

さんそ「ミュージシャンの方々と、ファンの人たちをつなげる役割というか……音楽は見えないけど、光だと表現がたくさんできて素敵だなと思いました。」

山口「おー。音楽に関わる仕事がしたいなって思った中で照明がいいなって思ったってことか。もともと照明に興味があったの?ライブを観てから照明に興味を持ち始めたの?」

さんそ「はい。」

山口「お、そうなんだ。」


山口「いま照明をやるにあたってどんなところが不安なの?」

さんそ「専門学校に行ったからといって必ず照明業界に進めるというわけではないのかなと思っていて。就職が不安です。」

山口「あー、そうだねー……。ちなみに、チームサカナクションの照明って、さんそが観たライブの『SAKANAQUARIUM 光 ONLINE』っていうオンラインライブだと、実は前半と後半で照明さんが違うのよ。前半は、広告とかCMとか、撮影とか、舞台とか……そういう照明をやっている人が前半やっていて、「ボイル」っていう曲で、後ろの幕が開いてステージが後ろに下がっていって、ライブセットみたいな形で後半やるじゃん。浅瀬の曲を。あの時の照明からいつものライブの照明さんなんだよね。『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』っていうオンラインライブは観た?」

さんそ「はい。」

山口「『アダプト ONLINE』の照明は、実はLIVEの照明の人は関わってないんだよね。撮影をするための照明に適した人が照明として入ってるの。ライトデザイナーとして。だから、照明って、LIVEの照明、舞台の照明、広告の照明……っていくつもあって、例えば、カメラで撮影するスチールの時の照明の人もいるし、いろんな世界があると思うんだよね。で、LIVEの照明をやりたいってなると、やっぱり僕はいち早く現場を経験するのがいいかなって思う。照明をやるのに、卓があるじゃん。卓の操作とか基本的なことを学ぶためにも学校に行って学ぶのが一番いいんじゃないかなとは思うけど……就職に関しては、自分が入りたいと思う会社にインターンで入って、そこで働かせてもらうっていうのが一番早いかなって思うね。そこからは自分の頑張りなのかなと思うけど。ただ、どういう照明をやりたいのかみたいなのは、あらかじめいろんな現場に行って見てみるのはありかもしれないね。」

さんそ「はい。」

山口「ちなみに、音楽業界には女性のスタッフが増えてきているんだよ。PAの人にも女性のスタッフが多いし、レーザーをやっている人にも……レーザーって専門職になるんだけど、サカナクションの場合レーザーの人は女性の方。映像を出すチームにも女性がいるし。結構多いんだよ。なんか、女性の方が根性あるんだって(笑)。」

さんそ「ふふふ(笑)。」

山口「そう言ってたよ、現場の人が。辞めないんだって。だからチャンスはあるだろうなって思うけどね。」

さんそ「はい。」




山口「専門学校で学ぶのはありかなと思う。さんそはどこに住んでる?」

さんそ「熊本です。」

山口「熊本か。熊本の専門学校に行くってこと?」

さんそ「いえ、福岡の学校に。」

山口「福岡か、そっか。福岡の専門学校に行って卒業してから東京のインターンで現場に行くのって結構大変かもしれないね、あんまり簡単に言えないけど。僕だったら頑張って東京の専門学校に行くかな。自分の好きなミュージシャンの照明をやっている会社とか、大きい現場をやっている照明の会社とつながりのある専門学校に行って、インターンで入らせてもらうとか。そういうつながりのあるところに行って、大きい現場を経験できるのも、早いうちがいいかなと思うけどね。最新の機材を見ることができたり、現場の雰囲気を味わうことにいち早くたどり着ける道を僕だったら選ぶかな。それは、福岡の専門学校を否定しているわけではなくてね。そこでしっかり学んで、福岡で行けるインターンに行って、そこから東京に飛ぶっていうやり方も全然あると思うし。」

さんそ「はい。」

山口「実は、熊本出身の照明の人がサカナクションの現場にいるよ。」

さんそ「え。」

山口「もともと役者をやっていて、舞台の照明を自分たちでやっていて、そこから照明の仕事に進んだっていう人がいる。熊本の人で。別の仕事をしてから照明の仕事をやった人なんじゃないかな。だから、いろんなルートがあると思うから焦らなくていいかなと思う。まずどんな照明が世の中にあって、自分がどれをやりたいのかをいろいろ研究してみるのはありだと思う。」


