2013年3月18日

3月18日 観月台のインペリアル〜福島県伊達郡国見町(1)

今朝は、福島県の最北端、伊達郡国見町から、1台のピアノに関する話題をお伝えします。

ピアノの名前は、ベーゼンドルファー290。オーストリアで180年の歴史を持つベーゼンドルファーのシンボル的なモデルです。鍵盤の数が9鍵多く、97鍵盤で構成されているのが特徴。熟練の職人によって作られた希少なピアノで、「インペリアル」とも呼ばれています。ベーゼンドルファーはハンガリーのピアニスト、フランツ・リストが愛したピアノとしても知られています。

東日本大震災で、震度6強の揺れを受けた国見町は役場庁舎が全壊してしまったため、ピアノのあった観月台文化センターのホールに、仮庁舎を置いています。このためインペリアルは、誰も手を触れることなくこれまでホールの隅で眠っていました。

そして今月3月3日。地元の方々に安らぐ時間を過ごしてほしいという願いから、久しぶりにコンサートが開かれ、インペリアルの音色が2年ぶりに会場に響きました。

◆国見町 太田町長の言葉
このベーゼンドルファーのピアノは平成6年、今から18年前にこの文化センターの開館と同時に購入して、様々な演奏をこれまでにやってきた。しかし2年前の震災で文化センターは役場の仮庁舎となり、コンサートはできない状況に。2年間この名器は使われずにいた。震災から2年、町は復興へ向けて進もうとしている。そういう視点でごゆっくりご鑑賞して元気を取り戻して頂きたい。


コンサートホールは今も使えないため、研修室を利用して行われたこのコンサート。国見町・太田久雄町長も、町の財産・インペリアルの復活を心待ちにしていたといいます。

この日のコンサートでは、ピアニスト木住野佳子さんが震災後に作曲した『HOPE』という曲を披露。また、『上を向いて歩こう』や『ふるさと』などの曲が演奏されました。

会場に集まった町民の方々も「震災前を想い出して懐かしさを感じた」「まだ復興の途中。ホールは使えずイベントもできない。それが出来るようになり、町も賑やかになって欲しい」と、町の宝・インペリアルの音色が戻ってきたことをそれぞれに喜び合っていました。


国見町は、震災の揺れで2191棟が全壊、一部損壊の被害を受けましたが、自身の被害については徐々に復旧のめどが立ちつつあるそうです。ただ、放射線の問題はいまも残っています。今後は、一般家屋の個別調査や、放射性廃棄物の仮置き場の問題を解消しなければならず、復興へ向けた課題だと町長は話しています。

明日も、福島県国見町(くにみまち)から、インペリアルの演奏と地元出身の詩人・内海和子さんよる、詩の朗読の模様をお届けします。

2013年3月15日

3月15日『LOVE&HOPE 2年目の春便り』(10)

『LOVE&HOPE 2年目の春便り』。
震災から まる2年が経過。先週から2週間にわたり番組では「もう一度会いたいあの人や、改めてお礼を伝えたい人への想い、また、普段言葉にできない感謝の気持ち」を募集。たくさんのメッセージをお届けしてきました。本当にありがとうございました。

最後にお届けするのは、宮城県・石巻市出身、浅田香菜さん19歳です。
この番組では、なんども彼女の言葉を伝えてきました。
被災地の子どもたちに海外留学を体験してもらう『サポートアワーキッズ』という支援プログラムに応募して、2年前、ニュージーランド語学留学を経験した浅田さん。

震災直後は夢をあきらめたけれど、海外で出会った人々、体験した様々なことが、もう一度、夢に向かって進む力をくれたと言います。そんな浅田さんのメッセージです。

◆宮城県石巻市 浅田香奈さんからの手紙
ニュージーランドで出会った人へ。
震災から2年、ホームステイから1年半。いまNZを思い出しながら書いています。人生で初めての海外。自然が沢山あって暖かい人たちがたくさんいる国、そこで出会った人たち。私はいまNZで吸収したエネルギーで夢に向かって前進中です。私の夢は笑顔を届ける女優になることです。震災後、夢を追うことを諦めなければいけないのかなと思いました。けどNZに行って伝えきれない感謝の気持ちができて、それがエネルギーになりました。私は必ず夢を叶えます。そしてNZに感謝の気持ちを伝えに行きます。だからそれまで、離れてはいるけれど忘れないでいて下さい。遠くてもつながっていることを教えてくれたNZのみんなにまた会えることを願って。また会う日まで大好きです。
宮城県石巻市出身 浅田香菜


*****

浅田香菜さんが参加した『サポートアワーキッズ』。被災地の子どもたちの自立支援を目的としたこのプロジェクトでは、今年の夏、3度目の海外ホームステイを実施する予定です。行き先は、フランスやアメリカ、ニュージーランドなど数カ国となっています。

このプロジェクトは、支援者の寄付によって運営されていて、来月4月2日には、サポートアワーキッズ主催のチャリティオークションが行われます。

ゲストとして、陸上ハードル元日本代表・為末大さんや、鈴木大地さんなどが登場。平原綾香さんのチャリティライブも行われます。デヴィッド・ベッカムのサイン入りユニホームなど豪華なアイテムが出品予定です。

■4月2日(火)、午後6時開会。会場は、東京ドームホテル B1 天空。
 応募方法・参加料金など詳しくは、サポートアワーキッズのwebサイトをご覧下さい。応募締切りは3月28日です。
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パーソナリティ 鈴村健一

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