多くの人は、ふだんはあまり運転しないかもしれない“坂道”。
ドライブや行楽で出かけた先で走行することになった時、
平坦な道路と同じ気持ちで運転していませんか?
今回は自動車ジャーナリスト 高根英幸さんを伺い
「坂道の適切な運転」をお伝えしました。





交通事故全体に占める坂道での事故の割合は 5%。
ところが、死亡事故に限ると坂道は10%に跳ね上がります。

そもそも交通事故は 6 割以上が見通しの良い平坦な直線道路で起きています。
これは油断することで事故が起きてる証拠。
それに対してカーブや坂道は運転に注意するので事故の割合としては少ない。
しかし、事故が起きたとすると重大化する危険が高いのです。





坂道には「上り坂」と「下り坂」がありますが、
事故が多く起きているのは「下り坂」。
スピードが出てハンドルを切り損ねる恐れもありますし
ブレーキに問題が生じて効かなくなる恐れもあります。
「フェード現象」「ペーパーロック現象」と呼ばれる
2つのブレーキトラブルについて覚えておいて下さい。


【フェード現象】

ブレーキは摩擦力によって運動エネルギーを熱に 変えています。
従って、ブレーキを多用すると摩擦材が高温状態になって摩擦力が低下します。
このブレーキパッドが焼けてしまった状態をフェー ドと言います。
フェード現象はブレーキを冷却しなければ摩擦力は復活しません。
このようにならないようブレーキ使用回数を抑えて走行する必要があります。


【ペーパーロック現象】

ペーパーロック現象はフェード現象に似ていますが
ブレーキペダルを踏んでも効かないフェード現象に対して
ブレーキペダルを踏んでも踏みごたえがなくなるのがペーパーロック現象です。
これは油圧ブレーキのフルード(液体)が蒸発して気泡になり、ブレーキの油圧を吸収してしまい、
これによってブレーキが抜けたようになっている状態。
フルードを新しい ものに交換しないと解決しません。


これらを踏まえて下り坂の走行では、
なるべくフットブレーキを使わずにエンジンブレーキを多く使用しましょう。
AT車の場合はDレンジで通常走行していますが
それを5・4・3・2とギアを固定できるモードがあるので
それを使ってエンジンの抵抗で速度が上がらないようにすることがエンジンブレーキです。
速度が上がってからエンジンブレーキで減速するのは難しいので
速度が上昇しないように走ることが大事。
一気に速度をある程度強めにブレーキかけて落とし、
その速度をエンジンブレーキで維持するような走り方が理想です。





続いて上り坂を走行する時の注意点。
頂上付近には駐車場や人が集まる場所があることが多いもの。
そこへ近づくまでは見通しが悪いので、そのままの速度で到着すると
歩行者や交差点の車などに気付いという危険があります。

頂点に近づくと傾斜が緩くなるので
そのままアクセルを踏み続けてるとスピードが出過ぎる可能性があります。

上り坂での坂道発進には気を使うと思いますが
最近の車にはブレーキペダルから足を離してもブレーキを維持しながら
楽に坂道発進できるヒルホールド機能がついています。
しかし、これは10秒ぐらいの一定時間だけキープできるもの。
ブレーキペダルを踏み忘れていると下がってしまうこともあります。

オートマチック車の場合「クリープ」と言ってアクセルペダルを踏まなくても
前に進む力が伝わっているので坂道を上がりやすいですが
急勾配だと車が下がってしまうことがあります。
その場合はアクセルペダルを踏んでエンジンの回転を上昇させられますが
それだけでは前に飛び出す危険もあるので、ブレーキペダルも左足で軽く踏んだり
パーキングブレーキを軽く使うことも取り入れてください。