山口「でも、楽しみだね。」

さんそ「ふふ(笑)。」

山口「周りに照明やりたいって思ってる友達あんまりいないでしょ?」

さんそ「いないです。」

山口「専門学校に行ったら同じ志の人がいっぱいいるもんね。新しい友達ができるね。」

さんそ「はい。」

山口「頑張ってね。何か聞きたいことがあったら答えるよ。こんな機会はなかなかないから。別に照明のことじゃなくてもいいし。」

さんそ「えっと……私の人生の最終目標というか……それは、サカナクション先生とご一緒することなので……!」

山口「おー、それは照明で?」

さんそ「はい。」

山口「それはハードル高いなー(笑)。」

さんそ「(笑)」

山口「照明は狭き門だからね。数が……1人しかいないからね。」

さんそ「頑張ります。」

山口「すごく高いハードルだから頑張ってください。」

さんそ「はい。」

山口「今、(リモート画面に映っている)後ろにあるのはテーブル?」

さんそ「棚です。」

山口「おー、ピエール・エルメのマカロン買った?食べた?」

さんそ「まだひとつしか食べてないです。」

山口「美味しいでしょ?」

さんそ「はい。」

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山口「嬉しい、ありがとう。サカナクションだらけじゃん。『NF MAGAZINE』もあるし……アナログの「多分、風。」もあるじゃん!『サウンド&レコーディング・マガジン』まであるじゃん(笑)。サンレコ買ってる高校生そんなにいないと思うよ(笑)。」

さんそ「ふふふ(笑)。買いました。」

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山口「サンレコ結構勉強になるよ。あと、さっきさ、観る人と演奏する人を繋ぐのが照明だと思ったって言ってたじゃん。実は、照明だけじゃなくて、LIVEに関わっているスタッフ……いろんなセクションがあるけど。PAとか、制作とか、特効(特殊効果)とか、レーザーとか、舞台監督とか……全部の仕事が同じ意味をなしているんだよね。ミュージシャンと観客を繋いでいると思うんだよね。もちろん照明は華やかな世界だけど……クリエイティブな側面もあるし、ミュージシャンを生かすも殺すも照明だっていう人もいるし。だからすごく大事な仕事ではあるけど、実はその照明を生かすには、特効で煙を出さなきゃいけなかったり、イベント自体を開催するスタッフがいなかったら成り立たなかったりとか、舞台監督っていう人がいて初めて成り立つとか……本当に全部の仕事がミュージシャンとリスナーを繋いでいると思うから。それを知っておくといいのかなと思うし、照明の仕事で就職をしたいって……就職をしたいと思うと結構厳しいかもしれないけど、音楽の仕事に就きたいって思うと、もっと幅が広がるんじゃないかなと思う。例えば途中で躓いても、音楽に関わる仕事っていろんな道があるから。頑張ってください。僕らも頑張りますから。」

さんそ「はい。」

山口「楽しんでね。あんまり思い詰めないように。自分が楽しくないと、人を楽しませることができないからね。」

さんそ「はい。ありがとうございました。」

山口「ありがとう。じゃあね。」


今回の授業も終了の時間になりました。

山口「今ね、照明業界もすごく大きな変革期が訪れているんじゃないかと僕は思っていて。普通のLIVE照明だけじゃなくて、オンライン配信が今後軸になっていく気がしているんですね。リアルライブの照明とオンライン配信の照明って全然違うんです。LIVEだと引きで見ている世界が正義だから、舞台ですけど、オンラインって映画みたいなもので、画面に映っているものが正義だから、そこでどう見えているかだけなんですね。だから、ライティングも全然違うものになってくると思うので、きっと新しいオンラインライティングの第一世代みたいなのが生まれてくるんじゃないかと思っているので、是非、さんそには頑張ってもらいたいなと思っています。」


ひきつづき、将来、音楽の仕事に就きたいと思っている生徒は [ 宿題を送る ] のページからメッセージを送ってください。一郎先生に直接、悩みをぶつけてみましょう。

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