先の2回は「秋の全国交通運動」がテーマでした。
その中で1つ気になったことがあります。
「酒気残り運転」という言葉。
       
クルマとお酒の関係については
以前は「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」。
「お酒を飲んだら運転してはいけない」というものでした。





しかし最近は、それは当然のこととして、
さらに「お酒が抜けたと思っても抜けていない状態」に
注意が促されるようになりました。
それが「酒気残り運転」です。





5年前にこの「酒気残り運転」という言葉をつくったのは
岡山県 倉敷市にある川崎福祉大学 
医療福祉学部 臨床心理学科の教授で
認知心理学、交通心理学の専門家 金光義弘教授です。

それまではよく「残り酒」という言葉が
お酒が残った状態を言い表すものとして使われていました。
しかし、この「残り酒」という言葉は運転に関連づけられてはいません。
そこで、お酒の残った状態を車の運転に関連づけて
金光教授は出版社と「酒気残り運転」という言葉を作りました。
そして、この「酒気残り運転」の言葉は市民権を得はじめています。





確かに少し考えればわかります。
飲んだのは前日なのに目が覚めても「二日酔い」状態があり
それは体内にはアルコールがまだ残っているということ。
二日酔いほどでなくてアルコールが残っていることもあるでしょう。
   
アルコールが残っていれば「認知」「判断」「操作」
いわゆる行動3要素を正しく出来ません。
交通事故を起こす危険性は高まります。
       

そんな「酒気残り運転」を避けるためには、
人間の体がどのくらいアルコールを分解できるのかを覚えておき
自分がその時にどのくらいアルコールを摂取したのかを把握し、
その量を分解し終わるまでの時間はクルマに乗らないことです。
       
金光教授によると人間が分解できるアルコール量は1時間平均5g。
アルコールの摂取量は飲んだお酒のアルコール度数から計算できます。
その上で摂取アルコール量 ÷ 5が、少なくても運転してはいけない時間です。



   

中にはクルマの運転があるのにお酒を飲んでしまった。
でも、仮眠をとれば大丈夫。そう考えている人もいるかもしれません。
それは大きな間違い。

寝てしまえばアルコールが早く分解されるというのは事実とは逆。
睡眠をとると体の活動が鈍るためにアルコールの体外排出は遅れます。

そして、気をつけてほしいのはこの番組を通勤途中で聴いている方、
耳が痛いかもしれませんが、早朝の運転です。

金光教授は早朝の車の事故の多くは、
前の晩に飲んだアルコールが残っていると考えています。
呼気検査をやればアルコールが結構出るだろうとのこと。

この問題は非常に由々しき問題。
早朝の車の事故はアルコール検査をやるべきだという旨を
金光教授は警察庁に訴えているそうですが
実行する都道府県、実行しない都道府県、あるそうです。

お酒が好きなドライバーのみなさん。
万が一のことがあれば好きなお酒が飲めなくなります。
「酒気残り運転」の危険性を心にメモしておいて下さい。
9月30日(日)までは「平成30年 秋の全国交通安全運動」期間。
先週に続いて警察庁 交通局 交通企画課 渡辺友佳子さんを迎えて
「平成30年 秋の全国交通安全運動 後編」
重点ポイント4つのうち残る2つを紹介しました。
               

3)全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底 

シートベルト「非着用」の事故死亡者数は「着用」の約15倍。
全ての席での着用が義務ですが、運転席と助手席では浸透した一方
後部座席での着用率は低く、特に一般道では4割弱です。





後部座席は安全だと思っている人もいますが
衝突の衝撃で車外に放り出されたり
運転席や助手席の人にぶつかる可能性もあります。

昨年、自動車交通事故で亡くなった人のうち
約4割にあたる520人がシートベルト非着用でした。
このうち後部座席で着用していなかった方が76人。
シートベルトは全ての席で着用しましょう。
       
そして、チャイルドシート。
6歳未満の使用率は、およそ7割。
チャイルドシートも不使用だと
事故に遭遇した時の被害に格段の差が出ます。
不使用の死亡者は使用者の約8倍です





子供の成長に合わせて
体のサイズに合ったチャイルドシートを買い替えて下さい。
「命」を考えれば、高い買い物ではないはずです。
        
チャイルドシートは誤装着も少なくありません。
シートベルトで固定しているチャイルドシートにぐらつきがないか
ハーネスが緩んでいないか、常に確認するようにしましょう。

助手席はエアバッグが作動すると子供に被害が及ぶ場合があるので
チャイルドシートはできるだけ後部座席に取り付けて下さい。
やむを得ず助手席に取り付ける場合はシートを一番後ろに下げて
チャイルドシートを前向きに取り付けてください。


