2013年6月12日

6月12日 森は海の恋人 植樹祭(1)

今朝は、6月2日(日)に行われた、森は海の恋人・植樹祭のレポートをお届けします。
豊かな海を育てるために 森作りを続けているのが、宮城県気仙沼市のNPO法人「森は海の恋人」です。気仙沼湾に注ぐ上流にある、岩手県一関市で、毎年休むことなく植樹祭を実施、今年で25回を迎えました。

植樹祭の会場『矢越山ひこばえの森』に集まった参加者はおよそ1400人。気仙沼の牡蠣漁師で、森は海の恋人の代表・畠山重篤さんは、開会式で、こんなメッセージをしました。

◆森と海は相思相愛
おはようございます。切り株から出た若い木のことを「ひこばえ」と言います。植樹祭も最初の頃は大人が中心でしたが、今日ココに小中学生の子どもたちがたくさん参加されまして、文字通りひこばえがどんどん育つような植樹祭に発展していることを本当に嬉しく思います。いま小学校の全教科書に私たちの森は海の恋人のことが掲載されております。中学校の国語の教科書にも出ました。今年の4月からは高校の英語の教科書にも森は海の恋人のことが掲載されております。森は海の恋人という言葉を英語に訳しますと、The Sea is longing for the forest となるんですね。実は森は海の恋人という言葉を英語に訳すのはものすごく難しくて良い訳が出来てなかったが、ヒントを与えてくださったのが恐れ多くも皇后陛下美智子様。「long forという熟語を使ったらどうですか」とご提言頂いた。この熟語は「愛している、好きだ」という意味もあるが、第一義的には「お慕い申し上げている」という言葉。そういえば両陛下がご結婚なさるとき、新聞記者から陛下のことをどうお思いになっていますかという質問があり、「お慕い申し上げています」と言ったなと思った。森と海の関係は、森は海をお慕い申し上げているし、海は森をお慕い申し上げている、こういう関係。相思相愛の関係。そういう想いもいだいて木を植えて頂ければと思っています。



山の養分が川を流れ、海へ注ぎ込み、結果、海が豊かになる。森は海の恋人は、これを25年間かけて、証明してきました。そしてこの植樹祭は東日本大震災のあった2011年も休まず実施されています。震災の大きな被害を受けた気仙沼の海は、丸2年が経過した今、どのような状態になっているのでしょうか。

◆森が海を蘇らせた
震災のあとに海から生き物の姿が本当に消えたが、あっという間に復活した。それは背景の山がしっかりしていれば海は大丈夫だということの証明。震災前の気仙沼の海はものすごく良くなっていた。大川も綺麗になった。250kmある北上川には鮭が5万尾あがる。一方の大川は30kmの川だが6万尾まで鮭があがるようになっていた。それは川が良い証拠。また鮭がどんどんあがるようになってくれればいいなと願っています。大丈夫でしょう。これだけみんなで木を植えていれば(笑) 最初に植えたところなんてすごい良い森になっていますよ。


畠山さんによれば、植樹を続けることで豊かな海がよみがえり、その結果として川の流域に住んでいる人たちの意識も、自然や川を汚さないようにしようと変化しているという。

☆森は海の恋人

明日も、森は海の恋人 植樹祭の模様をお届けします。

2013年6月11日

6月11日 岩沼市 千年希望の丘

今朝は、宮城県岩沼市で、週末に行われた植樹祭イベントの模様をお届けします。

岩沼市の復興事業の一環として行われた「千年希望の丘 植樹祭」。岩沼市は、市の沿岸部に小高い丘と森を組み合わせた防潮堤を作る計画を進めています。そのスタートイベントとして行われたのがこの植樹祭。仙台空港にほど近い会場にはボランティアは4000人以上が集まり、3万本におよぶ苗木が、植樹されました。

イベントには、細川護煕元総理が理事長を務める「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」も参加。ボランティアの方とともに、苗木を植えていました。細川氏のお話です。

◆他の市町村にも広げたい
こんなにたくさん来て頂くと思いませんでしたが、引き金になるというか、これからずっと広がって、他の市町村がこれを見習ってやって頂くと良い。なかなか順調にいくかは分からないが、岩沼市が市長をはじめ英断して、ここで3年間に20万本を植えるということを進めるというのがすごく大きい。
(これから1000年の森が出来上がるのが楽しみですね)
全部木が植わって、下からみたら手ごたえを感じるのではないか。(聞き手:高橋万里恵)

岩沼市、井口経明市長に、市の計画について伺いました。

◆減災と鎮魂のために
希望の丘という名前の通り、岩沼全体を津波からしっかり守りたい、いざという時の避難場所としてもうけたいということで、岩沼全域で考えていかなければならない。岩沼ではこの集落が一番犠牲者が多かった。そこにまず第一号の希望の丘を置くことで亡くなった人たちの鎮魂にする。亡くなった人たちの想いを考えると、一日も早く復興させるよう希望を持って進めなければならない。この場所に設けたというのは世界、日本国内の方においで頂くため。仙台空港のそばであると同時に、岩沼としては一番被害の大きく犠牲者の多かった場所で第一歩を記すということは意味のあることだと自分たちとしては考えている。まず津波の力をそぐための丘を作る、避難場所としての丘。7〜8mの高さの津波だったので、10mの丘を作ることで同じような津波が来たとしても命が守れる。現に県立の海浜公園の築山に避難して助かっている実例があるので、避難場所として15の丘を作る。丘だけでは津波の力をそげても水は入ってくるし完全に防げない。そこで宮脇理論による、丘の間のつなぎのところに森の防潮堤を作ることで相当津波の力をそぐことができるということ。
               

◆地元からの参加者は…
今日は妹夫婦、母親と9人・3世帯で参加。家はちょうどこのあたりにあり、あと数分避難がずれていたら流されてしまったかも知れないが、うちは幸い全員無事。この場所には家を建てられない。はじめは来るのは嫌だったが、今日来てみて、これだったら次に同じような波が来ても、威力も小さくなるし助かる人も増えるし良いと思った。



岩沼市には約10キロの海岸線がありますが、3階建て以上の建物はほとんどありません。そこでいざという時の避難場所として高さ10mの丘を15個作るのがこの計画です。そして丘と丘を繋ぐ部分に、3mの盛り土をして植樹。避難経路 兼 森の防潮堤が作られる予定となっています。

岩沼市「千年希望の丘」


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パーソナリティ 鈴村健一

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