2014年2月11日

2月11日 事前復興2

きのうに引き続き、「事前復興」という考え方についてお伝えします。

災害が発生する「前に」被害を想定して、災害直後の生活再建や復興計画をあらかじめ まとめておく考え方、事前復興。これを提唱する、首都大学東京の、市古太郎 准教授によれば、東京ではすでにかなりの数の自治体で住民参加型のワークショップが実施されていると言います。ワークショップとはどんなものなのでしょうか。

◆事前復興まちづくりワークショップ
今東京の自治体の中で13区1市、その中でも豊島区、足立区、世田谷区では先進的に事前復興まちづくりを進めているのだが、長期的に被害イメージを作っていく。地震被害のイメージって直後の直接的な被害、家が倒壊する、火災が生じる、避難生活をしなければいけないというところにとどまるが、東日本大震災で経験したように生活支障がすごく長期的に続く。震災のイメージを長期的なものとして描いたうえで、みなさんそれぞれの地域、町の復興課題とは何なのかをその地域に応じて検討していく。

例えば事前復興のワークショップは4回くらいの連続のもので、大きな災害が発生した時のおおよその時系列でやっていく。1回目は地震発生直後の被害を確認しようというところを想定して出発。2回目は1か月後ないし6か月後の仮住まいの時期。避難所から仮設住宅に移ることを想定して、どこにどれくらいの仮設住宅が置けるのかを検討する。単純に置いてみようだけではなく、町としてどんな生活ができるのか、町が再建するにあたっての復興拠点として検討しようというのが2回目。

3回目〜4回目は復興計画を検討する時期。地震発生から6か月から2年くらいの時期を想定してワークショップを開いていく。最後が重要で、事前復興をやる以前から地域では毎年の防災訓練をやっている。その検討した結果をもとに、毎年の訓練の時に「ここに仮設住宅がたったらおじいちゃん、おばあちゃんは入居する?」と事前復興的な要素を入れて訓練をやっていこうというのが到達点かなと思っています。




このワークショップ、さらに具体的に説明すると、まず最初に地域の住民と専門家で、町を「歩いて」、どこにどんな被害が出るか確認します。そのうえで、仮設トイレが置ける場所、給水車が置ける場所、仮設住宅を建てる場所など、生活再建に役立つ「スペース」を検討することから始めるということです。

東京都豊島区では、2008年からこうした取り組みが進んでいて、すでに3つの町でワークショップが実施されています。

明日も、事前復興についてお伝えします。

2014年2月10日

2月10日 事前復興1

今朝は、「事前復興」という考え方を紹介します。

事前復興とは、災害が発生する「前に」被害を想定して、どのように生活を再建するか、復興計画をまとめておく考え方です。首都直下型地震が懸念される東京を中心に、広がりを見せています。

すでに、東京のいくつかの自治体では、住民参加のワークショップが行われ事前復興の計画を作る試みも行われているんです。このワークショップの企画運営に関わっているのが、首都大学東京の都市環境科学研究科 市古太郎准教授です。



まず、事前復興という考え方が生まれた背景について伺いました。

◆阪神淡路大震災の反省
事前復興は直接的には阪神淡路大震災をきっかけに生まれた。阪神の反省というのは少なくとも2つ指摘したい。1つは仮設住宅の問題。神戸の場合は多くの仮設住宅が元の被害が集中した市街地に建設できず、住み慣れた町から遠く離れて仮設住宅が供給されたため、地域の商店街で物を買って生活していた人たちや、地場の工場で働いていた人たちが町を離れてしまった。そうするとなかなか生活再建自体が困難になり、町の中の再建が遅れる。なのでできるだけ町の中にとどまって、とどまりながら町と生活の再建をしようというのが事前復興の一つのルーツ。もう一つは阪神淡路の時の復興都市計画の問題。東日本大震災とは対照的で、1月31日(発災から2週間)で神戸市、西宮市など被害が集中した自治体が復興ビジョンを公表した。「火災に強い都市を作ろう」というもの。道路を広げて燃えない住宅、燃えない建物をできるだけ建てていこうというのが市役所側の提案だった。ただこの復興ビジョンを公表した1月31日というのはまだみんな小中学校で着の身着のままの生活をしていて仮設住宅の見込みも立っていない、明日の生活すら安定しないところだった。そこで町を大きく改造するプランを出されても到底考えられない。今の生活をどうにかしてくれという状況。まずそっちが先じゃないかということで、行政が示すビジョンと地域の生活再建のニーズが対立した。それが事前復興のもう一つのルーツ。


すでに東京都豊島区や同じく東京・八王子市などでは、事前復興の計画を作るためのワークショップが行われ、計画がまとまりつつあるそうです。明日以降、事前復興計画の具体的な事例も紹介していきます。

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パーソナリティ 鈴村健一

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