「デビュー16周年の山口一郎に16歳の生徒からの16の質問。」

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2023年5月26日(金)PM 10:00まで




音を学ぶ "音学" の授業、サカナLOCKS!。
今月5月9日でメジャーデビュー16周年を迎えたサカナクション先生ですが、今回はそんなサカナクションと同い年の16歳の生徒が登場。山口一郎先生に向けて "16" の質問をしていく授業を行います。


山口「僕たちサカナクションですが、先日デビュー16周年を迎えました。もう16年っすわ、早いですね。いろいろありながらもね、音楽と向き合ってきた16年だったなと。そう思いますよ。1個のことを16年も続けるって、音楽以外何があるかなと思うと、ツリーと中日ドラゴンズしかなかったなと思ってるから。釣りと中日ドラゴンズと音楽が僕を形成してるんだなっていう……そのピラミッドでこれからまた20年30年と頑張っていこうかなと思っています。」


今回、登場する生徒は、LASくん (岐阜県/16歳/男性)。
サカナクション好きな16歳の生徒です。


山口「こんばんは!サカナクションの山口一郎です。」

LAS「こんばんは。よろしくお願いします。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「LASくんは、サカナクション知ってる?」

LAS「はい。自分が小学校の時からずっと聴いていて、本当に大好きなアーティストさんのひとりです。」

山口「何の曲が好き?サカナクションだと。」

LAS「何曲もあるんですけど……「ミュージック」が一番好きです。」

山口「おー、ミュージックね。いいね。そんなLASくんから16個の質問に答えていこうと思うんですけど、16個用意してきたの?」

LAS「そうですね。頑張って用意してきました。」

山口「ははは!(笑) ありがとう。じゃあ早速質問してください。どうぞ!」


Q1『好きな漫画を教えてほしいです。』

山口「好きな漫画ね……漫画……あんまり読まないんだけど、挙げるとするならば、絶対LASくんは知らないと思うけど、『コロコロコミック』に連載されてた『あまいぞ!男吾』っていう漫画があったんだよね。知ってる人いるかな……多分あんまりないと思うんだけど。その漫画がすごい好きだったな。『あまいぞ!男吾』っていう漫画好きです。」


Q2『学生のとき、部活とか何か打ち込んでいたいたことはありましたか?』

山口「小・中が野球やってたよ。高校で硬式テニスやってた。」


Q3『野球のポジションを教えてほしいです。』

山口「小学校の頃はね、キャッチャーだったよ。で、中学はセンターだった。」


Q4 『料理はいつも自分で作ってらっしゃいますか?』

山口「自炊はよくやる。得意料理は、しゃぶしゃぶ(笑)。鍋が多いかな、1人でやるときには。最近は梅流しっていうのを作って食べてるよ。大根を出汁で煮て、梅干しを入れるっていうデトックス料理なんだけど。うまいよ。うまいし、食べた後お腹が調子良くなるよ。」


Q5 『先ほど自分が一番好きな曲として挙げさせてもらった「ミュージック」なんですけど、タイトルが一番はじめに印象的に残っていて。このタイトルの理由を教えていただけますか?』

山口「あれはね、北海道から自分たちが東京に出てきて、大衆音楽に対して挑戦しているっていう……そういうさまの歌なのよ。だから、自分たちにとって音楽って何なんだろうねっていう確認をしてる歌なんだよね。だから最後のサビとかは、自分たちが過去考えてきたこととか、AメロBメロとかを全部回収するサビになってるんだけど。結局歌い続けるんだよねっていう結論に至ってる曲なんだよね。だから自分たちにとって「ミュージック」かなって思って音楽ってタイトルをつけたのもあるし、「ミュージック」って曲が収録されてるアルバムがサカナクションの『sakanaction』っていうタイトルだったんだけど、自分のバンド名を冠につけてるアルバムの中のリード曲として、「ミュージック」っていう曲を作るっていうのは、何かひとつ意味があったかなと思ってるけどね。」




