2013年12月20日

12月20日 クラフトバンドで被災地支援

今日はクラフトバンドを使った被災地復興応援プロジェクトについてご紹介します。活動の中心となっているのは、クラフトバンドエコロジー協会代表理事の松田裕美さん。松田さんが10年程まえに出会ったのが「クラフトバンド」を使った、かごづくりです。


クラフトバンドという紙のひも、一般的にはお米や玄米などが入っている紙の袋の、一番上を縛るひもを200色に染めたもの。それでかごやバッグを編んでいます。松田さんは趣味が高じて、このクラフトバンドの販売を手掛けるようになり、さらに、クラフトバンドを使ったかごやバッグの作り方を教える立場になりました。いまでは、日本全国に1000人を超える認定講師がいるほどの、人気のアートクラフトに成長。そんな松田さんが取り組んできたのが、東北の被災地復興を応援する取り組みです。


◆技術の高さに感動して買ってもらいたい
わたしも被災地に行ったんですけど、「家もなくなり家族もいなくなり仕事もなくなって、時間だけがあるのよ」と言われた。その時間、なにもすることがなくて、外に行くこともつらいということなら、その時間かごを編んでいたら気持ちが紛れるのではないだろうかと思って、材料の寄付を1年半くらいやってきました。すると、皆さんだんだんと心にゆとりができてきて、うれしいお手紙が来るようになった。「ボランティアに来るかたたちにかごをプレゼントするのが楽しいです」「死のうと思わなくなりました」というお手紙が来たときに、材料を寄付することしかできなかったのに、救える命があるんだと思いました。
今年の夏前、陸前高田の鳥羽市長にお会いしたときに、「もう寄付はいらないんです、仕事が欲しいんです」と言われました。「生活保護ではなく自分で働いたお金で好きなものを買いたい」と、気持ちが切り替わってきた、と。そこで「かごを売る」ということをやったらどうかなと考えたのです。被災地の方に「編んだものを売ってみますか?」と聞いたら、皆さん「ぜひやりたい」「久しぶりに仕事ができる」とおっしゃって。寝る間も惜しんで、楽しくてたまらないと編んでくれています。お仕事として編む、ということがすごく彼女たちの意識を変えたのです。
厳しい検品をするので、被災地だからへたくそでも我慢してね、という商品は作りたくなかった。本当は「被災地のだから買う」ではなく、かごを見て、気に行って購入した後に、よく見たら「東日本大震災」て書いてある。もしかして被災地の人が作ったの?と後から気が付いてほしい。かわいそうだから買ってあげる、ではなく、技術の高さに感動して買ってもらえたらと思います。


現在、かごの制作にあたっているのは、岩手県宮古市と福島県郡山市・いわき市に住む被災者の方たちです。


「クラフトバンドを使ったかご」は、今日から販売がスタートしています。

◆購入はコチラから。
クラフトバンド・エコロジー協会

2013年12月19日

12月19日 釜石の震災語り部(2) 鵜住居地区

きのうに引き続き、岩手県釜石市から、震災の被害や現状を後世に伝える、語り部の言葉をお伝えします。

語り部は、三浦達夫さん。この町で長年、鉄鋼マンとして働き、現在は、釜石観光ボランティアガイド会の会長として釜石の歴史遺産の案内や『震災語り部』としての活動をされています。

小中学生が自分たちの判断で、全員津波から避難した「釜石の奇跡」など、その防災教育が注目された釜石ですが、3月11日の震災では、すべての人がこうした行動をとれたわけではないと言います。その一つが、釜石の鵜住居という地区で起きた出来事です。
三浦さんはこの出来事を、町の教訓として語り継ごうとしています。

◆鵜住居地区の防災センターの悲劇
鵜住居という場所が大槌に行く途中にあり、防災センターがあった。完成は平成22年1月。そこは防災センターという名前はついているが津波の避難場所としては使っていけないという場所。ではなんのために防災センターという名前がついていたのかというと、近隣の人が災害などで家に住めなくなった場合に一時的に避難する場所だった。津波の避難場所としては使っていけなかった。ところがこれが完成した時のこと。年に数回の津波訓練をする際に避難する場所がちゃんとあるのだが住民の住んでいる場所から非常に遠い。1キロ以上離れた場所なので訓練をやってもだれも集まらない。そのため住民側から、防災センターを「訓練の時だけでいいから使わせてください」という話が出た。行政もそれに乗っかって訓練だけならいいだろうと使いだした。何度も訓練を続けているうちに住民の意識は、その場所が津波避難場所と考えられてしまった。
平成23年3月3日にもその場所で防災訓練をやっている。その1週間後に東日本大震災が発生。住民は何のためらいもなくその防災センターに避難してしまった。およそ169名が避難し、その8割がそこで犠牲になった。そういう場所。そこを行政の責任が問われているが、使ってはいけないという場所を訓練のためだけに使わせてくれ、と妥協して使ってしまったためにそういうことが起きた。そういう話をして、参考にして自分の地域での活動を考えてくださいという話をしてる。鵜住居の防災センターは今年12月にも壊す予定。壊されたら語り部としての説明をどうすればいいのかと考えている。


お話に合った『鵜住居地区 防災センター』はすでに解体工事が行われています。ただ、建物の壁や床などは、今後、災害記念館などに展示される計画。また、防災センターの建物は、立体映像として保存されるということです。

釜石観光ボランティアガイド会
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パーソナリティ 鈴村健一

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