2012年2月2日

2月2日「荻上チキ・災害時のメディアの役割(4)」

メディア論などを専門とする評論家・荻上チキさんに「災害時のメディアの役割」についてお話を伺っています。

インターネットメディア、そして地元のFMや新聞などローカルなメディア。
震災時に情報を共有するためには、それぞれの特性を生かすことが必要と語る荻上さん。
その為に、こうしたメディアだけでなく、もう一つ重要な要素があるとおっしゃっています。


◆居場所を作る
 ネットを使えばコミュニケーションはできる。被災した人でも、ネットを通じて遠くの人たちとコミュニケーションをすることでストレスが軽減されるというケースもある。ただ、日常生活のコミュニティが存在しないと日々、摩耗してしまう。被災した人たちの<居場所を作る>のは重要な問題。
 仮設住宅の住人と、その地域の住人のコミュニケーションの場を作るのは大きな課題。それを解決するために行われていたことは「お祭り」。避難生活を送る方と地元の方を交えたイベント。芸能人を招かずとも、ギターを弾いたりカラオケ大会をやったり、出し物をやったり…そしてお酒を飲んで交流する。
 居場所を作る。それが不安感の共有、情報共有に繋がる。


◆ネットやメディアが発達しても、必要なもの
 どの避難所や仮設住宅でも、ベンチなどを置くことで、避難生活を送る者同士が日常的にお茶のみ話ができる。そうしたところで情報交換を日常的にしながら、避難生活のストレスを軽減する役割を「場所」が担っていた。
 人と人とを繋げる人がいないと、ニーズ、物資などの情報を声を大にして言ってくれる人がいなくなる。
 避難生活をしている人同士で目立つのが、女性同士は仲良しだが男性同士は孤立するパターン。そこでおせっかいな人が間を取り持つ。御用聞きのようなおせっかいさん。それがコミュニティでもSNSでも必要になってくる。
 人間のコミュニケーションの能力は、どんなにネットが普及して、メディアが発達しようとも、最後は重要。インフラがどれだけ発達しても、入口と出口は人間同士のコミュニケーション。ニーズや役割、居心地はそれで決まる。そうした役割は見落とせない。


【荻上式BLOG】

【Twitter:荻上チキ(@torakare)】

2012年2月1日

2月1日「荻上チキ・災害時のメディアの役割(3)」

メディア論などを専門とする評論家・荻上チキさんに「災害時のメディアの役割」についてお話を伺っています。

荻上さんは、東日本大震災ではソーシャルメディアだけでなく、既存の“身近なメディア”も重要な役割を担った、と考えています。
“身近なメディア”とは、地元の新聞などローカルなメディアです。

◆地域メディアの重要性
 被災地の中の人たちにしてみれば、隣の避難所はどうなっているのか、救援物資は次にいつ来るのか、遺体安置所はどこで、どういう遺体が上がっているか、どこの仮設住宅に自分の友人がいるのかなどの生活情報が重要。それは全国メディアの不得意な部分。地域に密着したメディアの役割が必要になってくる。壁新聞や地元メディア(ラジオや新聞)が、地元の住民・被災者を対象にした報道が重要になる。こうしたものは全国紙などが代わりになることはできない。地域メディアの重要さは見直されなければいけない。被災直後テレビがつかずラジオもない状況で立ち上がった人はたくさんいる。

◆“ハイテク”が良いわけではない
 被災地にも新聞記者がいて(彼らも被災者だが)、「何かしなければ」と、分かる範囲の情報を書いて壁新聞という形で貼ったり、コピー機などが復活したらビラとして撒くことで正確な情報を共有しようという動きがあった。紙や口コミなどローカルなメディアが役に立った。ハイテクであれば良いわけではなく、ニーズに適切に応えられる。

◆メディアが打撃を受けた場合
 メディアであればフル活用すべき、というのが今回の震災から得られた教訓。どんなメディアが壊れるとも限らない。
 東京直下型地震が起きた場合、報道するべきメディアが打撃を受ける、報道関係者も被災者となり報道できない、ということも考えられる。「被災地の外から被災地に入って、被災者にこそ情報を届けるために、地元の放送局を回復するための仕事を手伝う」「地元の新聞社を手伝うために記者を送る」ということも起こりえた。こうした考えはどの地域で震災が起きても役に立つ発想ではないかと思う。




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