Q6『学生時代に好きだった勉強の科目は?』

山口「国語と日本史。文系だね、ゴリゴリの。」

LAS「理系の科目は?」

山口「理系はね、化学好きだったけど、途中で挫折しちゃったな。分かんなくなっちゃったな、急に(笑)。なんか諦めちゃった。数学はそもそも諦めてたから……なんでこんなルートだのどうのこうのやらなきゃいけないの、みたいなところで意味が分かんなくなっちゃって。化学も、鉄なら鉄でいいじゃんみたいなのを、アルファベットにしなきゃいけなかったりするじゃん。あれ何なん?思って。それを覚えろみたいに言われたときに、いや、絶対使わないじゃんと思って。鉄は鉄でいいし、硫黄は硫黄でいいよっていう風に思っちゃって。化学も実験がなくなってからなんか急に面白くなくなったよね。国語と日本史は個人的興味もあったし、詩を書いたりもしてたから、ずっと小学校の頃から。」

LAS「最近、本(『ことば 僕自身の訓練のためのノート』)を発売されていましたもんね。」

山口「そうそう。そういう詩も含めて興味があったよね。歴史っていうのも、実際こんなことあったんだみたいなことが分かるってのは面白いじゃん。」


Q7『エゴサみたいなことってされますか?』

山口「めちゃめちゃするよ。多分LASも自分俺と同じ立場だったらするでしょ?」

LAS「そうですね、自分もすると思います。」

山口「でしょ?みんなしてるから。一丁前に、してねーよ!とか言ってるやつとかも、絶対してんだって。俺はそう思ってる。特に何か自分の自信ある作品をリリースしたときとか、何かを発信してその反応が気になるときとかって、必ずエゴサしてると思うけどね。」


Q8『もう一度、結成してから16年間のどこかに戻ることができるとしたら戻りますか?』

山口「戻らない。絶対戻らない。」

LAS「今が1番っていうことですか?」

山口「今、もう……奇跡だもん。既に奇跡だから、ここにいれるってこともね。だからもう1回同じ奇跡が起きるとは思わないから。戻ったらぞっとすると思う(笑)。」


Q9『先週のサカナLOCKS!で、初めて東京に来たときの年収のお話をされていましたが、一番生活が苦しかったときにやった節約術は?』

山口「節約術はね、札幌時代アマチュアバンドやったときは、本当にね……電気ガス水道止まるの当たり前で。1人暮らしだったけど、北海道の真冬でガスが止まるっていうのは本当に地獄だから。家の中で寝袋に入ってた。飲食店でアルバイトしないと生きていけないっていう状況だったから。飲食店に行くと、まずまかないで1食食べるじゃん。とりあえず飲食店でアルバイトしてまかないを食べまくるっていうことかな(笑)。」


Q10『この16年間中で出会ったアーティストの中で、一番影響を受けた方は?』

山口「ミュージシャンで一番影響を受けた……いろんな人にいろいろ影響を受けたけど、何だろうな……星野源さんかな。星野さんは自分と全く違う種類の人だったから。ミュージシャンになるっていうことの考え方とか、自分とは違う人がああいう風に大きくなっていくんだなっていう……なんかそういう結論が出てたからね。そういう部分で、なるほどな……みたいな。勉強になったというか、すごいいろいろ学ばせてもらったけどね。」


Q11『この16年間で、一番自分の中でやりきった曲、アルバム、ライブは?』

山口「アルバムはもう、全部やりきってるね。へへへ(笑)。やりきってないアルバムはないかな、1枚も。全部がそのときの全てを絞り出してギリギリまでやってるから、力をどれを入れた入れてないみたいなのはないなって思うけど、ライブに関しては、やっぱ初めてのアリーナツアーはすごい思い出深かったけどね。今までフェスでしか立ったことない大きいステージで、自分たちがワンマンでライブをやるっていうときは、ここにいる人たち全てサカナクションのために足を運んでくれたんだっていうリアルみたいなものをステージの上で感じたし、終わってからもちょっと鳥肌立ってたけどね。すごいことだなって思ったよ。」


