2013年6月14日

6月14日 森は海の恋人植樹祭(3)

引き続き、6月2日(日)に行われた、森は海の恋人・植樹祭のレポートをお届けします。

豊かな森の恵みが川を伝い、海へそそぎ、そこで暮らす人々の、海からの恵みとなる。
こうした考え方のもと、森作りを続けてきた森は海の恋人植樹祭は、25年・四半世紀を経て、気仙沼と一ノ関、さらには日本中の人々を繋げてきました。そして来年も再来年も、この植樹祭は続いていきます。

NPO法人「森は海の恋人」副理事で、父・重篤さんとともにカキ漁を営む畠山信さんは、25年間の森作りが地域にもたらしたものについて、こんなお話をしてくれました。

◆元々自然も人も繋がっていた。
25年前、小学校4年生かな。当時は植樹歳というものがよく分からず親父に連れてこられて、なんかお祭りかな?みたいな感じはしましたけどね。元々は、山の人と仲良くなければ漁師は舟を作る木が手に入らなかった。時代は変わり船はプラスチック製となって、山の方々との交流は途絶えた。

ただ、伝統的な室根大祭というお祭りがあり、室根山の中腹から神輿をよーいどんで2つの神輿を背負って崖を下る。そして里にある神輿を置く場所にどちらが早く着くかという千年以上歴史がある。今年は4年に1度のお祭りの年。そのお祭りが始まる時に場を清めるための海水が、我々の暮らす唐桑・西舞根という集落が代々担ってきた。西舞根の集落の長老と呼ばれる人たちが、4年に1度のお祭りに合わせて、室根山が見えるところまで舟を置きに出して室根山が見えるところで海水をくんでここまで持ってくるという役割を持っていた。繋がりがあった。しかしその繋がりは希薄になり途絶えてしまう。それ以外の部分で新しい繋がりを作ろうというのはものすごく大変な作業だが、この森は海の恋人の植樹祭りは、元々自然は繋がっていた、人もつながりましょうという意味合いがすごく強い。


◆20年前に植えた木々は…
目の前にあるのがコナラというドングリがなる木。こっちがヤマザクラ、ナナカマド、ウリハタカエデ。とにかく色んな広葉樹が混在していて木陰に人が入れるような高さに成長しているので、大体20年経てばこのくらいの森になる。子どもの頃あんまり見かけなかった生き物が普通に見られるようになった。
生き物が証明してくれている。これがあって初めて豊潤な良質な海につながる。森作りは海で生業をたてるものにとって、非常に重要な作業になる。もっとよりよい、住みやすい地域づくりが出来ればと思う。



この土地に20年前に植樹した木々は、いま10mほどの高さの森に成長しています。そしてその足元には、綺麗な湧水がありました。この水が川となり森を伝い、気仙沼の湾に流れ、良質な牡蠣を育てています。

気仙沼のNPO法人「森は海の恋人」が 岩手県一関市で毎年実施している「森は海の恋人 植樹祭」からのレポートをお送りしました。

森は海の恋人ホームページ

2013年6月13日

6月13日 森は海の恋人 植樹祭(2)


昨日に引き続き、6月2日(日)に行われた、森は海の恋人・植樹祭のレポートをお届けします。
1989年から、毎年行われてきた植樹祭も今回で25回目。岩手県一関市室根町にある「矢越山 ひこばえの森」の植樹会場には、北海道や九州からやってきた方も含む、1400人の参加者が集まりました。参加者の声です。

◆苗木にそれぞれの想いを込めて
・植樹は初めてです。よく育ってくれるように。川が綺麗になって海が綺麗になってたくさんの微生物が成長して魚が成長して我々に貢献できるようなお魚がたくさんとれたらいいなと思います。
・東京から来ました。牡蠣をひとくち食べると、あの森が広がるね。舞根の海と森の景色がどわっと広がる。木を植えるところに来ないと。泣きそうになりました、この景色を見るだけで。
・私はずっと青森県八戸市で地元の地域活性化について研究している。実際に地元でやっていることだけじゃなくて他の県で活動していることを自分で体験して、そのメリットを真似して自分の地域をもっとよりよい、住みやすい地域づくりが出来ればと思います。(参加者)


今回の植樹では、ミズナラやコナラ、トチやブナといった広葉樹 1500本が、参加者一人一人の手によって、山の斜面に新たに植樹されました。この植樹活動でこれまで植えられた広葉樹の数は およそ3万本。25年前に植えた場所は、今では本当に立派な森に育っています。

森は海の恋人 理事長の畠山重篤さんに、この25年を振り返って頂きました。

◆必要なのは教育
25年前は若かったね(笑)すっかり年を取りました。何をやっているんだろうという風潮も当時はあった。でも山に木を植えれば木を黙っていても一人で育つが、問題は川の流域に住んでいる人間。彼らが良くも悪くもする。それは教育の世界に行かなければいけないとすぐ分かった。そこで子どもたちに、森と川と海がどう繋がっているのか、突き詰めれば人間とはどういう存在なのかということ。そういうことを子どもたちに、素人の漁師がメッセージを伝え続けていたことが教科書に取り上げられるようになった。子どもたちが勉強をする。それは家に帰って親に伝わる。それが希望。若い人たちが随分関わるようになってきた。山に木を植えることは森林の持っている公益的機能と言うんですが、最低20年はかかる。ある程度の効果・・・有機的な腐葉土ということを考えると100年単位で考えないといけない。だから継続性が重要。





NPO法人「森は海の恋人」は植樹活動とともに、子どもたちの体験学習を実施するなど、教育にも力を注いでいます。また、畠山さんによれば、この25年間の植樹で、気仙沼の海に注ぎ込む大川には、姿を消していた ウナギも姿を見せるようになったという。

明日も、森は海の恋人 植樹祭の模様をお届けします。

森は海の恋人ホームページ
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パーソナリティ 鈴村健一

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