前の車がずるずると下がってきてしまうこともあるので、
上り坂での一時停止は車間距離は十分取って停止することが大事です。





最後に法規上のことをお伝えしておくと
坂の頂上付近や勾配の急な坂では、一時停止等の指定がある場合を除いて、
駐停車が禁じられています。

また、法律上の規定はありませんが、狭い坂道ですれ違いが難しい時は、
坂道発進が大変な上りのクルマが優先。
下りのクルマは道を譲るようにしましょう。

これからの冬。
凍結した坂道はさらに危険です。
安全な坂道走行を心がけてください。
11月に入り、クルマはもう冬タイヤへの交換時期。
今回は A PIT オートバックス東雲 チームマネージャー
帯川和樹さんにお話を伺い「スタッドレスタイヤ」についてお伝えしました。





いわゆる夏タイヤと比較した時
スタッドレスタイヤの特徴は大きく3つあります。


① 低温でも柔らかさを保つゴム

サマータイヤは低温になると硬くなってしまいますが
スタッドレスタイヤは低温でも柔らかさを保つことで
雪道の 凹凸路面にしっかり馴染む形で走りやすくなっています


② スタッドレスタイヤの溝はサマータイヤよりも深く刻まれていること

これにより水をより排除して凹凸のある凍結路や雪道に密着しやすくなります
例えるなら手で持った氷は濡れていると滑りやすく乾いていると手につくのと同じ
水を排除することで滑りにくくなるという性能を持っています


③ アスファルトでも走行可能

サマータイヤは雪道では滑ってしまいますが
スタッドレスは雪が降った時にしっかり走行できるとともに
雪が積もっていないアスファル トの上でも走行可能です





そして、帯川さんによるとメーカー/商品によって特徴に違いがあるということで
大きく分類するとタイプは3つ。


① 氷上性能を重視しているタイヤ

② 雪上性能を重視し ているタイヤ

③ アスファルトの路面で走行する性能を重視しているタイヤ



近年はこれまで雪があまり降らなかった地域でも積雪を記録します。
東京でも、今年の年明けすぐに5センチの積雪が予想されて
国土交通省の東京国道事務所が冬用タイヤの着用を呼び掛けました。
北海道・東北・北陸・上信越以外にお住まいの方も
地域の気象特性に合わせてスタッドレスタイヤに履き替えた方がいいかもしれません。





最近の売れ筋としては2つ紹介して下さいました。
北海道や北東北の積雪が多い地域で乗用車の装着率 No.1 はブリヂストンのBLIZZAKシリーズ。
気泡を含んだ独自の「発泡ゴム」を素材としてスポンジのような柔軟さを持つことから
より柔らかい質感で、耐久性、硬くなりにくく雪上性能と氷上性能が高いモデル。





もう1つがダンロップのWINTER MAXXシリーズ。
このタイヤは素材中に占めるゴムの割合が高いと言われていて
磨耗に強いためアスファルトの路面を走る比重が高いユーザーに人気があるモデルです。





ちなみにオートバックスでも、アスファルト重視で、
雪にも対応できるタイプをリーズナブルな価格で販売しているとのことです。





ところで、冬には毎年スタッドレスタイヤに履き替えるという方も多いと思いますが
交換サイクルは一般的に3年に1度が目安。特に雪が多い地域だと2年に1度。
また、溝の深さが50%になって“プラットフォーム”と呼ばれる印が出てしまった時や
タイヤのゴムが硬くなってしまった時は替え時の合図だと思って下さい。

最後にスタッドレスタイヤについては気をつけるべき点があります。
それは装着後すぐには本来の性能を発揮できないので慣らし運転が必要なこと。
一般に言われているのが100km以上というなかなかの距離です。
ですから雪が降り出して慌てて「交換しよう!」ということではなく
予め冬の準備ということで交換を検討してみて下さい。

選ぶ時は、お店に行き、担当の方に話を聴いた上で、
予算と相談して決めるといいでしょう。

もうすぐやってくる冬。
雪道、凍った道に気をつけて、クルマを運転して下さい!


