2013年1月16日

1月16日 東北各地の<災害FM>はいま(3)  南相馬さいがいFM

今日スポットをあてるのは、福島県の「南相馬さいがいFM」<ひばりエフエム>。
南相馬市は、原発事故の影響で、市の一部が現在も避難指示解除準備区域に指定されています。チーフディレクターを務める今野聡さんに「ひばりエフエム」の現在の放送内容、そして今後運営の見通しについて、伺いました。

◆いまも「災害状況」が続く南相馬。新しい放送局の制度が必要・・
―ひばりエフエムの特徴的な番組は放射線量のモニタリング情報。市内129カ所のモニタリング数値を読み上げるだけでも30分近くかかる。学校給食の検査結果も含めて放送。放射線については不安や質問が多いので、医師に内部被ばくとはどういうものかというのを解説してもらう番組もある。放射線に関してはいろんな見解があるので、市内で行われる講演会なども収録して特別番組として随時放送している。
―もちろん放射能の話ばかりではない。南相馬の市民は、毎日不安におびえて暮らしているわけでもない。そんな中で、若者が楽しく素朴な声を届ける「若者たちのRADIO会議」という番組も放送。
―今後の運営について。現在の制度の上では、臨時災害放送局として続けることは難しい。コミュニティFMへの移行も当初から考えていたが特に経営していく上で課題が多い。一方地域の人にはすごく必要としているのを感じる。
―南相馬市内の企業が大きく疲弊している中、復旧復興が進む中、災害FMとコミュニティFMの中間に位置して住民の心のよりどころとなれるような、新たな理解による放送局の制度が必要と感じている。


南相馬さいがいFMの一部の放送は、インターネットによるサイマル放送や、HPからのダウンロードでも聴くことができます。故郷を離れて、全国各地で避難生活を送る南相馬の人たちにも、放送を楽しみにしている方が多いといいます。<ひばりエフエム>の番組は、そんな<人と人をつなぐ>ツールでもあります。

南相馬さいがいFM<ひばりエフエム>

2013年1月15日

1月15日 東北各地の<災害FM>はいま(2) 釜石さいがいFM

災害FM、正式名称は「臨時災害放送局」。
洪水や地震など、大きな災害が発生したときに、被害を減らすことを目的として、一時的に放送を行う放送局のことです。許認可の仕組みが特別に簡略化され、出力も必要に応じて拡大することができる一方、運営面でもさまざまな優遇措置が施されています。

総務省は、東日本大震災のあと、被害の甚大さを考慮して、「災害FM」の免許期間を最長2年と定めました。その期限切れが、この春訪れるのを前に、各地の災害FMがこれからの放送や運営について、いま頭を悩ませています。

岩手県の「釜石さいがいFM」も、そんな岐路に立つ災害FMのひとつ。釜石市広聴広報課の三浦麻美さんに伺いました。

■必要とする人がいる限り、放送を続けたい・・
−(現在の放送内容について)震災後の影響がまだまだあり、地盤沈下しているところが各地であり、ちょっとの雨ですぐ浸水し、車が通行止めになるところがある。災害FMでそういった情報を適所にリアルタイムに伝える役割が一番大きいかなと思う。
−まだ仮設住宅に住む人もたくさんいる。住宅再建や災害公営住宅の計画が進んでいるが、今年度中の完成ではない。被災された方が一番求めているのはこれから住む場所の情報。これから続けて発信していかなければと思う。
−コミュニティFMに移行するという方向も考えてはいるが、現在は担い手が見つからない。運営資金についても、一番はスポンサーがつくことだが、釜石市内の企業も被災してスポンサーがつくのは難しい面があるのかなと思っている。
−一番重要なのは公営住宅の入居時期が延びていること。手続きなどの生活支援情報を細かく伝えるのは、新聞などがあるが、目の見えない方にとっては災害FMが最も有効だと思うので、放送してほしいとう声がある限り放送をしていきたい。
−免許をいただいている総務省には認可を1年間延長してほしいと伝えている。われわれとしては存続したいという声はこれからも上げていきたいと思う。


「釜石さいがいFM」の放送免許の期限は今年4/6まで。現在、1年間の免許延長を総務省に申請しています。

釜石さいがいFMブログ
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パーソナリティ 鈴村健一

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