「生徒から届いたメッセージを紹介しながら、一郎先生の近況報告をします。」

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2023年3月3日(金)PM 10:00まで




音を学ぶ "音学(おんがく)" の授業、サカナLOCKS!。
サカナクションのLIVE Blu-ray & DVD 『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』2月22日にリリースされましたが、今回はサカナLOCKS! 掲示板に書き込まれたメッセージを紹介しながら、一郎先生の近況について話していきます。


山口「先日Blu-rayが発売されたんですよ、『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』の。」

職員(カヲル先生)「おめでとうございます。」

山口「ありがとうございます。で、なんかちょっと疑問に思うのが……この間ちょっと自分のYouTubeチャンネルとかでもいろいろ話をしたんですけど、CDってもうフィジカルとしてあんまり機能していないじゃないですか。」

職員「配信がメインってことね。」

山口「そう、配信がメインになっていて。なんて言うんですか……グッズ化してきているというか。音をフィジカルとして持っておきたいっていう人が手にとるものになっていっていて。それ自体で聴くっていう機能ってあんまり使われないような状況には大分前からなっていると思うんですけど。」

職員「うん。」

山口「Blu-rayって映像コンテンツじゃないですか。今NetflixとかU-NEXTとかそれ以外にもいろんなサブスクリプションがいっぱいあって、映画とかも気軽に観れる時代がきている中で、ライブ映像コンテンツだけ未だにフィジカル頼りってちょっと変な感じしますよね。」

職員「配信されてないよね、サブスクとかでも。」

山口「そう。むしろ音楽コンテンツの方がデータ軽いし、映像コンテンツの方がデータが重いから、ある種サブスクリプションとかで観れる方が都合がいいというか……しかも、Blu-rayにプレイパスっていうのがついてきて、今は自分のスマホとかで観れる時代になっているじゃないですか。これなんかすんごい違和感あるなと思って……自分でリリースしておきながら。なんかこう……次の音楽改革って、多分映像コンテンツのフィジカルなんじゃないかなってちょっと思っていて。」

職員「あー。」

山口「例えば、新しい作品が映像コンテンツとしてどんどん出ているけど、過去の歴史的なライブ映像とかもいっぱい世の中にあるわけじゃないですか。」

職員「あー、観たいねー。」

山口「観たいっすよね?そういうのを包括できる仕組みみたいなのを音楽業界全体で作っていかないと、音楽の深さみたいなところ……映像としての深さみたいなところを掘りにくくなっていってますよね。」


職員「昔、映画とかなんでもレンタルとかあったじゃないですか。レンタルの時代から、ライブ映像ってレンタルに並んでなかったんですよ。だから、その時代から今のサブスクの時代も、ライブ映像はすごい守られているか蚊帳の外か……みたいな。」

山口「いや、守ってますよね。まだやっぱり映像フィジカルコンテンツを売りたいっていう願望がレコード業界にはあるんだなと思って。そろそろそのしがらみから脱出しないと、エンターテイメントとして非常に遅れを撮ることになる気がしません?」

職員「もっと気軽に観れたらっていうのは、当然ユーザー側からはあるだろうね。」

山口「だから、何か音源聴いて、いいなこのバンドのライブみたいな……って、ライブの映像を観にいこうってすぐ観れるっていう、そのフットワークの軽さみたいなのが音楽業界にないとちょっと遅れをとるなって感じはしますよね。」

職員「YouTubeとかで、例えば1曲切り抜いたりして貼ったりとかはしてるじゃん。そういうのはちょこっとあったりして、雰囲気見ようと思ったら見れるとかはあったりするけど。」

山口「でもそれってある種、本人たちのプラットフォームから発信しているものですもんね。」

職員「もっとこう、無関係というか、サカナクション全然知らないけど、このアダプトタワーの塔を見て何これライブなの?ってポチッと押せるくらいの環境があるといいなってことだ。」

