2012年1月13日

1月13日「震災は人権問題」

震災から10ヶ月が経過。
いまだに故郷に帰ることができない方や、仮設住宅に入居しても、仕事や買い物、通院や登校などで、不自由な生活を余儀なくされている方が多いのが現状です。

そこで今日は、国際法の専門家で、国内外の「人権問題」のスペシャリストで、財団法人 人権教育啓発推進センターの理事長・横田 洋三さんに、「震災と人権」の観点から、お話しを伺いました。


◆「震災は人道問題であると同時に、人権問題だ。」
 震災でたくさんの方が亡くなり、怪我をした。また、病気になった方、必要な薬が手に入らなかった方、食料品が不足した、水が不足した、子供が学校にいけないなど、日常生活が正常に行えない状態が起こった。
 震災だから「誰かが人権侵害をした」ということではないが、物がない、サービスがない、という意味では、人権侵害と同じこと。直後ならともかく、一週間以上たって、“安全な水がない、食料品が十分にない、薬がない”となると、これは人権問題になる。
 国や地方自治体などが、必要なモノ・サービスを提供できるだけの経済力があるのに放っておかれる。本来はただちに救援の手を差し伸べなければいけない。
 透析が必要な人が透析を受けられない状況。これは人権問題以外の何者でもない。


◆反省するべき点
 一人ひとりの気持ちを考慮した対策でなかった。被災者は温かい食べ物だけでなく、人との繋がり、温もりを期待している。
 今までなら隣の人が食べ物持ってきたら30分くらい話したりした。そういう繋がり、心のケアはとても重要。でも今回の震災では、それだけの余裕がない中で、機械的に流れ作業でやってしまった。
 震災で孤独死の率が高くなる。死ななくていいのに亡くなってしまう方がいる。本当は亡くなりそうな方の周りには、人がいるはずなのに、それがいない。孤独死そのものより「孤独死がつくられる状況そのもの」が問題。
 仮設にいる人の心のケア。どうやって人と気持ちを通じ合って、安心して生活が送れるようになるか。そういった対策を行政で行うことが必要。




【財団法人 人権教育啓発推進センター official site】

2012年1月12日

1月12日「千葉県旭市・心の傷を負いながら、語り続けること」


千葉県で最も大きな被害を受けた地域、旭市・飯岡地区で始まっている、津波の体験を後世に残す「語り部」の活動をご紹介します。


「いいおか津波 語りつぐ会」の語り部活動の発起人のおひとり、渡邉義美さんは、飯岡で飲食店を経営されており、銚子、旭、茨城県神栖の飲食店と協力し、「復興どんぶり」というメニューで資金を集め、語り部の活動費などに充てています。

◆活動のきっかけ
 地域の人達に元気をつけるためには、我々が元気にならなければいけない。そこで「復興丼」を作り看板を立てた。20店舗ほどでお金が入ってきた。そのお金で、飯岡の復興のために後世に伝える動きを起こそうということになった。
 聴き取り調査をはじめ、被害を受けた方の中で前向きな方を語り部とした。その結果、しゃべった本人が元気になってしまった。そこで「いいおか津波 語り継ぐ会」を始めた。



「語りつぐ会」の語り部、小野芳子さんは、ダウン症の長男と一緒に仮設住宅で生活をしています。
小野さんは、津波の被害を受けた家を、修復せずに解体してしまいました。その理由は、津波が長男の心に残した傷でした。

◆息子の意思を受けて
 築12〜13年、全壊ではなかった。直して入ろうとしたが、息子が反対した。「津波が怖いから行かない」と拒否した。そんなに深い傷を負ったとは想いもしなかった。
 津波の話をすると嫌がっていたが、忘れてくれるだろうと思っていた。しかしそうじゃなかった。「津波が怖い」「僕頑張った」と言う。意思を受けて海の見えないところへ行くことに決めた。9月20日ごろに家を解体。別の場所に小さな家を建てようと思っている。



「いいおか津波 語りつぐ会」は、今後も千葉県内の学校や、防災イベントを中心に活動を続ける予定です。

【いいおか津波語り継ぐ会】
お問い合わせは 電話:0479-57-2691
 ※この番号は15日に開通予定です
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パーソナリティ 鈴村健一

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