2013年7月10日

7月10日 サポートアワーキッズ2013 フランス語学留学 報告編(3)

引き続き、東日本大震災の被災地の子どもたちに、数週間の語学留学を体験してもらう「サポートアワーキッズ」の取り組みをお伝えします。

10人の子どもたちによる、2週間のフランス語学留学。今日はそのメンバーの中から、宮城県石巻の中学2年生、板倉凱士くんに焦点を当ててお送りします。

凱旋門の「凱」に、武士の「士」と書いて凱士くん。この名前は、若い頃フランスで凱旋門を見たお父さんが名づけたもの。そして、津波で亡くなったお母さんの「広い世界を見てほしい」という願いも込められています。そんな凱士くんが、今回のフランスステイに応募した理由。それはもちろん、凱旋門を自分の目で見ること。出発前 彼はこんなことを言っていました。

◆ノーベル賞を3つ取るんです!
凱旋門ってテレビとかでみるとめっちゃデッカイんですよ。俺はその、偉大っていうかそういう人になりたいんですよ。アルフレッド・ノーベル的な。俺は3つ取るんですもん。ノーベル賞を3つ取って、テレビとかに出て、「あ、こいつ凱士だ」みたいな。世界中のだれが観ても「あ、凱士でてるよ」って言われるような人間になりたいです。


そして、2週間の滞在も佳境に差し掛かった11日目。凱士くんは、ついに、その時を迎えました。

◆凱旋門の前に立って
(凱士!やばい目の前だ!) マジかよこれ。ヤバイやばい。まってまって。高すぎるだろこれ。待って待って。凱旋門のようになるって言ったけどさ・・・。いやいやいや。




とにかく圧倒された凱士くん、このあと「凱旋門のようになりたいと言ったけど、でっかすぎる。撤回したい」とまで言っていました。でも! フランスの象徴・凱旋門の姿は、彼の心にしっかり焼きついたみたいです。

◆三つ目のノーベル賞のスピーチで…
予想以上にめっちゃデカくて、世界の中心にあるみたいで。凱旋門を引っこ抜いたら世界が崩れそうな感じに見えて。上からみたらエッフェル塔が見えて。八方に道路がざーっと伸びて。すっげえインパクトに残っていますね。でも、なんで自分の名前につけたのかっていうのは何となくわかったような気がします。この名前を付けてくれたのがどれだけカッコよくて、どれだけ名誉のあることだと分かったから、うちの人に名前を付けてくれてありがとう、みたいなことを言えたらいいなと思うけど、恥ずかしいので、そう思っておくだけにしときます。というのを、ノーベル化学賞のスピーチ、三回目のノーベル賞で言います。
いま自分の中で変わったのは、自分のためじゃなくて、自分のためもいいけど、プラスアルファで他の人にも役に立つような、不自由な人のためになるような発明をしたいなと思うようになりました。

お父さんが名付けた凱士という名前の意味は「勝鬨(かちどき)を上げる武士」。自分の名前のルーツを、しっかり目に焼き付け、凱士くんは、もうすぐ中学2年の夏休みを迎えます。
 


明日もサポートアワーキッズの話題。10人の子どもたちのフランスでの様子をお届けします。

2013年7月9日

7月9日 サポートアワーキッズ2013 フランス語学留学 報告編(2)

今朝は、東日本大震災の被災地の子どもたちに、数週間の語学留学を体験してもらう「サポートアワーキッズ」の取り組みをお伝えします。

今年度の第一陣として、10人の子どもたちが体験した2週間のフランス語学留学。そのプログラムには特別な企画も用意されていました。ル・マン24時間耐久レースです。

この企画は、ルマン24時間耐久で最も有名な日本人ドライバー、寺田陽次郎さんや自動車メーカー・マツダなど様々な企業の支援で実現したものです。レース観戦だけでなく、ファンなら誰もが知っている、91年のルマン優勝マシン「マツダ787B」のシートに座る機会!レース直前のTOYOTAピットへの招待!!ミシュランのワゴン車でのコース1周体験!! など、本当に貴重な体験ができたそうです。



また、レースが始まる直前には、支援企業の一つミシュラン 森田広報部長から、子どもたちに、こんなメッセージもありました。

◆ル・マンに関わる人々の想い
ルマンは1923年からずっと続いている1年に一度のお祭り。会場では交通整理をしている若い人、おじさん、お姉さんなどが働いているが、みんなルマンに住んでいる人たちです。おじいちゃんがこれをやっていたから、自分もこれをやりたいと言う風にルマンの町の人たちが街全部あげてやっています。日本でもお祭りがあると町を挙げてやるでしょ。東京にいても地元のお祭のために帰郷するのと一緒。街の支えがあり歴史があり、参加する人たちの集まりで車1台を走らせる。今日招待するミシュランはタイヤとして参加している。タイヤメーカーとして真剣になってレースに勝ちたい、勝たせたいと言う思いを肌で感じると思います。




この体験は子どもたちにとって、かなり印象深いものだったようですが、特に、将来エンジニアになるのが夢だという福島市の17歳・半澤悠音さんは、大きな刺激を受けていました。

◆もっといろんな経験がしたい!
一番楽しかったのは24時間耐久レース。音、クルマのとんでもないスピードを観れてハマった。カッコ良かった。しかもトヨタが2位の瞬間も見れて、マツダの当時優勝したエンジニアに心得、やりたいことをやりつづける大切さ、諦めない気持ちを直接聞けた。本当に嬉しかった。ご飯も美味しかったけどそれどころじゃなくて(笑) どんなエンジニアになりたいかは決まっていなくて、勉強ができればよいのではと思っていた。実際のエンジニアのモノづくりの世界はテストの点数は関係ない。やる気や情熱、積んできた経験。。。勉強ができれば立派なエンジニアになれるわけではない。積極的に色んなものに自分から触れて、立派なエンジニアになるための経験をしていきたい。これだけじゃ足りないからもっといろんなことをやっていきたいと思った。


明日もサポートアワーキッズの話題。10人の子どもたちのフランスでの様子をお届けします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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