山口「そうそう。だから、そういう意味合いで映像コンテンツっていうのが出てくる時代になると、もう少しパイの広がり方であったりとか、音楽っていうものの深さみたいなものを知ってもらえるようになるんじゃないかなって気はしているんですけど……ちょっと閉鎖的になっていっている気がするんですよ。ひとつのミュージシャンに対するコミュニティっていうものがすごい閉鎖的だから。横のつながりがなくなっているっていうか。ライブ映像とかって横のつながりがあるじゃないですか……例えば、このバンドとこのバンド仲良いんだ、ライブ観てみよう。とか、フェスでちょっと観てみようみたいなことはリアルであるわけですし。例えば、映画のサブスクリプションだったら、アクション系の映画を観たら、その続きに他のアクション映画が出てきたりするじゃないですか。で、ちょっと観てみて面白いなってシリーズを観てみたりする……みたいなことが音楽業界では起きえないっていうか……ライブコンテンツっていうことに関しては。ミュージックビデオではあるのかもしれないですけど。」


山口「ライブっていうものの映像コンテンツとしての価値みたいなのをすごく低く見ているのか、まだそのフィジカルの売り上げにしがみついているのか……何かちょっとその辺が曖昧なのが難しいなって思いますね。ミュージシャンとしては。」

職員「普通のライブの映像を映画とかああいう世界と同じように映像作品の中に横並びにしたときに、映像として負けちゃうみたいなのもあんのかな。」

山口「っていうよりかは、音楽コンテンツとしてのライブのつまらなさみたいなのがあるんじゃないですか。」

職員「それが露呈しちゃうかも……みたいな?」

山口「そう。映像コンテンツとしてのライブっていうものの進化を促進するためにも、サブスクリプションでの音楽コンテンツっていうものの開放が組織的に行われないと、多分面白い時代こないなって気はしますよね。」

職員「それこそ、『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』みたいに映像とか配信っていうことにすごく特化した、それを演出として入れている映像作品に並ぶようなものじゃないとってことだよね。」

山口「そうそう。映像作品を作っていくっていう気持ちがミュージシャン側にあまり生まれてこないっていうか。もちろん、フィジカルのライブがありきですけどね。」

職員「……結果、一郎先生、すごい『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』のプロモーショントークになってますよ(笑)。」

山口「わはははは!(爆笑) そういう意味でね、我々のこのBlu-rayは非常に素晴らしい作品なので、是非手に取ってもらいたい(笑)。」

職員「はははは(笑)」

山口「本当……だってしょうがないんだもん。フィジカルで出すしかないから。それ以外に出す方法ないんだもん。自分のプラットフォームからしかね。で、自分のプラットフォームから出すには無料で出すしかないから……そこが非常に難しいところですね。」




山口「はい、それでは授業を始めますから席に着いてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いてる人は、サカナLOCKS!のインスタアカウント(@sakanalocks_official)をフォローしなさい。授業が始まりますよ。さて今夜は、生徒から届いた書き込みを紹介していきたいと思いマッスル。」



一郎先生 NF14お疲れ様でした。私は配信で見させて頂きました。
久しぶりにたくさんの人に囲まれて音楽活動をする一郎先生を見て、
ようやく時が動き出したなぁと思いました。
聴きッドルームの生歌唱も良かったです。
いつか私もNFの現地に参戦し、クラブデビューしてみたいです。

ゆう
神奈川県/18歳/女性


「先日、約3年ぶりになります『NF』というクラブイベントをLIQUIDROOMで開催いたしました。ずっとやってきていたんだけど、コロナでちょっとお休みしていたんですね。僕のリハビリがてらちょっとやりましょうよということで、復活させました。人前に出るのはね……ラジオの公開収録とかを除いて1年も経ってないけど、本当に久々でしたね。」

「DJって結構頭使うし、自分も踊ってるんで体力的にも精神的にも非常に疲労するんですけど、無事に良い形で終えることもできましたし、お客さんも久々にああいう空間で踊っているのを見て、やっぱり音楽っていいなって思いましたし、早く復帰したいなっていうのを切実に感じました。」

