2013年5月13日

5月13日 石巻・台湾アートプロジェクト


今朝は、ゴールデンウィークに、宮城県石巻市中心街で行われたアートによる国際交流イベントを『石巻・台湾 アートプロジェクト』をご紹介します。

連休期間中、石巻では台湾から来日したアーティストたちと日本のアーティストによる様々なコラボレーションが行われ、最終日・5月5日には、日台双方のアーティストによるシンポジウムも開かれました。

このアートプロジェクトを仕掛けたのは、石巻の若い経営者やクリエイターによる街作り団体ISHINOMAKI2.0です。石巻と、台湾と、アート。一体どんな経緯で繋がったのでしょうか。

◆震災を経て繋がった台湾と神戸と石巻
台湾から32名が来日。東京・仙台・石巻のアーティストと合作、共作、コラボレートして街の至るところでアート制作が行われている。東日本大震災と同じような大きな震災が阪神淡路であったが、神戸の市民活動、応援をしている団体が台湾と交流があった。さらに台湾も8・8地震という大きな災害があった。そこで神戸と台湾の交流が生まれた。今回の東日本大震災で石巻を応援しようということで神戸の団体がつなげてくれた。台湾はいま壁画がブームということでそのムーブメントを起こしている方々を石巻に呼び込んで街をアートで元気づけようということで街の中で壁画を描いたり、街の空き地で子どもたちとチョークペインティングを行ったり、あるいは積み木のワークショップが行われた。(ISHINOMAKI2.0代表理事 松浦豪太さん)


こうしたきっかけがあって、石巻の町で、「日本と台湾がアートでつながる」ことになりました。

アートプロジェクト開催期間中、石巻では各所で日台のアーティストによる公開制作が行われ、北上川の中瀬公園には、木造の「家の形をしたオブジェ」に、アーティストたちが自由にペイントするという作品作りも行われました。こうして、石巻に集うアーティストたちの作品が、石巻に広がりつつあります。

◆アートが石巻にもたらすもの
何か一つ、ことを起こしていくというのが大事だと思って日々活動している。今回も多くの台湾の方々が来て、それを見に石巻から、日本中から子どもたちに来て頂いた。石巻は大震災があったから注目された。色んな人が集まっている。でもそこで僕は思うのだが、そこで何もしなければ一時的な注目を集めるだけ。そこでアートも含めた様々な動きがあれば継続して、その渦がどんどん広がっていく。震災を契機にぱっと花火を打ち上げるのではなく、継続的な動きが続いているのがこの街。そこでアートは大事な要素。これまで無かった文化をこの街にもたらしてくれる素晴らしいものだと思う。(同)






このプロジェクトで制作された中瀬公園の展示は、今後も、2・3か月ほど展示される予定となっています。

明日は、ISHINOMAKI2.0の新たな計画、「2.0不動産」をご紹介します。

2013年5月10日

5月10日 石巻 日和アートセンター


今朝は、宮城県石巻市にある、1軒のアートスポットをご紹介します。
ISHINOMAKI2.0など若い世代による、様々なプロジェクトが次々と生まれている宮城県石巻市。この街はいま、国内外からアーティストたちが集まり、創作活動をする場所としても注目されています。そして、彼らに表現の場所を提供しているのが、『日和アートセンター』です。    
立石沙織さんに伺いました。

◆石巻の想い出を描くアーティスト
日和アートセンターは石巻市の中心市街地に、2012年3月に横浜市と石巻市の芸術文化の交流拠点としてオープンした。今は展覧会と滞在制作をメインに活動している。今 展示しているのはオーストラリア人のアーティスト、リチャード・バイヤーズの作品。彼は去年も5カ月くらい石巻に滞在していて、去年と今年にかけて石巻の風景を写真や風景画に描いている。地元の方には、親しみと意外性を感じながら観て頂いている。

また、リチャードは来場者の方に描いてほしい石巻の風景を募集して、それを線画(インクドローイング)として描いている。地元の方のリクエストは、自分の家や自分のお店を描いてほしいというものが多い。先日来て下さった方は、今回の震災で建物自体が無くなってしまった保育園の写真を持ってきた。クルマが流されてきている状況の写真だったが、別の角度から撮った写真をいくつも組み合わせて「これで保育園の建物の風景を再現してほしい」と。リチャードと話をする中で、「保育園の名前の表札は残してほしい」とか、「幼稚園で実際に子どもが遊んでいる風景を組み合わせて欲しい」というリクエストもあり、保育園というテーマで、リチャードは大きな意味での未来を描いている。


日和アートセンターは、津波の被害を受けた楽器店を改装して作られました。1階が誰でも出入りできる アトリエ 兼 展示スペース。 2階は宿泊施設で、アーティストはここに滞在して創作活動をします。

いま、石巻では、こうした作品が次々と生まれ、アーティスト同士のコラボレーションも盛(さか)んだと言います。なぜアーティストたちは、この街へやってくるのでしょうか。

◆表現しなければいけないもの
アーティストはいま社会で起きていることを見過ごせない方々なんだなと思う。被災地になってしまった場所でアーティストが増えたということは、ここに何か、表現して残しておかなければいけない何かがあるんじゃないかと。記録するだけではだめで、表現しなければいけないものがある。いてもたってもいられない衝動があった。だから、これからアーティストと言う存在はすごく大事になってくると思う。





石巻に滞在中のリチャード・バイヤーズさんの作品展示は、5月12日(日)までとなっています。今後の展示など詳しくは、日和アートスペースのウェブサイトをご覧ください。

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パーソナリティ 鈴村健一

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