4)飲酒運転の根絶

昨年の飲酒運転による交通事故は約3,600件。
約10年でほぼ半減しました。
しかし、近年は減少幅が小さくなってきています。

飲酒運転の死亡事故率は飲酒運転以外の8倍以上。
非常に高く、死亡事故は昨年約200件ありました。
何があっても飲酒運転をしてはいけません。







お酒が強い人でも、少しお酒を飲んだだけで
安全運転に必要な注意力・判断力が低下することがわかっています。

「気が大きくなり速度超過などの危険運転をする」、
「車間距離の判断を誤る」「危険の察知が遅れる」、
「ブレーキペダルを踏むまでの時間が長くなる」という影響です。

ドライバーの周りにいる人も注意を促しましょう。
お酒を飲まず他の人を自宅に送るハンドルキーパーを事前に決める。
または運転代行サービスを活用しましょう。

お酒は覚めたと思っても残っていることがあるもの。
飲み終えてから6時間以上あとに起こした死亡事故が
飲酒運転となった事例もあります。
        
車を運転する時は、それを考慮した飲酒時間、飲酒量を心がけてください。
お酒を飲んだ後、少し横になったくらいでは、アルコールは抜けません。
一人一人が「飲酒運転はしない させない」
という気持ちを持ち飲酒運転を根絶しましょう。


明日9月21日金曜日から30日日曜日までは
「平成30年 秋の全国交通安全運動」期間。

今週と来週は 警察庁 交通局 交通企画課 
渡辺友佳子さんに いま交通事故について 
気をつけるべきことをお話していただきます。





平成30年「秋の全国交通安全運動」のポイントは4つあり
今週は、そのうちの2点を、お聞きしました。


1) 子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止

<子ども>

昨年1年間に交通事故で死傷した15歳以下の子どもは約4万人。
減少傾向にはありますが、減っているというだけにすぎません。
今なお多くの子どもが命を落とし、怪我を負っている事実を解消したいもの。

小学生の歩行中の死傷者は登下校中が約35%。
時期を見ると春に加えて10、11月に事故が多くなっています。
まさにこれからの季節、一層の注意が必要です。




        
子どもが交通ルールやマナーを学ぶことは大切ですが
「危ない」「気を付けて」といった抽象的な言葉では 
何が危ないのか? 理解できていないこともあります。

道路を渡る時は「まず止まる」、「右と左から車が来ないかをよく見る」、
「車が来ていたら待つ」という「止まる、見る、待つ」を合言葉に
子どもと一緒に道を歩きながら、安全確認の方法を実践しましょう。

また、子どもは大人の行動をよく見ています。
大人が交通ルールのお手本になるよう心掛けて下さい。


<高齢者>

65歳以上の高齢者の交通事故死傷者の数は約9万3,000人。
こちらも減少傾向にありますが、他の年齢層と比較すると、
事故にあった場合の死亡率は6倍以上もあります。

昨年は歩行中の交通事故で65歳以上の方が約千人亡くなっています。
特徴を見ますと「横断歩道ではないところを渡る」など
高齢者自身も交通ルールを違反していた例が目立ちます。
また「夜間の道路横断中」や「自宅から半径500m以内」で
事故に遭うケースが多いです。





ドライバーの皆さんは、高齢者は歩く速度がゆっくりで
車に気付きにくい場合があることを理解し
年齢層に限らず、歩行者を見かけたらスピードを緩めたり、
一時停止をするなど、優しい運転を心掛けましょう。

反対に高齢者が運転者の時の問題もあります。
個人差はありますが、年齢を重ねるごとに運動能力は衰えます。
衝突の被害を軽減するブレーキなどを備えた
安全運転サポート車に乗り換えることも検討しましょう。





運転に不安を覚えるようであれば
お近くの免許センターや警察署に相談しましょう。
周囲は高齢者の運転環境に気を配りましょう。


2) 夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止

交通事故件数は日没前後1時間が最も多くなっています。
特に10月から12月が多く、5月から7月の約3倍です。

<ドライバー>

ドライバーはヘッドライトの早めの点灯を心がけましょう。
歩行者や自転車をいち早く発見できます。
また、自分の存在を知らせることにもなります。
対向車や前を走る車がない状況ではハイビームを活用しましょう。


<歩行者>

歩行者は反射材をつけることで安全を得られます。
ドライバーから見て、反射材を着用している歩行者は、
着用しない歩行者より2倍以上手前で発見できると言われています。


<自転車>

自転車の運転者も早めのライト点灯を心がけましょう。
また、反射材を身に着けて自分の存在をアピールしてください。

自転車の事故では「一時停止」などを怠たるなど
自転車側に法令違反が認められる場合が多く見られます。
自転車も車両であるという認識を持ち、交通ルールを守ってください。

また、頭部が致命傷となって亡くなる事故が多くなっています。
ヘルメットを着用するようにしましょう。


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