環境への配慮や健康志向から増える自転車の利用者、愛好者。
日本の自転車保有台数は、1970年の2万8千台が、
2019年には6万8千台になったと推計されています。





一方で、自転車関連の交通事故は減少しています。
平成21年の、およそ15万6千件が、令和元年には、ほぼ半減の8万件。





ただ、ここ数年の減少率は足踏み状態。
「自転車対歩行者」「自転車相互」「自転車単独」の事故件数は、むしろ増えています。








自転車に乗る方には注意してほしいところ。
ということで、今回は愛媛県警察の自転車専門部隊「バイシクルユニット」を紹介しました。
お話を伺ったのは隊長の長野宏展です。


バイシクルユニットが誕生したのは平成 24 年、今年で 10 年目。
愛媛県では自転車利用者のルール、マナー違反に対する県民の声、
自転車が加害者となる死亡事故が発生するなど対策が喫緊の課題となっていた時期。

ちょうどその頃、しまなみ海道で世界的規模のサイクリング大会の開催が計画されました。
愛媛県ではしまなみ海道を中心とした世界的な自転車の聖地化を目指すことが提唱さ れ
台湾の自転車メーカーのGIANT 社から自転車の提供を受けることになります。
愛媛県警察はこれを自転車の交通秩序を実現する絶好の機会と捉えて
提供を受けた自転車 16 体を使用した全国の警察で初のバイシクルユニットを編成しました。





愛媛県の今治市と広島県尾道市を結ぶ
通称、瀬戸内しまなみ海道は、
瀬戸内海の島々を9つの橋で繋いだ全長およそ60kmの道路。
自転車道路があって、潮風を感じながらのサイクリングは最高。
楽しんだことがある方もいるかもしれません。





現在のバイシクルユニットの編成は、県警本部交通部に正規隊員 5 人、予備隊員 8 人、
警察署交通課の隊員 16 名が各警察署に 1 人ずつ配置されていて合計 29 人。そのうち女性隊員が2人。

主な活動内容は、1つ目が交通安全教室における指導、 通学路などの街頭指導。
2つ目はサイクリングしまなみ、愛媛マラソンといった各種イベントの警戒警備活動。
3つ目は行楽期の街頭活動、しまなみ海道の道の駅でのサイクリストへの直接指導です。

バイシクルユニットの皆さん、
日々、事故撲滅に向けて活動していますが、それでも事故はあります。
最近、起こったケースを紹介していただきました。


① 自転車が交差点を直進進入した際に横断していた歩行者と衝突
  歩行者が頭を地面に強打して重傷を負ったケース
  原因は自転車が交差点に進入する際、脇見をしていて前をよく見ていなかったこと。


② 自転車が一時停止標識のある交差点を直進する際に一時停止をせず
  しかも安全確認をせず交差点に入り、右から来た自転車と出会い頭に衝突したケース 
  一時停止しなかったこともそうですが、自転車が道路の右側通行をしていたのも事故の原因。


③ 自転車がスマートフォンの画面を見ながら運転していたところ
  自動車と正面衝突して自転車の運転者が鎖骨骨折などの重傷を負ったケース。



「最近よく見かける自転車のながら運転は絶対にしないようにお願い致します」と隊長。
また、愛媛県では条例で自転車利用者のヘルメット着用を義務付けられていて
高校生のヘルメット着用率は100%に近く。
自転車と車の事故が発生した際に自転車の高校生が頭部を強打したにも関わらず
ヘルメットをかぶっていたため命が助かったということもあったそうです。

自転車乗車中の交通事故で亡くなる方の 6 割が頭部に致命傷を負っているデータもあります。
今年4月に公布され、1年以内に施行される道路交通法の一部改正で
すべての自転車利用者にヘルメットの着用義務が課せられることになりますが、
施行前でも安全な自転車ライフのためにヘルメットを積極的にかぶってください。

そして、自転車は車両。
便利、楽しい、気持ちいいだけではく、
そのことをきちんと認識し、ルールを守って乗るようにしましょう。


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