2011年9月15日

9/13 原発事故による賠償請求について(2)

東電に対する“原発事故による損害賠償”の書類受付がスタートしました。

今週は改めて、“原発事故による損害賠償”について
「どんなことが保障の対象になるのか」、「いくらもらえるのか」、
「そのために何を準備しておけばいいのか」、
東日本大震災による原発事故被害者支援弁護団の副団長、
大森秀昭弁護士に詳しく伺いました。

* * * * * * * * * *

■<事業者に対する賠償>
個人でも法人でも同じですが、今回の原発事故の前の利益が、事故に
よって減ってしまった、あるいはゼロになってしまった場合には、その
マイナス分を補償しましょうと書かれています。
原発事故前の事業の利益から事業の停止によし支払いを免れた固定費を
差し引いた金額を基にして、事故後の減収率をかけ算して損害を出す方法
が示されています。
また事業場を移転した場合は、その移転費用も賠償の対象とされます。

■<風評被害に対する賠償
農産物海産物が作れなくなった、売れなくなった。観光・サービス業で
お客さんが来なくなった、営業が続けられなくなった。など・・
「出荷制限」や「風評被害」については、今回の原発事故との関係が確認
されれば、利益の減少分は補償の対象になるという基本的な算定基準は
示されています。具体的にどう算定するかはこれからの課題になっていく
と思います。

■<仕事を失った方への賠償
避難によって就労が困難となって収入が減少した場合は減った分、
ゼロになった場合は全額が賠償の対象になります。
給与の総額がわかる源泉徴収証や給与明細で確認できるよう用意します。


※原発事故の賠償請求については、弁護団に無料で電話相談することもできます。
 受付時間は、平日の朝10時から夕方5時まで。
 お問い合わせ先は、フリーダイヤル0120−730−750
http://ghb-law.net/

※そのほか、東日本大震災に関連した相談は、各地域の弁護士会、
 または国の法律相談窓口「法テラス」にお問い合わせください。
 法テラス:0120−366−556

2011年9月15日

9/12 原発事故による賠償請求について(1)

以前番組で紹介した、東電に対する“原発事故による損害賠償”
東電で書類受付が9月12日からスタートしました。

今週は改めて、“原発事故による損害賠償”について
「どんなことが保障の対象になるのか」、「いくらもらえるのか」、
「そのために何を準備しておけばいいのか」、
東日本大震災による原発事故被害者支援弁護団の副団長、
大森秀昭弁護士に詳しく伺いました。

* * * * * * * * * *

Q 東京電力が示した「賠償支払い基準」とは?

国の機関である「原子力損害賠償紛争審査会」は、8月5日に賠償に対する
「中間指針」を出しました。この中間指針に基づいて東京電力が損害の補償
を行う基準として定めたのがこの「賠償支払い基準」です。

Q そもそも東電に対する損害賠償金は、被害を受けた方が自動的に支払わ
  れる仕組み?

東京電力が提出を求めている、所定の請求書用紙に必要事項を記載して、
損害の内容を確認できる資料を付けた上で請求を行い、被害を受けられた方
と東電の合意が得られた金額が支払われるという仕組みになっています。
被害者が請求した損害の額について、東電がその全額を認めないケースも
起きると思われます。

Q これらの賠償請求については、いつまでのものをまとめればいい?

今回東電が明らかにした「賠償支払い基準」では、3/11k〜8/31までの
賠償請求をとりあえず”第1期分”として提出できます。

Q 今回の「賠償支払い基準」で対象となる損害、具体的には?

例えば、避難費用(宿泊費、交通費)/精神的損害/農業・漁業・会社経営
などの営業損害/会社員などの就労不能に伴う損害/いわゆる風評被害 など

<避難用費や帰宅費用>
避難対象者の避難に伴う、交通費や宿泊費、家財道具の移動費、除染費用の実費
を支払うとしています。
ただし、上限額の設定があり、交通費は県内移動の場合1回あたりひとり原則
5000円。宿泊費は一泊あたりひとり上限8000円。上限額を上回る実費
については、具体的な事情を確認させていただくとしています。
つまり、全額を支払うかどうかは検討事項とされています。

<仕事を失った方への賠償>
避難によって就労が困難となって収入が減少した方に対する補償額の算定方法
も示されています。
今回の原発事故発生前の収入と、事故後の現在の実収入の差額と、新しい仕事に
就くために転居された方にはその転居費用も支払うとしています。

<健康被害に対する医療費>
避難をして健康状態が悪化した場合の医療費の支払い額算定方法と、その医療を
受けるためのかかった交通費や宿泊費の支払い額の基準も示されています。
交通費や宿泊費は避難費用の算定と同じです。
医療費は原則として、実費を支払うとしていますが、既往症の悪化防止の費用で
一人当たり10万円を越える部分については50%支払うとしています。
後遺症が発生している場合は個別に対応するとして、具体的な損害の算定方法は
示されていません。

<精神的被害>
避難生活による精神的損害に対して支払われる慰謝料額も定めています。
3月11日〜8月31日までの慰謝料として、避難所、体育館、公民館などで
避難生活を余儀なくされている方には一人月12万円。それ以外の方には一人
月10万円を支払われます。
9月1日から来年の2月29日までの分までについては、先程の金額の2分の1
の金額を支払うとしています。
しかし、この慰謝料額の基準については、金額が低すぎるのではないか、9月
1日以降に精神的苦痛が減少する状況にはなっていない、などの議論が弁護士の
間でなされています。



※原発事故の賠償請求については、弁護団に無料で電話相談することもできます。
 受付時間は、平日の朝10時から夕方5時まで。
 お問い合わせ先は、フリーダイヤル0120−730−750
http://ghb-law.net/

※そのほか、東日本大震災に関連した相談は、各地域の弁護士会、
 または国の法律相談窓口「法テラス」にお問い合わせください。
 法テラス:0120−366−556
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パーソナリティ 鈴村健一

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