Q12『はじめの趣味の方に質問を戻させていただくんですけど、好きな作家さん……本当かの作家さんを教えていただきたいです。』

山口「好きな作家はいっぱいいるけど、そうだな……昭和文学で言ったら、石原吉郎とか、石垣りんとか好きだけどね。詩人ならね。あと、小説家なら安部公房とか好きかな。僕、村上春樹さんはあんまり読まないんだよね。村上春樹さんとか好きそうって言われるんだけど、全くと言っていいほど読んできてないんだよね。なんか洗練されすぎてて、自分とは違いすぎて。」

LAS「自分と違う……」

山口「例えば、ドイツ行きの飛行機に乗ってるシーンから始まったりするじゃん。そんなかっこいいことある?って思っちゃうんだよね。ドイツ行きの飛行機に乗ってる時点でかっこいいじゃん。洗練されちゃってるじゃん。ただ、『パン屋再襲撃』とか、そういう短編とかはすごい好きで読んでいたけど。それよりは安部工房さんとか、五木寛之さんとか……になっちゃうんだよな。山口瞳さんとかね、向田邦子さんとか。すごい好きだなと思う。」


Q13『サカナクションの他の4人のメンバーは、自分にとってどんな存在ですか?』

山口「うーん……メンバーってよく、家族ですとか言うんだけど、家族ではないんだよね。かといって、同僚でもないんだよね。何て言ったらいいのかな……古い友達なんだよね。古い友達って感じ。同じ趣味を持った古い友達って感じなんだよな。会社の同僚みたいに感じるときもあるし、家族っていうか親戚みたいに感じるときもあるけど、基本的には、古い同じ趣味を持った友達って感じなんだよな。」


Q14 『このサカナクションの16年間っていうのは、僕がちょうど16歳なんですけど、体感の16年間よりは長く感じるか短く感じるかと言ったらどちらですか?』

山口「短いよ。短くなるよLASくんも、年取ると。」

LAS「僕もそうなりますか?」

山口「そうなるよ。冬休みとか、結構始まった瞬間長いなって思うでしょ?でも気がついたらあっという間じゃん。高校3年間とか、多分あっという間だぞ。」

LAS「いやー、怖いです。」

山口「怖いだろ?でも大人になるともっとあっという間になるから。」

LAS「本当ですか?」

山口「もっとあっという間になるよ、本当に。僕らは常に忙しかったから、16年間。忙しいとやっぱ時間経つのもすごい速いし、気がついたらもう夜になってるしさ。体感では5年くらいだね。」


Q15『サカナクションを続けてきた16年間を、言葉にして他の人に説明するとしたらどんな16年間でしたか?』

山口「"旅"だね、"旅"。旅に出てた感じ。なんかいろんな場所に行って、自分たちの音楽を届けていって……僕らは北海道から東京に出てきたから、未だに旅の途中って感じだよね。」

LAS「まだ旅が終わっていない?」

山口「遊牧民みたいな感じだよ。ふふ(笑)。居住してるけど。北海道から東京に出てきて、自分たちの音楽が通用するかどうか確かめに行っていて。まだ確かめてる最中だよね。だから、16年経ったけどまだ旅の途中って感じだよね。」


Q16『これが最後の質問になるんですかね……まだ終わる気はないと言いますか……例えば、死ぬまで続けるって感じですか?』

山口「いや、辞める理由がないよね。例えば、曲作るのやめた、引退しますみたいなこともないと思うよ。多分。サカナクションを解散しますみたいのもないと思うけどね。別に活動休止しますとも言わないっていうか。ただ、ずーっとあるって感じ。だから、誰かサカナクション継いでほしいけどね。」

LAS「2代目。」

山口「2代目サカナクション現れたら引き継いでほしい。ファッションブランドとかも、デザイナー変わるけどブランド名は変わらないじゃん。それと同じように、2代目サカナクション募集したいくらいだけどね。」

LAS「おー……いいですね。」

山口「やってくれるなら誰かやってほしいなって思う。だから全然自分たちで終わらせるつもりもないし、誰か2代目サカナクションを名乗るんだったら名乗ってほしいって思うけど。っていう感じかな。」


LAS「ありがとうございます!」

SCHOOL OF LOCK!