「で、偶然ね、こもり校長から電話かかってきて。その日に。『NF』やっていることを知らずに電話かかってきてですね、ご飯食べませんかっていうお誘いがあったんですけど。いや、こちとら今LIQUIDROOMでDJ中だよ!みたいな(笑)。行きますって遊びにきてくれて。(今回の『NF』は、)センターステージっていって客席の真ん中にステージを置いて、普段ステージとして使っているところはお客さんをあげずに関係者席みたくしてたんですよ。で、DJやってる最中に1人だけキレッキレに踊ってるヤツいるなーって思ってたら、こもり君でした(笑)。ひとりだけすんごい……首が横に動くダンスしている人いるなーと思ったら、こもり君でしたね(笑)。ありがとうございました。是非、クラブ体験したことない人は遊びに来てもらえたらと思います。またやりますんでね。」


一郎先生こんばんは!先日、私は入試に合格しました!!
受験勉強のラストスパートのタイミングで、サカナクションのLIVE配信をしてくださったのはとても大きな力になりました!!
特に2010年の武道館LIVEと2017年の10周年LIVEの「目が明く藍色」や、
2011年の「エンドレス」がとても大好きです!!
あと、一郎先生のゲーム配信は、毎回晩ごはんのときに欠かさず見ていま
す!
とにかく、受験に取り組む上での欠かせないアイテムになっていました!!
力をくださって本当にありがとうございました!!

人間素直がいちばん!!
広島県/18歳/男性



「おめでとう!よくやった。ははは(笑)。いやいや、あのな、ゲーム配信……俺、ないしょでやってるんだよ。ここで言ったら公になっちゃうだろー。実は、個人アカウントをこっそり作って、そこでゲーム配信を本当ひっそりとばれないようにやってんのよ。まさかそんなひっそりこっそりやっていたやつが、こんな受験生の力になっていたなんてね……予想外で嬉しいですけどね(笑)。」

「なんでゲーム配信やってるんですか?とか言われるんですけど、この療養中に自分がやったことがないエンターテイメントを全部やろうって決めたんですよ。世の中にエンターテイメントがいくつもありますけど、自分がすぐできるエンターテイメントって考えたときにYouTubeっていうのが出てきて、そこでゲームっていうものをやってみることで、夜、淋しい思いをしている人とか、こういう風に受験生とか、そういった夜の時間を過ごす上で何か力になれるのであればちょっとやってみようかなと思って本当に細々と始めたんですね。」

「先生さ……サカナクションだからさ、何か新しいことを始めて、やりますよって言うとある程度の……そんなたくさんはいないよ?……ある程度のパイがついてくるわけですよ。フォロワーが最初にいたりするわけね。でもそれを使わずにこっそりとやっていってどれくらいいくかっていうのを、口コミだけでね。ファンの間の口コミだけでどれくらいいくのかっていうのを実験的にやっていたわけ。でもまあ……いいのよ、いいのよ。このちょっとずつ増えていく感じがさ。なんか初心に返るじゃん。最初1000人とかだったのよ?それが毎日ちょっとずつ増えていってさ。再生回数も1万回とか言ってないからね、未だに。それくらいの感じからちょっとずつ力を増していく……『ベスト・キッド』みたいなね(笑)。最初は弱かった空手少年がだんだん強くなっていくみたいなのを、今この歳になってこのタイミングで味わっているっていうのは、僕にとってエネルギーになってるなと思いますね。」

「だから、NFっていうのもそうだし、このゲーム配信っていうのもそうですけど、僕のリハビリだと思ってもらえたらなと。新しいインプット探しと、リハビリだと思ってもらえたらと思っています。サカナクションの活動も徐々に動き始めようとしていますんで。体調が戻ったらね。ライブやるってまだ結構難しいと思うんだよ、自分の体調的には。1日やって翌日ライブするとかは多分今の自分だと難しいと思うから、その辺が出来るようになってきたら動き始めるんでね。もうしばしリハビリにお付き合いいただけたらと思います。」


一郎先生!アダプトONLINEがついに映像化しますね。
これは僕が人生で初めてサカナクションのライブを配信で見たものなので、もう1度あのライブを見れるかと思うと今から楽しみです。
あとパッケージデザインがめちゃめちゃオシャレですね!
多分僕の部屋に置いてあるもので1番オシャレなアイテムになりそうです。

