2012年2月16日

2月16日「再開を目指す気仙沼『かもめ食堂』(2)」

宮城県気仙沼の「かもめ食堂」は、気仙沼なら誰でも知っているほど、地元で愛されてきた食堂でした。
しかし6年前に経営者が引退し、閉店。
その店舗は、昨年の津波で流されてしまいました。
その後、「かもめ食堂のラーメンをまた食べたい」という地元の方の声を受け立ちあがったのが、東京・葛西のラーメン店「ちばき屋」のご主人で、気仙沼出身の千葉憲二さんでした。

「かもめ食堂」を気仙沼で復活させる前段階として、今年2月、新横浜ラーメン博物館にお店を再開させました。
現在の店舗で従業員を育て、気仙沼の土地のかさ上げが終わる3年後をめどに、最終的には気仙沼に移転して、地元の雇用につなげたいと話しています。


◆雇用を生み出したい
 地元の人たちを育て、雇用を生むような店にしていけばいい。気仙沼のハローワークでも、弟子など興味ある人を募集しているが、失業保険を最後までもらおうとしているため動かない。今は「ちばき屋」の従業員でやっているが、本来ならば気仙沼の人たちが手を挙げてくれれば、僕はウェルカム。気仙沼の人たちのためにやろうと思っているが、気仙沼の人たちが手を挙げてくれないのでは成立しない。それだけ温度差がまだまだあるのも現実。

◆ラーメンを通じて仕事を作る。そして、その先の街づくりへ。
 興味本位でもいい。「千葉さんに習ってみようかな」という人がいれば嬉しい。
 気仙沼でラーメンをやっている人は、みんなお年を召した人たち。2代目はいない。難しいが、若い人が気仙沼ラーメンを見直そうという形で、行くたびに会ってみんなに話すつもり。

 気仙沼一のラーメンにしようと思っている。ほかの既存ラーメン店が、「うちは売れなくなる」という風に思ったら、なんのために行ったか分からない。切磋琢磨しよう。歓迎されるかどうかは分からない。みんなが同じような気仙沼ラーメンで、観光客がふと通ったら秋刀魚の良い香りがする、ラーメン店があると思う街づくりをしよう。



震災で職を失った方の数は、東北全体で12万人。
被災地に雇用を作るには、千葉さんのような県外からの民間の力、そして被災された方が働く意欲を持てるような工夫も必要ではないでしょうか。






【気仙沼かもめ食堂(新横浜ラーメン博物館)】

2012年2月15日

2月15日「再開を目指す気仙沼『かもめ食堂』(1)」

宮城県気仙沼にあった「かもめ食堂」は、昭和19年創業。
港町・気仙沼で、水産加工場で働く人々や、学生たちの憩いの場として、ずっと親しまれてきた小さな食堂です。
去年の震災と津波で、かもめ食堂は建物ごと流されてしまったのですが、「かもめ食堂のラーメンをまた食べたい」という声を受け、お店を復活させよう という動きが始まっています。

その中心にいるのが、東京・葛西の有名ラーメン店「ちばき屋」代表・千葉憲二さん。
気仙沼で生まれ育った千葉さんが「かもめ食堂のラーメン」に出会ったのは、4歳の時だったそうです。


◆かもめ食堂は気仙沼の日常にかかせない店
 55〜56年前は外食なんてありえない。映画を見た帰りにたまたま僕を連れてきた。末っ子だったもんだから、オヤジが僕を可愛がってくれた。帰りにラーメン食べに行くか、と。
 初めて出てきたラーメンに、日本の食べ物じゃないと感じた。日常、働く人たちが、かもめ食堂は「家」と感じるくらい、気を使わず立ち寄れる、そんな店だった。安らぐ。日常の気仙沼に欠かせない店であった。ラーメンの原点はその暖かさ。かもめ食堂のおばちゃん2人がニコニコと三角巾と割烹着で、親指が汁に浸かっても「はいどうぞ」でOK。それも含めてあったかさを感じる。それが原点。いまでもそう思っている。



実はかもめ食堂は、6年前に経営者の方が引退、閉店していたのですが、復活を望む声も多かったそうです。
そんな中、昨年の震災で建物が全壊してしまいました。
千葉さんは元経営者の方の了承を得て、かもめ食堂のラーメンを継ぐ人を育て、地元の雇用を生み出すために、お店の復活へ向けて動き出しています。


◆復活へ向けて
 1〜2年は港の周りは地盤沈下しているし、道路だけはかさ上げしているが、すべてのかさ上げには3年はかかる。
 土地さえあれば(かもめ食堂の復活を)やろうと思っている。そうしているうちにラーメン博物館から「地名と、かもめ食堂の発信を3年間やろう」と提案され、3年で復興のめどがついた時に、移転してやろうという話になった。



かもめ食堂は3年後に気仙沼で再開することを目指し、新横浜ラーメン博物館に、新たな形でオープンしています。





【気仙沼かもめ食堂(新横浜ラーメン博物館)】
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パーソナリティ 鈴村健一

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