山口「ははは(笑)。16個終わった?もう。」

LAS「本当はもっと質問させてほしかったんですけど……くだらないこととか、いろいろ。」

山口「いや、まだいいよ全然。16個以上しても。」

LAS「本当ですか?」

山口「全然いいよ!こんな機会ないじゃん。」

LAS「いや、本当そうですよね……本当に個人的な話なんですけど、」

山口「いいよ。」

LAS「もしも山口先生に好きな人というか、好きな異性みたいな人がいたら、どう距離を縮めていくといいますか……アタックしますか?」

山口「何?LAS、いるのか?今そういう子が。」

LAS「いや……まあ……そうですね(笑)。」

山口「でもなー、先生たちの世代とLASくんの世代の距離の縮め方は違うんじゃないかな。なんか、人と連絡の取り方って今3段階あるんでしょ?InstagramのDMからLINEがあって、電話番号聞くっていう、3段階があるって言ってたよ、誰かが。」

LAS「ごめんなさい、ちょっと存じ上げない……」

山口「わはは!(笑)。まず、LASはInstagramやってんの?」

LAS「インスタ作るには作ったんですけど、ほとんどやってない状況です。」

山口「その好きな子はインスタやってんの?」

LAS「やってると思います。」

山口「まず好きな人のインスタをフォローして、DMを送ることから始めるかな、俺だったら。写真いいねつけたりとか、コメントしたりとかして、相手の一番オープンな部分に自分が入っていって、何とか距離が縮まって、学校とかで会っても、『昨日の写真よかったね、あれどこなの?』みたいな感じで距離を縮めていくかな。相互フォローしてもらうところからじゃない?」

LAS「難しいですね。」

山口「難しくないよ!お前、人を好きになるっていうことなんて奇跡だぜ?」

LAS「本当ですか?」

山口「そうだよ。人を好きになるって、本当に大切なことだから。それを自分の羞恥心とか、個人的感情で無下にするなんて、神様が怒るぞ。」

LAS「あ……すみません。」

山口「好きだって伝えるなんて、別に自由なんだからさ。だって、好きって言われて嫌な顔する人1人もいないって。自分のこと好きだって思ってくれる異性が1人でもいるってすげえ嬉しいことじゃん。好きですっていうのは自由だよ。それで茶化してきたりしたら、それはその人が悪いよ。自分はまっすぐ行くべきだなと思うよ。僕はそう思うけどね。……でも責任は取らないよ(笑)。」

LAS「(笑)」

山口「振られたって別にいいんだよ。今の年齢で1回ぐらい振られたって。振られた方がいいよ。」

LAS「アタックしてきます!」

山口「おう、アタックしていけよ。何かあったらちょっと俺にDMしてこい(笑)。」

LAS「分かりました、ありがとうございます。」

山口「LASくん、ありがとう。またいつかお話しましょう。」

LAS「今日はありがとうございます。」

山口「こちらこそありがとうございました。」

LAS「さよなら。」

山口「さよなら。」

SCHOOL OF LOCK!



山口「LAS君……いい子だね。質問も的確でパキパキしてるしさ。質問内容も、最近受けたインタビューの中でも本当に面白かったよ、冗談抜きで。いろんな角度から……聞いてくる順番とかもね。すごいうまかったな。飽きさせない感じだなと思います。」

SCHOOL OF LOCK!


サカナクション先生、16周年、おめでとうございます!


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