力仕事ならまかせろ
東京都/20歳/男性


「ふふふ(笑)。いいぞ、いいぞー。20歳でこれを買ってくれるというのはありがたいね。2021年11月に行った配信ライブ『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』が、2・2・2の日、2月22日にリリースされました。手に届いている人もいると思いますが。オシャレと言われたこのパッケージデザインも、ライブの総合演出も、全部が田中裕介監督というね……サカナクションのミュージックビデオとかを担当してくださっている田中裕介監督がデザインしています。」

「ライブの内容とかパッケージも、僕ほとんど……ほとんどっていうかもう、ほぼだね。何も口を出していません。自分たちのライブが他の映像ディレクターの作品になるっていう形って、すごく未来があるなって僕思っていて。なんか全部がミュージシャンのものになっていってしまうじゃないですか。新しいミュージックビデオを作っても、新しいライブをやっても、良いライブだったな、あのミュージシャンすごいなってだけになっちゃうというか。でもその裏でどんな人がどんな想いで作っているのかっていうことを知ってもらいたいっていうサカナクションの気持ちがあって、今回、全部を田中裕介監督に任せて。この作品は田中裕介監督の一部でもあるんだよっていうことを知ってもらいたいなと。このBlu-rayを手に取ることで感じてもらいたいなと思っています。」

「でも、どうなんだろうね。Blu-rayとDVDってあるじゃん、あれの違いって前サカナLOCKS!の授業でもやったことあるんだけど……容量の違いが半端ないのよ。例えばBlu-rayが2リットルのペットボトルだとしたら、DVDって300ミリリットルのコップくらいなんだよね。ただ配信だったら、限度なく入れられるんだよね。画質4Kとかでもバンバンやれちゃったり……そういう時代がくるはずなんですよ、すぐ。だからね、何が正解かっていうのが分かんないけど……今この時代に、まだBlu-rayやDVDが存在している時代に、自分が映像作品を出す上でね、それを使うというのは時代としては的確かなと思うんで。今回はBlu-rayとDVDでリリースしました。車の中で観られるから良いっていう人もいるしね。でもどうなんだろうねー……こんだけEV車が出てきて、車の中でミラーリングとかでライブ映像が観られる時代がくるだろうしね。5Gから6Gになったりした時にはもう……8Kとかを普通にストリーミングで観られるようになっちゃったりするだろうからね。フィジカルで持っとくっていう意味が……どうなんだろうね。ちょっと分かんなくなってくる時代がきますよね、もう1回。映像コンテンツでの。CDはもう議論があったけど、映像コンテンツでのそういう議論が出てくるんじゃないかなと。冒頭でも話しましたけど。自分、リリースしておいて何言ってんだって話なんですが。」

「皆さんたくさんの書き込みとメッセージありがとうございました。」


そろそろ今回の授業も終了の時間になってしまいました。

「サカナLOCKS!ももう12年目になりましたけども、講師陣の中では最年長ですね。でもなんか……自動更新なんですね、契約って(笑)。どんどん自動更新していただいて……あれ?今年も続けられるんですよね?サカナLOCKS!は……なんと、今年も無事講師として契約が更新されそうです。なので引き続き、皆さん書き込み等応援の方をお願いいたします。」

「そしてですね、この学校の職員のヘルツ先生 (サカナLOCKS!も担当しているディレクター職員)の授業が募集スタートしているみたいですよ。テーマが『サカナLOCKS!の作り方』みたいな形だそうです。あの……ラジオディレクターって仕事ってめちゃくちゃ面白いしかっこいいんすよ。こう……音声を出す手つきとかね、編集もそうだけどね……色っぽいのよ。ラジオディレクターって仕事に興味がある人はこの中にもいると思うんですけども、そういう人は是非サイトをチェックしてみてください。」

■『SCHOOL OF LOCK! Creation Academy in 東洋学園大学』特設サイト[→コチラ!]

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